2万ペソのコテージ

2007年4月作成
2018年10月更新




フィリピンのインフレについて

日本ではデフレが言われて久しいが、フィリピンでは基本的にインフレが続いている。最近の10年程度では、年率2%〜8%程度のインフレ率になっているが、平均すると4%程度だ。これで概算すると、5年で20%、10年で50%とみても、大きな違いはなさそうだ。(4%でもう少し細かく計算すると、5年で1.22倍、10年で1.48倍となる。)

金額について、後から再見積もりをしていない場合には、これらの数字をもとに、読んだ時点でのおおよその金額を予想して頂きたい。

スウェーデン人が2万ペソの
予算で建てたコテージ


安くて、雰囲気が良くて参考になりそうなコテージを見つけたので紹介する。場所は、シキホール島のSan Juan(現地の発音では、サンヌワン)と呼ばれる町の中心から、5kmほど山に入ったところ。日本人男性と結婚したフィリピン人女性の実家がすぐ近くにあり、そこに私はよく出かけるのだが、そのすぐ近くにできた。

ニッパ・ハットと呼ばるかや葺きで、竹を編んだアマカンと呼ばれる壁を使った建物である。金属屋根に比べ、日中の暑い時間でも快適に過ごせる。予算が2万ペソ(1ペソ=約2.5円、2007年4月現在)と格安。スウェーデン人とフィリピン人の若い奥さん、それに小さな子供の三人が住んでいる。

斜面に建っていることもあるが、床がかなり高くて、見晴らしが良さそうなのも、いい印象を受ける理由の一つである。
階段とバルコニーには、ハードウッドと総称され 通常使われるココナツ材よりも硬くて、耐久性のある材木を使っているので、外国人が建てたものであろうとすぐに分かったが、センスが良くて 印象も良い。

フィリピンでは、現在は、大統領令により木を切ってはいけないと言われているが、田舎の方までは、なかなか行き渡ってないのが実情だ。先の大統領選での現職大統領の疑惑が外国にも伝わっている。現職の強みを活かし、選管の職員に指示して、対立候補の票を減らし、自分の票を増やすように、集計結果を書き換えるというインチキをしたおかげで当選したと、テレビや新聞で繰り返し報道されていたので、そう思っていない現地の人を見つけるのが難しい状況では、この手の(木を切らずに済ませるとは到底思えない。)大統領令が、浸透しないのは、さもありなんと思ってしまう。

私のところのコテージは、外国では当たり前だが、現地の人がDouble wallingと呼んで特別視している内壁と外壁で二重になった構造になっている。フィリピンの田舎では、材木はチェーンソーで切ったものをそのまま使っているので、寸法が揃っていない。その状態で、Double wallingにしようとすると、壁を平らにするため、沢山の材木が必要になることが理解できるはずだ。これをやっていては2万ペソを実現するのは難しく、ここで取りあげているコテージの壁は一枚だ。この場合、隙間風が入ると困る部分には、何か対策が必要だ。

フィリピンの特に田舎では、横殴りの雨が降ることが多い。アマカンは何度も雨にさらされると、変色して、朽ち果てたような色になってしまう。この対策として、屋根のひさしを十分な長さにしておくのがお勧めだが、このコテージは、ひさしが十分な大きさにできている。

ニッパのピッチをできるだけ短くし、屋根を十分な厚さにした方が長持ちする。通常大工に任せておいた場合に比べ、その二倍ほどニッパを使った方が良いと私は提案するが、残念ながら、このコテージでは、ニッパのピッチは通常と同じであった。

この手のコテージにしばらく腰を据え、本番の自宅を建てる場所をゆっくり探すというのが、賢いやり方だろう。このオーナーも、そうしているとのことであった。
フィリピンの田舎、特にシキホール島では、ボッタクリ不動産エージェントが横行しているので、注意するように伝えておいた。


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