山で見かけた雰囲気の良い家

2012年1月作成



山の中の道で見かけたお宅
庭も十分広く、何といっても家がほとんどバルコニーのようになっていて、開放的な雰囲気が良い。

シキホール島の山の中をバイクで走っていたら見かけた家を紹介する。好き嫌いは人によるので 雰囲気が良いと書いたのは私の主観であり、意見が異なる人も少なからず居そうだが、いずれにせよフィリピンで住む家に興味がある人には、参考になるはずである。

とにかくこの家は、壁というか部屋がほとんどない。バルコニーハウスと言っても良さそうだ。しかしながら、バルコニーの手すりにあたる部分は、1mぐらいの高さで完全に板で覆われている。従って、男性ならば、パンツもはかずに全裸でウロウロしても何とか下半身は外から見えずに済みそうである。実際には、この家は山の斜面に建っているので、山側から覗くと少し見えてしまう。もしも外から下半身は見えないという仕様にしたいのなら、少し対策が必要だろう。女性の場合は、胸が見えるので駄目だろうなどという話は、かなり横道に逸れている。

とにかく私も含めて、開放的な雰囲気が好きな人には、とてもいい感じの家に思える。日本でこんなものを建てても、冬場というか 地域にもよるが年間の半分近くは、このパルコニー部分は寒くて使えないはずだ。日本では存在が考えられない家であろう。

バルコニー部分をどう使うか。それは人それぞれで、ここでいちいち言うこともなかろう。

これを見ていると、とにかく地面だけは小奇麗に固めて、その上にガーデン用のテーブルに椅子。そこにパラソルでも開けておけば、そんな土地が横に少し付いていれば、ここでのバルコニー部分も それほど要らないのではないかとも思えてくる。

大草原の小さな家。米国なら、冬場は寒いので、冬場用に防寒対策がしっかりした家で、そこそこの大きさのものが欲しくなるが、これが熱帯で、回りが大草原のように広々としていて、他に誰も居なければどうなるか。家がそこそこ広いと自分はそこに引き篭もってしまい、外の広大な空間を捨ててしまっているような感じがしてならない。

いろいろなことを考えさせてくれる ユニークで楽しい家だ。

この家は、蚊が苦手な人には、向かない。しかしながら、そうやって、日本人の家は大抵窓にメッシュを張って、網戸のようにする。ところが、フィリピン仕様のメッシュなので 程なく破れる。破れたらすぐに修理する人も居ようが、そのまま放ったらかしの日本人もシキホール島で複数見かける。日本人がわずかしか住んでいないシキホール島にしても この状況なので、最初は蚊が苦手でも、面倒臭い方が勝って、しばらく住めば、蚊にも慣れてしまう日本人が多そうだ。


詳細な部分に目を向けると、

斜面に立地しているという理由が大きいが、基礎にかなり石垣を積んでいる。床を平らにするためだが、そのため、窓もない家だが、泥棒はそれなりに入りにくいのだろう。山側の石垣は高くないと言えるが、泥棒が来る可能性があるなら そちらは別途対策が必要だろう。

フィリピンの標準品とも言える竹の簾が巻いて吊るしてある。通常よく見かけるのは幅が1.9m程度だが、これはもう少し長そうだ。風や横殴りの雨をこれで防ぐということだろう。日差しを防ぐという目的もあろ。この簾の上げ下げに時間がかかると、家の使い勝手が悪いので、通常ならロープと滑車やプーリーで、簡単に上げ下げできるようにするはずだ。

簾を下げても、横殴りの雨では、ある程度は水も入ってくるだろうし、閉め忘れで失敗することもあろう。バルコニーでも外に近い部分は、電化製品など、濡れて困るものは置かないのはもちろんのこと、傾斜をつけて、万一溜まってしまった水を外に流す工夫も必要だろう。

柱は現況では少し厳しそうだ。横殴りの雨の影響で、そのうち腐ってきて、いずれは屋根が落ちてしまうことだろう。コンクリートの柱で、外に木を貼り付けるというような工夫が望まれる。他の家では、丸太のような太い柱にしているところもある。この家の状況は確認できていないが、中央の大黒柱を丈夫に造り、そのお陰で回りが少々腐ってもとりあえずは、屋根は落ちないという場合もある。反対に、大黒柱は邪魔なので無くして、周囲の柱でもたせている場合もある。



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