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工事中の様子2

2008年5月作成   
2008年6月更新   


(→ 2008年6月更新分)

3月の第一期の工事後、5月に工事を再開した。
前回と同じメンバーを雇う予定であったが、あいにく、ほとんどの大工が別の現場で働いていて、結局、大工一人に、ヘルパー(補助員)2人という、かなり少ない状態で再開することになった。今回は、プロジェクトのメンバーである先生が1名、現場監督として参加してくれて 心強い。

第六日目終了時の様子(写真上)

私の方は、不足している建材の購入や、大工を探すため、出掛けていることが多かったが、作業終了時に戻って来ると、残念ながら、思わしくない進行状況であることがわかった。窓枠をセメントで作る場合の当て木を、6インチ幅の板をそのまま使えば良いところ、なぜか4インチ程の幅になるよう 長手方向に木を切っていたということが判明した。一生懸命何時間もかけて、切っているので、別の大事な用途があるのであろうと思っていたのだが、そうではなかった。この用途では、全く切る必要がない。結果を見て、どっと疲れが出た。フィリピンは手ごわい。

第七日目終了時の様子(写真上)

先生が近所の大工二人を連れてきてくれて、5人で作業を進めることになった。人数が増えたので、この日は床にセメントを敷くことにした。期待どおり、1日で何とか終了できた。さらに、窓枠2箇所を終えた。
床はセメント12袋のみで済んだ。5mx6mで30平米あるので、20袋以上必要だろうと思っていたが、かなり少なめである。セメント1袋+砂4袋+砂利4袋というかなり混ぜものが多い構成にしたためである。以前の例では、砂利は、床で大きめの石の間に敷き詰めていただけで、セメントには混ぜなかった。この違いが大きい。

通常は、壁にセメントを塗ってから、床にセメントを敷いた方が綺麗にできるので そうするものだが、今回は、床を先に終えた。前回、扉枠の取り付け位置を大工が間違い、かなり下目にしてしまったので、その調整のため、床に敷いておいた石を大量に外に放り出すという とんでもないことをしてくれた。その教訓から床を先にした。


第八日目〜第十五日目

第六、第七日目と同様だが、大工が期待通りの人数は集まらなかったので、心積りしていたよりも 時間がかかってしまった。この期間の主な作業は、窓枠作りと、壁へセメントを塗ることである。結構時間がかかりながら、毎日淡々と進んでいるので、一日ごとの進捗ではなくて、その他も含め作業項目ごとにまとめて説明する。

窓は、全部で7箇所。場所により、2連、3連があり、それらをすべて分けて計算すると全部で19あり、中はかなり明るい。ブロックを積み上げて造る家の場合、窓枠は、木で別途造る場合と、セメントで固める場合がある。ここでは、セメントの窓としたので、現場で一つずつ大工が造っていった。セメントを固めるための木枠を、最小限にとどめ、できるだけ使いまわすため、主に一人の大工で作業を進め、その結果5〜6日間かかった。壁のペンキの色が白であることもあり、次に、窓枠に白セメントで上塗りした。

窓枠作りの様子

壁には、ブロック積みなどと比べ、多くのセメントが必要となる。ブロック積みの場合なども含め通常、セメント1に対し、砂4の割合が多い。しかし、壁にセメントを塗る場合、下塗りで、セメント1に対し、砂2の割合である。

上塗りは、セメントのみである。しかし、今回は それをやめて、そのままペンキを塗って、質感を出すほうを選んだ。 壁へのセメントの下塗りの作業は、第八日目〜第十三日目に、大工2〜3人で行い、さらに補助の二人が、セメントを捏ねた。

壁にセメントを塗っている途中

壁のセメント塗りが終わり、ペンキの
一回目の塗装が済んだところ。

シキホール島では通常は、海砂を使う。砂と言っても、さんご礁のかけらやウニの殻などが沢山含まれていて、壁の表面のセメントに使う砂の場合には、金網でふるって、ゴミを取り除く。その作業も補助員の仕事である。

参考までに、今回のセメントの使用量の概略を以下にまとめておく。

セメントの使用量 

10袋

ブロック積み

15袋

ビーム

4袋

12袋

28袋

窓枠

4袋

扉枠

1袋

入り口の床

1袋

窓枠の上塗り

1袋(白セメント)

合計

75袋+1袋

その他、扉の枠の取り付け作業も行った。今回の扉の枠(ドア・ジャム)は、ジェミリーナと呼ばれる木を前回3月に購入しておいた。それを、別の場所で加工してもらい、その後大工に取り付けてもらった。 木材店が在庫で持っていて買って欲しそうにしていた木があったが、少し短かった。それでも、その木を買って扉よりも、高さ方向に少し短い扉枠をつくった。不足分をセメントで補い、木ができるだけ床から上にある方が水に触れず腐りにくいし、シロアリにも食われにくい。材木をもう一本買うのを節約できる。売れ残りなので割引きしてくれる。これらの効果を期待して、長さが短めの木を買った。

扉は既製品を購入して取り付けた。取り付けは、大工ではなくて、監督に来てくれた先生がやってくれた。かなり経験があるようだった。ちょうつがいは、メンテナンスを考え、通常より一桁程度高いステンレス製のものを使った。
その後、大工にドアノブのを取り付けてもらった。

扉の枠(ドア・ジャム)

角材2x2を4本脚に使って、扉枠を吊り上げ、取り付け位置を調節する。

ペンキ塗りは、ローラーを使えば、容易にできるので、私も含め監督者や、補助員が、交代しながら行った。壁のセメントは粗塗りしかしていないので、凹凸の激しい部分は、ブラシで後からペンキを補った。

また、壁の上の方が一部空いていたので、木を並べて、セキュリティ対策とした。さらに、窓に、横方向に鉄筋を入れ、万全を期した。

屋根の下の三角形の隙間に、2x2の角材を並べ、不審者が侵入できないようにした。 窓ガラスの横に、10mmの鉄筋を埋め込んだ。

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