Purokをつくる  

2001年2月


不愉快な出来事

作業経過でも触れたが、途中でいろいろ不愉快な出来事があった。その中でも、極めつけは竹を調達しに行った時のことである。人のふんどしで相撲をとる。人にトラックをチャーターさせておいて、自分の荷物をごっそり運ぶ輩が現れ憤慨した。

竹を運ぶため、隣人で自称竹のオーナーとその義理の息子、そして私の3人で、小型の自動車の運転手のところへ行った。しかし、運転手が不在で、しばらく待ったが帰って来ないので、次の日の朝7時に同じ場所に集合してその日は帰った。

この手の約束をしても、まともに時間どおりにフィリピン人が現れることはまずない。他の国でも良くあることだが、フィリピンなのでフィリピ−ノタイムと呼ばれている常識だ。そこで、朝の待ち時間に何をするかを、前日の夜から考え始めた。当日7時10分前に、現地に行くと、ドライバーは、次に他の仕事も控えているので、早く行こうと慌てていて、残りの二人を途中まで、迎えに行ったりしたが、予想どおりなかなか現れない。

30分くらいして、ドライバーは、「次の約束があるので、またの機会にしよう。」と言い出し出かけてしまった。私は約束の場所のあたりでさらに1時間ほど待ったが、予想どおり、残りの二人は現れなかった。

その後、二人の所に行ってみると、息子は、義父が腹痛のため行けなかったと、言いわけをした。そして、義父に会ってみると、元気に仕事をしていた。見え透いた嘘だとすぐにわかった。次からは約束を守るようになるのではと期待して、約束したのに来なかったことを、その家の他の家族に説明してみた。すると、家族の一人は「フィリピン人はみんな嘘つきだ。信用してはいけない。」という決り文句を言い出した。約束の時間を守らないのはフィリピンの常識なので、ここまでは私の守備範囲。予想どおりに進んでいて特に問題はなかった。

時間について少し補足しておくと、私も約束の時間を守れる自信はあまりないので、できるだけ約束しないようにしている。電車が時間どおりに来る日本とは違い、時間厳守は高くつくのである。ジプニーの乗り場に何時に行くといった約束はできても、そこで何時に乗り物が来るという保証は何もないので、乗り物がすぐに来れば何時頃着くといったことしか言えないのである。
必ず時間どおりに着くようにするには、乗り物をチャーターする必要がある。すると、料金が10倍から数十倍かかることもあり、高くつく。そういうことを繰り返していると、普通の場合でも料金を10倍以上要求されるようになり、運転手が通常の値段では行きたがらなくなり、多くの人が迷惑する。他の方法としては、車やバイクを購入する方法もあるが、人それぞれの考え方があり、私の場合も乗合の乗り物(Public Transportation)の方が好きなのである。

本題に戻り、不愉快な出来事は、この後起こった。
竹調達同行の二人はトラックをチャーターし、午後から竹を運ぶことになった。現地に行き無事竹を持って帰った。竹は沢山あったので、そんなにいらないと思っていたところ、竹は、ほとんどは同行者が建てている家の方に運ばれた。そして、残りをPurokの方に持って行き、案の定、運送費の請求は単独こちらへ。いわく、金がない。普通なら、運んだ物の量の割合で、支払の分担を決めるはず。なんとずうずうしいことか。

彼らがやったことの始終は簡単に想像がつく。

すなわち、まずPurokのためだけに、竹を運ぼうとしたが、運転手がいなかった。これ幸いと、気を変え、運転手にも誰にも何も連絡せず、勝手に約束をキャンセル。せっかく運送費用を払ってくれる人がいるのなら、これを利用しない手はない。自分の家に使う竹も運んでやろうと、大きなトラックをチャーターした。「何で、あんたが使う竹の運送費まで払わないといけないのか?」 そう私が言い出さないために、自分の家用の竹を運ぶなどと言うことは、一切説明せず最後まで押しとおした。 そして、運転手にも私にも断りもなくキャンセルしたことについては、義父の腹痛という見え透いた嘘で言い逃れしようとする。

彼らが竹のオーナーなのかどうかは不明だ。いずれにせよ、今回は運送費を払っただけだ。加工された竹だけを買っておけば、もう少し安くついたかもしれないが、それほど出費がかさんだわけでもない。にもかかわらず憤慨しているのは、彼らが人をだまして自分の利益を挙げようとしていることが見え見えだからだ。
最初から、すべても説明してくれて、運転手にも迷惑をかけていなければ、こちらも気持ち良く運送代を払えるのだが、今回は不愉快なままで終わってしまった。



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