台風30号被災者への支援物資配布状況

2013年11月20日作成



台風30号がフィリピンに上陸して1週間後、11月15日(金)のNHKニュースで、レイテ島での 日本のNPOによる支援物資の配布の様子を紹介していた。車でレイテ島の南部にあるMaasinからタクロバンに向かって北上し、順番に支援物資を配っていた。そのNPOが立ち寄った場所では、他からは まだ支援物資が届いていないということで、支援物資の到着の遅れが心配された。

しかし、その後は、フィリピン内外からの支援が続々と到着していると報道されているので一安心とも言える。ただ、支援は被害の一番大きかったタクロバン周辺に集中していて、それ以外への支援が遅れているという情報も多く、現状の支援物資の配布状況を、検索して調べてみた。


11月17日のPhilSTARによれば、レイテ島、サマール島において、支援が加速しているそうだ。以下、記事の内容を簡単に紹介しておく。

レイテ島では、ほぼ全域に支援が届くようになっている。被災地で陸路がまだ通じていない地域へは、米軍の空母ジョージ・ワシントンからヘリコプターで支援物資を配布している。

サマール島では、南東部にあるギワン/Guiuanが支援物資運搬の中継地になっている。東サマール州の州都であるボロンガン/Boronganとの間は、アクセスが非常に難しい状況が続いていて、東サーマル州の24の町の内、9つの町は未だアクセスが出来ない。これらの地域には、主に米軍のオスプレイが支援物資の輸送を行っている。

サマール島の西側のカトバロガン/Catbaloganと州都ボロンガンとの間の道は、復旧していて、そちらのルートでボロンガンまで物資を運ぶのは容易になっている。

国連の関連機関の発表では、17万人に食料が届けられた。米軍は118トンの食糧、水などの支援物資を配布し、2900人を飛行機で別の場所に移動させた。

被災地は広範囲に広がっており、UNによれば、未だ250万人が緊急に食料の必要な状態が続いている。


WFP says yet to reach 600,000 typhoon survivors (11/19 Inquirer news)

国連のWEPによると、台風30号の被災者で緊急に食料の配布が必要な人の見積もりは250万人で、そのうち190万人には、既に食料を届けた。しかし約60万人には、まだ食料が届いていない。


Relief vehicles moving at faster pace in Matnog (11/20 Inquirer news)

ルソン島からサマール島へ渡るには、通常、ルソン島のMatnog港からフェリーに乗る。支援物資を載せたトラックが、Matnogで、乗船待ちの長蛇の列をつくっていたが、フェリーを増便して、渋滞が緩和されたそうだ。対応が遅いと思われるが、やるべきことをやった結果、支援物資の到着が加速されるのだろう。


Coron gradually recovering from Yolanda disaster (11/20 Inquirer news)

パラワンのコロンでも支援物資が届いている。
現地では、少なくとも20人が亡くなったが、現状、支援物資が被災者に配布されるとともに、住宅の再建が進められている。


Negros sends aid to Panay (11/18 SUN STAR Bacolod)

Negros occidentalのNFA(National Food Authority)は、パナイ島での台風30号の被災者へ向け、1万5千袋(一袋50kg入り)の米を送った。

西ビサヤ地方で、被災した8万6千家族に対して、合計2257万ペソ相当分の支援物資が配られた。(一軒当たり約260ペソ)


セブ島北部やバンタヤン島などへも、支援物資を持って行ったという情報を幾つも見かけた。ただ、被災者の数があまりにも多いので、まだまだ不足しているはずである。


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