Free patentの土地の5年間の売買制限

2012年7月作成



Free patentで発行されたタイトルの土地は、5年間は売買禁止という制限がある。Free patentは、そもそもは、公有地を一定期間耕作してきた農民に、国が土地を無償で与えるものなので、自作農を増やすのが目的で、その手の制限がつくのは理解しやすい。

この制限にひっかかってしまった笑い話のような事例を紹介しておこう。あるオーナーが土地を売ろうとしたところ、タイトルのないTax declarationのみの土地で、買い手がタイトルがない(登記されていない)土地では駄目だと言い出した。そこで、オーナーは自分の頼んでいる土地売買のエージェントを通して、タイトルを取得した。ところが、今度はFree patentなので5年間売買禁止になり、すぐには売れない、買えない状態になってしまった。

もう一つ、よく聞く事例を紹介しよう。この5年の制限を無視して、売買契約を結んだ場合である。これはご法度なので、当然登記もできない。それでも買ってしまった人は、5年の年季が明けるまで待って、登記しようとする。その時に、元の売買契約書では、違法で当然受け入れられないので、日付を変えて、売買契約書を作成しなおすことになる。その時に、弁護士がまた高い手数料を請求するのかしないのか。元のオーナーが簡単に契約書にサインしてくれるのかどうなのか。いろいろな可能性が出てくる。そもそも、売った側も怪しいので、新しい契約書にサインするのにお金をよこせと言い出したりしたら、さらに怪しいとは言えよう。しかし、買った側は、サインしてもらわないと登記できないので、弱い立場とも言える。そもそもこの5年の制限について、知っていたのかどうかという話もいろいろ出てこようが、知っていたなら売買しなかったというのがまともな話であろう。
この場合の売買契約書の日付は、空欄で手書きにしておけと、怪しいことを言う人もいる。

さらに困るのが、Capital gain taxの支払いである。売買契約後30日以内にCapital gain taxを支払わないと、多額のペナルティが待っているが、支払い期限までに支払ったとしても、その後、登記ができない。場合によっては二度払いする人が出てくるのかもしれない。


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