役所が果報を寝て待つ建物固定資産税の延滞金

2014年 5月作成
2018年 3月更新


(→2018年3月更新分へ)

以前自分自身もやられてしまったが、最近知り合いの日本人も同じような目にあったので取り上げておきたい。Lot tax(固定資産税)の請求が来ないからと 放ったらかしにしておいたら、長い間寝かした後、多額の罰金、延滞料と共に請求が来てしまった。請求して来ない方が悪いのだと、外国の常識で外国人が開きなおっても後の祭り。ここはフィリピン。請求が来ないからLuckyなどと思っていたら、腹黒だと言われても仕方がない。

シキホール島在住のある日本人の事例

固定資産税 延滞料
6年前〜4年前 年間900ペソx3年=2700ペソ

合計3100ペソ
3年前〜1年前 年間1200ペソx3年=3600ペソ
合計

9400ペソ
合計x2(ペナルティとして倍額)

トータルの支払い 9400x2=18800ペソ

家を建ててから6年が経つが、途中で固定資産税の見直しがあり、最初の3年は税額が900ペソで、その後の3年は1200ペソに値上がりした。延滞料は古い支払いの方が当然高くつくが、合計すると3100ペソとのことだ。これらの合計だけにしてくれれば良いものが、さらにPenaltyとして、2倍の係数がかかり、全体の合計が18800ペソ。通常の約3倍である。

あまりに高いので、値引き交渉をするそうだが、簡単ではなさそうだ。

私の場合

知り合いの前に私も同様な目に遭ったことがある。建物を建てて、いつの時点かでTax declarationの書類が届けられたことになっていた。しかし、私の手元には届いておらず、本当にそれを役所が送ったのか、勝手に送ったことにしているのか不明である。

とにかく、役所が査定を行ったのがかなり古く、合計8年ほどの固定資産税が滞納になっていた。知り合いの例と同様で、Tax declarationを受け取っていないと主張しても駄目だった。その時は、一斉摘発のような感じで、近所の家々も軒並み同じように請求が来て、自分のところも含め、合計の支払いが2000ペソ程度の家が多かった。

残念ながら、その時の領収書が見つからなくて、正確なことが言えないが、税額は1年で50ペソ程度であったと記憶している。

折角なのでもう少し具体的に書くと、建物が全部で3つあり、以前に滞納とされた時は、一番小さい建物だけに課税された。なぜなら、商用のコテージと見なされたので、小さくても税金を払えということだった。しかし、その時は、自宅を含め、それ以外の二つの建物は、小さな住宅と見なされ、税額はゼロで済んだ。課税された小さなコテージと比べれば、残りの二つの建物の面積の合計は10倍程度あるにも関わらず、そちらは無料だと言ってくれたので、滞納と言われるのにはかなり反発があったが、合計ではお得と思い 受け入れた。

その後、見直しがあり、昨年から税額が新しくなったが、それによると、自宅はセメントの壁なので、小さいが税額は年間85ペソ。その他は、木造ということもあり、すべて無料となり、商用・住宅用の区別もなかった。前回とは査定する担当者が異なっていて、見方も異なっている。年間85ペソは流石に簡単に支払える金額なので、3年分まとめて支払った。場合によっては、プロモで 前払いの割引があることもある。


(以下、2018年3月追加)

別の日本人の事例

しばらく間が空いて忘れかけていたが、また同じように固定資産税の延滞金を請求される例が出てきた。今回の分も含めここで取り上げている3件の事例は、私を含め すべてシキホール島に家を建てた日本人で、今後も、別の日本人のところに同じように請求が来る可能性が高そうだ。(近所のフィリピン人も同じ目にあっているし、日本人を含む外国人だけが対象ということではない。)

今回の例では、7年ほど寝かした後に請求が来て、延滞金を含め合計7800ペソ支払うことになったそうだ。結構大きな家だが、木造なので、本来 税金はほとんどかからないはずだが、最近床にタイルを貼ったり改装しているので税額は上がる方向だ。延滞と改装が請求額に占める割合がどうなっているのか よく分からないが、とにかく、この二つが課題である。

改装の方は、家が良くなるので、税額が増えるのは当然で、本人が払うつもりになっていれば、課題ではなくて何の問題もない。

しかしながら、この日本人の語学力の問題等により、固定資産税、延滞金、家の改装で税額が上がるというようなことは、当初は全く分かっていなくて、私も少し手伝ったが、別の日本人の尽力で、なんとか今回の請求を払うところまではこぎつけた。

少し補足しておくと、

今回の建物オーナーである日本人は、シキホール島に来て友人になったフィリピン人が所有する土地の一部を無償で借りて、そこに木造のコテージを建てた。時間が経って地主は亡くなり、今回、建物に対する固定資産税と延滞金の請求が相続人のところに届いた。相続人である新地主は、土地の固定資産税は支払っている。しかし、建物は日本人のもので、この日本人に今回の請求分を支払って欲しいと思っている。さらに、地主は、これ以上 固定資産税が上がるようなこと、即ち、家の増築や改装をして欲しくないと思っている。後者については、この日本人が亡くなったら、家は地主のものになりそうな状況なので、もっと家にお金をつぎ込んでもらい、将来立派な家が自分の物になるのを望むだろうという見立てもできるが、実際には、地主はそうは思っていない。

最後に、今回の件では、語学力不足が主な原因で、現地で 独り立ちできない日本人。それと、今回役所まで納税に連れて行った立役者の日本人や私のように、現地事情にそれなりに精通していて、何か問題が起こると相談を持ち掛けられやすい日本人。両者の関係の課題を露呈した。話が長くなるので具体的には書かないが、なんでもかんでも人に頼ろうとしていては、フィリピンではそのうち騙されるのが目に見えているので、少しでも自ら解決するように、首を突っ込んでもらいたいものだ。



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