フェアトレード版インターネット英会話レッスン

2008年 11月



英会話の講師を務める近所のAngelyn


インターネットを利用して、フィリピンの田舎に住む人々が直接仕事を得られる代表的な例として、テレビ電話を使った英会話レッスンを以前から取り上げていた。それが、昨年になって、私の家のある地域でも無線を使ったプロバイダーのサービスが始まったので、早速申し込んで試してみた。ところが、古いOSを使っていたことも含めシステムの調子が良くなくて、安定して使うことができなかった。オークションで1万円程度で落札したノートパソコンで、日本では調子よくテレビ電話を使えていたので、ソフトウェア、カメラ等を含めそのままフィリピンに持って来て試したのだが、しばらくするとノイズが大きくなったり、途切れてしまったり。 これでは英会話レッスンには使えないと、しばらく諦めていた。
その後、訪問者が最新のノートパソコンを持って来て試したところ、問題なく使えることがわかった。日本の自宅と比べ、こちらでは、インターネットの転送速度は遅いが、それでも、そこそこの速さのシステムであれば、使えそうなので、パソコン、OS、カメラを含めすべて入れ替えて試したところ、十分使える状況になった。

そこで、「フェアトレード版インターネット英会話レッスン」と称して 実験を始めた。当初から予定していた通りで、講師は近所に住むAngelyn. 受講者はAngelynのペンパルをしている日本人である。この方は、日本から金銭や物品を持って行って あげるだけの支援では、下手をすると乞食を育成しているだけにしかならない可能性もあるし、それでは飽き足らない人で、実験の参加をお願いしたところ、快く引き受けて下さった。レッスンのお礼を払って、学費の足しにしてもらおうという作戦である。奨学金としてお金をあげてしまうより、ちゃんと働いてもらう この方が健全ということだ。

教材

まだ数回レッスンをしただけで、試行錯誤を続けているが、テキストは、インターネットで探してきたものを使っている。この手のレッスンをビジネスで行っている業者は多いが、その場合には、自前でテキストを用意するか、権利関係の問題が起こらないよう対応が必要だろう。それに対し、ここで紹介しているように、個人対個人で行うのであれば、インターネットで公開されているもので、人のふんどしを使っても特に問題はないだろう。

手動検索エンジンで、検索すると次の通りとなる。

英会話レッスンの教材を検索したい。

映像も沢山あって、それなら講師は不要という考え方もできるが、補足説明やQ&Aに講師がいてくれた方が、よりよく理解が進むはずで、映像の教材も有益なはずである。

受講者のホームページも教材に使っている。写真を見ながら、説明したり、Q&Aを行うことで、特に話す方の練習になるはずだ。

中級以上であれば、映画を見て、解説、Discussionというのも良さそうだ。

実施形態

こちらでは、冒頭の写真のシステムを使っている。OSはWindows XP, テレビ電話はSkypeだが、Yahoo Messengerも利用可能である。ISPは Smart Broである。

私のように、間に入ってお手伝いする人がいれば話は早いが、最近はインターネットカフェでも カメラやヘッドセットを備えている場合も多く、設備はそれを利用することも可能であろう。

先日の私のところの訪問者で、フィリピンの知り合いの家にノートパソコンを持って行って、パソコンの操作を練習してもらうという話が進んでいる人がいるが、そのような場合を検討してみる。もしも、持って行ったノートパソコンを使って、同様の英会話レッスンを始めようということであれば、プロバイダが必要になる。こちらでは、常時接続の契約をしているが、当然毎月の支払いが出てくる。貧しい人の支援を目的にしてもらおうと思っているので、それだと、常時接続の契約が一つの壁になることが多そうだ。その場合には、フィリピンの携帯電話と同様プリペイ式なら始めやすそうだ。私の使っているプロバイダも含め、最近は、ブロードバンドだと主張しているものの中でも、プリペイ式でお手軽なものを見かける。

余談だが、常時接続のブロードバンドの契約をしているところは、Internetという看板を出して 賃貸しを試みて、なんとかプロバイダー代を稼ごうとしている場合が多い。冷蔵庫のある家では、ICE 4 saleという看板を出して、電気代を稼ごうとしているのと同じようなものだ。Monkey businessと呼ばれているものの一種でもあろう。

支払い方法

ここで取り上げているような内容なら、たぶん一回数百円程度をお礼に支払うことになりそうだが、普通に送金していては、手数料ばかりが大きくなってしまう。私のように 間に入る日本人がいれば、簡単に済みそうだが、そうでなければ、そこそこまとめて払うにしても、送金の工夫が必要であろう。例えば、フィリピンに居る家族に日本のキャッシュカードを渡しておいて、フィリピンのATMでお金を引き出させているような人もいるようだが、インターネットで検索すれば、いろいろ情報が得られるし、まともな範囲でいい方法を選択する必要がある。


業者から嫌われそうな内容にも読めるので、少し業者に対する言い訳を書いておきたい。実際には、このようなレッスンを自前で始めるのは、それほど簡単ではない。この記事を読んでも、お手軽に業者のサービスを利用した方が良いと思う人は少なくないはず。従って、業者の宣伝にもなっているはずということだ。私の方は、フェアトレードのいう看板のとおり、現地の知り合いと直接レッスンを始める人が出てくることを期待したい。


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