木食う虫もいろいろ
ボクボク、アナイ、アガイアイ

2016年4月作成





日本で 家の柱などの木材が食われると言えば、通常はシロアリだが、熱帯のフィリピンでは冬が無くて 年中 虫の動きが活発で、シロアリ以外の被害も多い。

シロアリはフィリピンではアナイ(ANAY)と呼ばれるが、それ以外に竹を食べるボクボク(BOKBOK)。 さらに、アガイアイ(AGAY-AY)と呼ばれる別のシロアリもかなり多い。こちらは、日本では乾材シロアリと呼ばれ、外来種で最近日本でも見かけるようになったそうだ。

アナイ(ANAY)

シロアリは、タガログでもセブアノでもアナイ(ANAY)と呼ばれるが、熱帯で高温多湿のフィリピンでは、経験的にも実際にも、日本よりはるかにシロアリの被害が多いのは間違いないはずだ。シロアリにやられないため、木造よりセメントの家が好まれる傾向にあるとも言えるし、田舎にある木造の簡単なあばら家は、シロアリに食われても簡単に建て直し、最初からシロアリに食われることを想定しているので、そういう前提なら、大した問題ではないと言うこともできる。

しかしながら、特に外国人でシロアリにやられることを想定せず、やられ放題で メンテを放棄してしまったコテージというのも多い。木造のコテージの場合には、通常 茅葺屋根で、屋根のメンテナンスを放棄した時点で、雨漏れで 木が水をかぶり、シロアリに食われたり、腐って朽ち果てたり、とにかくシロアリは熱帯でも大きな問題だ。

フィリピンのアナイも同様だが、シロアリは、地中に大きな巣をつくって繁殖しているので、数が多くて、放っておくと被害も広がりやすい。

手元に写真がないので 掲示できないが、地表付近のモグラの通路のように、土をかぶせた通路をつくるので、分かりやすい。そうは言っても、シロアリ側も防御のため目立ちにくいところに通路を作ろうとはするので、見落としやすい。

ボクボク(BOKBOK)

フィリピンには、ボクボク(BOKBOK)と呼ばれる竹を食べる虫もいて、なかなか厄介だ。外国人には竹は自然な感じで良いが、竹はボクボクに食われやすくて 長持ちしない場合が多いので、現地の人たちにとっては、竹は、通常 安物のイメージを持たれる。

ボクボク対策で、防虫剤を塗ったり、しばら竹をく海水に浸けておいたりすることもあるが、残念ながら、完璧な対策にはならず、ボクボクに食われるかどうかは、運が影響しそうだ。右の写真は、ボクボクに食われた竹の例だが、ボクボクが食った後には細かな粉が沢山出る。また小さな穴が沢山開いている。

ボクボク(BOKBOK)に食われた竹

アガイアイ(AGAY-AY)

アナイは、地面から這い上がってくるが、アガイアイは飛び地形で木を食い散らす。通常のシロアリのように、地面から沢山の群れでやってくるのではなくて、小さな群れがある場所から順番に食い広げていき、長い時間をかけて被害が出ることが多い。

アガイアイの食ったカスは、1mm足らずの丸い粒々で、見れば分かりやすい。壁や天井など、かなり上から落ちてきた場合には、カスが広範囲に広がり易い。
反対に、円錐のようになりカスが集中している場合には、まさにその下の木が食われている可能性が高い。
その場合には、早めに、殺虫剤をその場所に吹っかけるべきだろう。

アガイアイ(AGAY-AY)が食ったカス


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