2nd Coco mountain championship

2007年 7月


Vangieチームのココ・マウンテンの前で記念撮影
(子供たちは ココ・マウンテンが主役であることを理解していない。)

昨年の第一回に続き、今年もココ・マウンテン・チャンピオンシップを開催した。海に流れ着くココナツの殻をより多く集めた方が勝ちという単純な競技である。第二回の期間である2007年5月24日までの約1ヶ月間、激しい競争が繰り広げられた。優勝者は、Jay Mという今年の四月にハイスクールを卒業した少年である。

ココナツ不足

第二回を開催した一番の成果と言えるのは、ココナツ不足である。昨年の集め過ぎ(??)の結果、近所の海辺に流れ着くココナツの量がかなり減った。ココナツ不足で、競技の継続が危ぶまれたが、かなり遠い場所までココナツを拾いに行くことで、なんとかココナツを集めた。近所の2kmほどの海岸では、ココナツを見つけるのが難しい状況になっていて、ある場所で、一度漂着ごみを拾ってしまえば、同じ場所では、しばらくは 漂着ごみが少ない状態を続けられる可能性を示すことができた。もちろん、これは地形によるが、フィリピンの島によくあるように、さんご礁のリーフがあるところでは、同じような結果を期待できそうである。

良いことばかりではなくて、いかにもフィリピンという話を含め、いろいろ課題も浮かび上がってきた。

まずは、昨年の優勝者 Michael Jackson(仮称)のココ・マウンテンは、上げ底であったことが判明したことだ。既に現物は解体されているので、現場検証はできないが、関係者の話からインチキは間違いない。
チャンピオンは、この競技の直後、出身地のミンダナオに帰った。その際、近所の人が所有するヤギで、彼が世話をしていたものを、勝手に売り払って代金を持ち逃げした。オーナーは怒って警察に訴え、その結果、たかが ヤギのことで、彼は、お尋ね者として、家に帰ることができない逃亡者になってしまった。以上の事情から、本人に詰問することができないが、タイトルは剥奪するしかない。
インチキしなくても、彼は、他の参加者よりも十分多くココナツを集めたので、間違いなくチャンピオンであったはずだが、この状況では、タイトル剥奪と言うしかない。

もう一つの課題は、今回は、チャンピオンのスタートダッシュで、他の参加者が戦意喪失してしまったことである。とりあえず、参加は表明したものの、ココ・マウンテンは作らず、表彰式の食事だけに参加しようとした者。ココナツを集め始めたが、チャンピオンのココ・マウンテンを見て戦意喪失して、諦めて参加賞狙いに切り替えた者など、一人が突出したことで、その弊害が出てしまった。女性や小さな子供には、最初から幾らかのココナツを支給するなど、ハンデ戦にする必要があることが判明した。

今回の競技では、最初から一人が突出してしまったが、そのまま終わっては面白くないので、私の家の隣のVangieチームを支援し、何とか引き分けに持ち込もうと、私もココナツを集め始めた。昨年も私は沢山ココナツを集めたが、その時は競技には参加せず、単なる参考として、これを上回って欲しいという目安にしようとココ・マウンテンを作った。それに対して、今回は、主催者も競技に参加してしまった。一旦参加すると私も夢中になってしまうので、チャンピオンよりも3割ほどは多くココナツを集めた。しかしながら、敵もさる者、ココナツをうまく積み上げ、高さが一番であった。さらに、チームでなくて個人で参加しているので、一人あたりで見れば、他を大きく引き離している。結局引き分けは諦め、一人のチャンピオンを決めた。

花より団子、ココ・マウンテンより食事

葬式でも何でも、食べることが大事なのがフィリピン。ココ・マウンテン・チャンピオンシップを開催しても、表彰式には食事が出るものと誰もが思っている。30人余りを集めて、表彰式というより食事会を開いた。
食材の買出しで、足りなくては困ると、私にとっては大金の千ペソを予算と決め、いろいろと買い込んだ。しかし、滞在中の日本人から、「これでは全く足りない。せいぜい10人分。」という指摘を受けた。確かに日本だったらそうなるが、フィリピンの人たちは、少しのおかずで沢山のご飯を平らげる、スポンサーの財布に優しい特技を持っているので、私は これで十分と反論して、そのまま押し切った。結果は、かなり余って お持ち帰りとなった。子供がたくさんいる場合には、1000ペソなら50人分、一人20ペソと言うのが私の結論である。(ただし、母親のうちの二人は、それぞれ子供5人分は食べそうだという情報も付け加えておく。)

コストダウンの秘訣は、モンゴスという小さな緑の豆。これを煮込んだ料理は、フィリピンの庶民の食べ物で私も好んで食べるのだが、2kgあれば、現地の人の40食分のおかずくらいにはなりそうだ。豆は2kgで100ペソ足らずで、そこに加える豚肉などの方が高くつくが、合計してもエコノミーな食べ物と言えそうだ。その他、焼きそばや米粉もコストダウンに役立つ。こちらの人は、麺類もおかずにして食べるからだ。

料理の種類が多いので、3軒で分担して調理してもらったところ、開始予定の12時の30分前には、調理が終わり、料理を持って、みんなが集まってきた。できたものは食べるしかないと、なんと、30分も繰り上げて、食べ始めることになったのであった。通常Filipino Timeと言えば、1時間くらいは遅れるものだが、Filipino Time para kaon. 食事のフィリピーノ・タイムでは、30分も時間が早くなるという実績ができた。


ほとんど課題ばかり書いてしまったが、これは、まだまだ発展段階で、今後の進展を期待してのことである。

そして、何度も書いているが、よくあるように、華々しい成果を紹介して、寄付や支援を求めようなどとは、考えていないからだ。課題も多い情報を参考にして、何かを始める人が出てくることを期待してのことである。別の場所からの参加者は歓迎する。

課題は多いが、第一回の時にも書いたように、この取り組みは いろいろな可能性を秘めていると 自負している。インターネットを利用して、遠い場所からも対戦者が現れることを特に期待したい。


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