ラーニング・センター・プロジェクト

進捗報告 2010年3月

2010年 3月作成



ラーニング・センターの現況
バルコニーも無事完成

概要

・初年度に比べ、二年目は、受講者の受け入れ人数を抑えていたことに加え、いろいろ問題も発生し(鍵問題等)しばらく低調 な時期が続いていた。全体を管理していている女の先生が、お産でしばらく休んでいたという状況もあった。
・そこで、問題点を洗い出し、その対策に取り組み始め、さらに、受講者を再募集したので、2010年に入ってからは、かなり人が増えて、再び活気が溢れるようになった。
・建物の建築の方は、トイレを除いてほぼ終了しているが、以前からのアイデアであるモバイル教室のプランを作成中である。予算は1万51千ペソから2万ペソ程度であり、予算の範囲内で収まる設計ができれば、試作して、現地で試運用する予定である。

各コースの経過

ミシン

・二年目の昨年12月までは、受講者が少なく、2、3名で進めていたが、1月以降は、再募集をかけて、出席者が7、8名に増えた。
・日本から送ってもらった布切れを実習に利用していて、今後数ヶ月の在庫はこれで十分。ただし、使い方次第で必要量が大きく異なるので、調整が必要。
・練習で作った試作品を売って、その代金で新たな材料を買うというループにしたい。(Sustainable)
・日本から着物を提供してもらい、着物のリメイクのプロジェクトを試行中。現状、受講者は1年で修了して、その後の継続がないが、やる気のある人には、修了後、自宅にミシンを貸し出し、何か仕事をしてもらうような取り組みが望ましい。
・作る物のアイデアを日本からも、提供してもらえないか依頼中。
(手芸、洋裁の古雑誌。パッチワークのかばん、その他の各種の見本。)

パソコン

・講師の出産もあり、昨年9月〜12月は低調であったが、今年1月からは、新たに多くの受講者を加え現状は盛況で、受講希望者が多く、コースの人気は高い。
・管理が十分でないとホビー用に勝手にパソコンを使い出す場合があり、不適切な受講者が数名首になった。
・1年以上継続してスキルアップできるような仕組みが確立しておらず、何か仕事を出来るレベルに達するまでのギャップが大きい。例えば、訪問者の一人から、プログラミングの仕事の依頼があるが、現状では、ラーニングセンターでは引き受け手がなく、別を探すしかない状況である。
・山奥など、ラーニングセンター以外の場所へ、パソコンを貸し出し、練習してもらう取り組みも継続中。
・訪問者の中でWeb designやイラストレーターのレッスンをやっても良いという人が何人かいて、再訪してもらい集中講義などを検討中。
・インターネットは、USBの小型モデムを使い、容易に接続できるようになった。費用面から、既にISPと契約している私の自宅でインターネットの講義を計画中。
・パソコンの故障が多いが、ある程度 修理のノウハウは蓄積でき随時修理を実施。更に中古品を追加して対応中。

料理

・野菜を使ったフィリピンの料理や、ケーキなどお菓子の調理実習を実施。
・昨年の8月、小麦粉等3000円分程度の食材を支給し、これを元手に、作った料理の一部を売って、それを次の材料費に回す取り組みを始めたが、思うようには進まず、約3ヶ月で、原資は底をついた。
   S=a/(1-r)
という見慣れた公式で、aは 当初買った1500ペソ 約3000円分で、これで3ヶ月分の食材とする。rは、作った料理のいくらかは食べてしまってよいが、残りを売って、材料費の8割を回収し、r=0.8これを順番に繰り返す。そうすれば、全部食べてしまった場合に比べ、当初の予算が5倍長持ちする計算になる。これが狙いであったが、残念ながら絵に描いた餅で、目論見は達成できずに終わってしまった。
・ミシンのコースなどと同様、1月以降 再募集して、受講者が増え(約15名)、増設のキッチンも有効利用されるようになった。

溶接

・昨年から溶接のコースを立ち上げ、講義に続き、実習として、バランガイ(村)所有の椅子や机の修理、および自動車整備で使う車の車庫の製作を行った。車庫は、ねじ止め式。取り外し、運良く買い手を見つけ、売った代金で、材料を買って再度製作するのが狙い。
・溶接機が1台に対し、受講者が5〜10名程度来ていて、機械、材料(実習のターゲット)が不足しているのが課題。
・時間帯を分けて、実習を行うよう当初から提案していたが、実施されず。
・機材を増やす場合、溶接機は1万円余りの値段だが、消費電力が大きいので、新たな電気工事が必要になる。近くの電柱は容量が飽和状態で、追加工事ができないのがネックになっている。
・4月以降は、教材のネタとして、窓の鉄格子などを発注してもらえるところを探す予定。
・売れそうな試作品のアイデアを日本から提供してもらえると嬉しい。(現状の案:デザインの良い椅子、バナナ・スタンド、蟻よけのホック)

自動車整備

・実習用の自動車の部品が大幅に欠落していて、現状、実習はなくて講義のみを実施している。
・バッテリーその他、不足している部品の安価な中古品を探すことになっているが、その状態であまり進展がない。

課題と対策

・ラーニングセンターでは課題が多く、容易に200以上の課題を挙げることができそうである。
・パソコン教室の先生で、ラーニングセンターの管理全般を担当している女性が、現在 ボランティアで無給状態なので、その女性に、幾らかの賃金を払い、課題をリストアップして、対策をまとめてもらっている。
・例えば、鍵問題。ドアの取っ手の鍵が壊れ易く、既に二度交換した。安くても長持ちするものもある。交換後、合鍵を作るまでに、鍵を開ける担当の先生が鍵を持ち帰ったまま、二日来なくて、授業が二日休みになったことがある。
・全般には、マネージメントがほとんどないというのが、一番の課題だが、それも含めて、レポートにまとめてもらっているところである。
・フィリピンは、バハラナ(Let it be.)で、あまり変革を望まないとお国柄とも言えそうだが、日本人が関わっているプロジェクトなので、課題・問題点を解決し、できるだけよい方向に改善するよう指導中。
・もう一つ 例を挙げると、ドタキャン問題。フィリピンでは、日本と異なり、先生は絶対権力者で、ドタキャンも平気である。これが、受講者離れの原因になりかねない。

その他

前回の報告で挙げた作業進捗のリストを更新し、新たに始めた項目を追加した。

項目

進捗

説明
バルコニー

修了
ペンキ塗りも終わり修了。必要なら椅子・テーブルを追加する。
屋根や木、壁等のペンキ塗り

修了
Job発注した。
調理場の改造

ほぼ終了
オーブンは欠陥があったので取り壊した。
本棚

未実施
食材。布切れなど材料の在庫が増えたので、それらの保管場所も含め、見直し中。
ドアノブまたはカギの修理

修了
10月に取り替えたが、すぐに壊れ、再度取り替えた。
教科書、問題集、辞書の調達

ほぼ終了
よさそうなものが見つかれば、さらに追加する。
ミシン修理

継続実施中
溶接と自動車整備の先生が、何度か修理してくれた。
トイレの建設

未実施
バランガイホールと共用検討中
移動教室

検討中
設計と部材の調査中


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