2006年11月
最近、オーストラリア人が買った近所の土地 日本なら 不動産売買の手数料は、小額でなければ3%と法律で決まっていて、手数料をぼったくられるような話は聞かない。しかし、フィリピンでは、特に田舎に行けば、エージェントと呼ばれ、大抵は無許可の不動産業者がいて、現地の事情に疎い外国人をカモにして、荒稼ぎしている場合が多い。
以前、ボホール島で日本人の知り合いが土地を探すのに、結構長い間付き合ったことがあったが、例えば、以下のような感じであった。
その人は、地元の業者に土地探しを依頼した。その業者が紹介する土地を見に行き、希望する条件を満たしていないことが分かると、その業者は、知り合いの業者に連絡し、一緒に別の土地を見に行くことになる。希望の条件を満たす土地をリストアップしてあるわけではなくて、急に連絡して見て回っているだけなので、所望の土地にめぐりあう可能性は低く、結局、いろいろ土地を見て回ることになる。そこで気になるのは、別の土地を紹介する業者に順次 声をかけるので、ぞろぞろ業者がついて来て、最後は、ちょっと大げさだが、大名行列とでも言いたくなるような異常な状況になってしまったことだ。売買が決まれば、居合わせた業者みんなで儲けを山分けするので、少しでも、話に絡んでおこうと、いいお客さんである日本人がいれば、業者は誰も途中で帰ろうとしないのである。
少しの手数料を多くの業者で分けていては儲からず、この状況から、手数料が高いのは容易に想像がつく。
その日本人は、主に相手にしていた業者がウソばかりつくので、別の業者に依頼し、最終的に、うまく土地を入手し、めでたし、めでたしとなったのだが、土地の入手方法に関しては、私とは意見の相違があり、今も平行線のままである。
私が、多くの不動産エージェントを疑いの目で見ている中、近所で ぼったくり事件が発生した。
私の家から100mほどしか離れていない海沿いの土地を、最近オーストラリア人が買った(冒頭の写真の土地)。近所の人の噂では、もともと、地主が30万ペソで売ろうとしていたものを、私の家の近くに掘っ立て小屋を建てて住んでいる網元が、15万ペソ、50%の手数料を取って、オーストラリア人に仲介したということであった。この網元は、以前私のところのコテージに泊まっていった韓国人がベランダに忘れていった競泳用のゴーグルを、掘っ立て小屋に持ち帰り、そのまま着服しようとしたことがあり、非常に怪しい。その韓国人から電話で 「ゴーグルを忘れたので探して欲しい。」と依頼を受けた隣家の女の子が見つけて、取り戻してきた。他にも、バランガイ・ホールに保管してあったセメントを数十袋盗んで、警察に訴えられたこともあるし、私のホースを勝手に持って行って使ったこともあり、とにかく怪しい。
別の用事があって、このオーストラリア人の妻の従兄弟で、この土地の管理をしている人物と話す機会があった。彼が言うには、このオーストラリア人は60万ペソ以上支払ったが、そのうち地主は25万ペソを受け取り、残りは、複数のエージェントが山分けしたということであった。とんでもないボッタクリである。
12月に、このオーストラリア人は 現地にやってくるそうなので、これから どういう進展があるか楽しみだ。
以前から繰り返し言っていることだが、このように、勘違いして払い過ぎる外国人が出てくると、土地の値段は、いくらでも吊り上ってしまう。現地の貧しい人々が買えるような値段ではなくなり、いい迷惑である。
近所の米国人は、7、8年前、1平米あたり10ペソ程度の値段で土地を買った。 一方、私は適度の間隔で、訪問者用のコテージを複数建てられないかと思い、近所の土地を少しずつリースしようと、人に頼んで土地を探してもらったところ、このオーストラリア人が買った土地の隣の土地の地主は、自分のところは、1平米1000ペソで売りたいと言い出した。米国人の土地の方が、立地が良いが、10年で、土地の値段が2桁も上がるとは、到底考えられない。シキホール島では、業者の悪い噂が絶えないが、一般には、地主も含めて、外国人と見るや、土地の値段を何倍にも吊り上げようとする土地の外国人価格が課題であろう。
時間をかけ、沢山友達をつくり、十分情報を得て、適正価格で土地を入手したい。
因みに私がお奨めしたいやり方は以下の通りである。
エージェントは、地主に依頼されて、高く土地を買ってくれる人を探す人のことで、地主の側の人間である。土地が高く売れた方がエージェントも儲かるし、そうでなくても、高率の手数料を取ろうとする。
こういう状況なので、エージェントが付いている土地は、最初から相手にしない。
一方、外国人が直接顔を出して土地を探し出すと、これも ぼられるもととなる。そこで、土地の取引を生業にしていない普通の人を、日当を払ってネゴシエーターとして雇い、直接地主を回って、所望の条件にあう土地を探してもらう。エージェントが荒稼ぎしているのを見て、ネゴシエーターが寝返り、裏でリベートを取る可能性もあり、それにも目を光らせておく必要がある。こういうことを考えるのは、少し悲しい気もするが、フィリピンに限らず、観光地化が進み、外国人が沢山やってくると、乗り物などでぼられたりするのと同じく、特に東南アジアを中心にして、世界中で起こり得ることである。
ゲーム感覚でうまく対処したいものだ。
土地を探す前は、現地で アパートや下宿屋に住んで、現地の事情に十分精通するようにしたい。また沢山友達を作り、多くの情報源を持つようにしたい。
これまで多くの日本人が失敗してきたように、自分は日本にいて、現地人の知り合いを頼って、そちらにお金を送って、土地を見つけてもらい、家を建ててもらうという方法は絶対に避けたい。大金を使い込まれたという話が余りにも多いからである。普通の人まで悪人に育て上げるか、テロリストのような悪者に、大金を握らせ、治安を悪化させることになる可能性が少なくない。
一方、相手の足元を見て買い叩くことが無いようにしたいものである。単なるマネーゲームで土地を売買することもあろうが、土地を手放す理由として、子供が大学に行くための学費や、家族が病気になって その医療費のためであることが少なくない。同情をかって土地を買ってもらおうという単なる作り話のこともあるが、そのようなウソは調べればすくに分かる。授業料を払えないと子供は学業を続けられないので、値引き交渉をし易いが、自分の土地を売ってまで、子供を学校に行かせようというのは、かなり良い親と言えよう。医療費の場合も同様だ。そういう人の足元を見て、土地を買い叩こうとするのは賛成できない。
読んでいて、頭の痛くなるようなことを書いているかもしれないが、騙され、ぼったくられるパターンさえ外せば、とてもお手頃な費用で、土地や家を手に入れることが可能だ。 日本人が 予習することなくいきなり、広大な土地を買って、豪邸を建て出すから、失敗する事例が多いのであって、先人の失敗事例、成功事例からほんの少し学んでおけば、十分なのである。
最後に補足しておくと、都市部を中心にして、日本人で不動産業に携わっている人も少なくないはずだ。住んでいる場所の関係から 私は ほとんど係わりはないが、そういう方は良心的なビジネスをされているものと期待したい。
一つ言えることは、日本人がフィリピンにやってきて、自分では言葉も分からず、直接現地の人を相手にすることができないので、日本人の業者に依頼し、実際に日本人に動いてもらうのなら、高くついて当然だということである。先達である日本人の業者は、習慣の異なる異国で、苦労して 言葉を習得し、ノウハウを獲得し、多大な時間をかけて準備をしてからビジネスを始めたわけで、自分では何も出来ない日本人は、日本人の業者を 手数料の高いコンサルタント見て、しかるべきであろう。
高くつくのが嫌なら、自分で直接現地の人を相手にできるようお勉強してくださいと言うことだ。