ボロボロ

2010年8年12日作成
2013年9月11日最終更新



長い間、シキホールのボロボロを支えてきたコンセンおばあさんが、2013年5月に亡くなられた。シキホールの観光業界にとって大打撃であろう。ご冥福をお祈りする。

ボロボロはシキホール島で行われている治療法で、コップの水の中に石ころを入れ、体の悪いところに近づけ、ストローでブクブクと吹く。すると体の中の毒素がコップの中に移り、その結果 水が濁る。確かに水は濁るが、効果の有無については ここではコメントしない。信じないと効かないと言っている人は多い。シキホール島在住の日本人の一人によると、30年ほど前には、コップの中から さびた釘や陶器の破片まで出てくるボロボロもあったそうだ。

これまでは、個人的な興味の関係もあり、ボロボロを取り挙げなかったが、依頼されて何度か訪問者を案内したこともあり、折角なので紹介したい。できれば 今後更新して、複数比較するようにしたい。

余談だが、奥さんが病気の米国人の旦那さんが、これからボロボロを試してもらおうとしている人たちをして、somebody who has a problem は良くなくて、who needs to be treatedが相応しいと言っていたが、さすが米国人だ。フィリピンで、現地の人と英語で話していても、この手の違いを気にするような感じには思えない。


CONCHING BOLOBOLO

ここでは途中で水を変え、合計3回ボロボロを行う。最初は、かなり水が濁り、二回目は濁りが少なくなり、三回目はもう濁らない。三人に試してもらったが、皆同じような経過で水が濁った。最後に、ボロボロ師のおばあさんが、特殊な液体を手につけて、それを患者の体の何箇所かに塗っていた。

私が他の人を連れて行った時には、私のつたないビサヤ語以外に現地の言葉が分かる人がいなかったが、その後、現地に住むフィリピン人と日本人のグループが行った時には、いかにもと思える話が出たそうだ。すなわち、体が痛い理由は、黒魔術師が呪っているからということである。おばあさんは黒魔術師の居場所も分かるそうで、ドライバーに頼めばそこへ連れて行ってくれるということだ。この話も私のコメントは差し控えたい。

場所: Tag-Ibo, San Juan
行き方: COCO GROVEから さらに国道を南へ。ON THE ROCKS CAFEから さらに1kmほど行き左折。坂道を登り、2kmほどのところにある。

ボロボロの家

GENOLOU (2010年9月追加)

こちらのボロボロもやり方は同じだが、コップの水が濁るのではなくて、中に小粒の石が現れる。

今年になって、おじいさんから孫の若い女性に代わったので、経験が浅く、ありがたみや効果が薄れたように見られる場合が多い。小粒の石が出るだけで、コップの水の色はほとんど変わらないこともあり、この女性はやたらたと説明をして、それが言いわけのようにも聞こえ、年が若いという課題と合わせて、来た人からの評価を下げる原因になっているようだ。

今年の三月の始めに、ここに来た時には、家族に子供が生まれたので、おじいさんは、子供と子供の母親を連れて山に2ヶ月こもっているとのことだった。この孫娘に子供が生まれたということだろう。その後、ボロボロをやる人は世代交代したが、超能力も孫娘が引き継いだと、このファミリーは言っている。

場所: Sandugan, Larena
行き方: Larenaから国道を東へ約4km。Kiwi, Paradise, Casa de la playaへの入り口をから 国道を さらに東へ約50m。

ボロボロの家


ボロボロの料金

ボロボロの料金だが、これが難しい。私が連れて行った人たちとも、一体いくら払いましょうかと 行く前にしばらく相談した。
ずばり適正価格ということだが、いくらが適正か簡単には言えない。相談では、概略を決めたが、あとは 現地の状況によって決めようということになった。

ガイドブックには50ペソと書いてあり、それは目安にはなろうが、それが定価ということではない。入り口に、一回いくらと定価を書いて、その通り払うなら分かりやすいが、気持ちを込めて沢山払ってくれることも当然期待しているはずで、定価を掲示するとは到底思えない。

土地の場合と同じように、日本人が来て良く分からず適当に払っていると、10人も来れば、あっと言う間に桁が上がってしまいそうだ。しかし、実際にはガイドブックを見てくるか、よく知っている人に連れられてくるか、大抵どちらかで、それだと コントロールされて、日本人により値段が上がる状況では無さそうだ。実際 料金は高騰していないので、他の外国人が来ても同様に値段はそれほど上がらなかったのだろう。

結局、私が連れて行った時は、3人で200ペソ払ってもらった。すると おばあさんは嬉しそうにしていた。
もう一組、日本人一人と現地人3人のグループは、合計4人で100ペソ払ったそうだ。値段は貴方次第(It's up to you.)と決まり文句を言ってきたので、払う側で現地人の一人が、そう決めたとのことだ。

他にも いろいろな観点のコメントを書き始めて、ここでのトーンに合わせるため 削除したが、「フィリピンへ行こう」を、読んで いる人なら、何を書こうとしたか、大体想像してもらえることであろう。

現地の人とボロボロ

近所の人々にボロボロの場所を聞いても、10人くらいの中で知っている人は居なかった。ボロボロの存在自体は知っているが、近くに無いとその程度である。一方、日本人が住み始めているという話があったので、その人を探しに出掛けた時のこと、日本人が近くに住んでいないかと、通りがかった お店の人に聞いたら、それは知らないが、近くにボロボロがあるので行ってみてはどうかという話になった。この二つが 現地の人々のボロボロへの認知度を十分現していると言える。

私が訪問者をボロボロに連れて行ったという話を、シキホール島に滞在中の日本人にしたら、その人の滞在先の家で、ボロボロの話題で盛り上がり、次の日に皆でボロボロに出掛けたそうだ。途中場所を聞きながら行くぐらいで、皆初体験である。結局、興味はあるが、この日本人がすべて払ってくれたように、交通費を含め予算が付けば行くということであろう。

なんでそんな少しの費用のことでと思われるかもしれないが、シキホール島の大学進学と事情が似ている。余談ではあるが、シキホール島で一番大きなシキホール・ステート・カレッジに通えるのは、大抵は大学のあるラレナかその近くに住んでいる学生である。もしくは下宿させて大学に通わせる余裕のある家庭の子弟ということになる。いくらハイスクールで、成績が一番で、授業料が免除になっても、家が貧しくて、大学から遠いと、下宿の費用か 高い交通費の重圧に耐えかね、途中でほとんどストップしてしまう。反対に、大学に歩いて行けるようなところに住んでいると、成績は良くなくても、卒業できてしまう学生が少なくない。日本なら、入学試験は、成績順で結果が決まるが、こちらでは、成績よりも大学に家が近いかどうかで決めているようなもので、国の将来によろしくない事態であるのは言うまでも無い。
外国人から見れば、ほんの少しの金額であるはずの交通費が大学に行ける行けないを決めて人生を左右し、同様にして、ボロボロに行ける行けないを決めていると言えよう。ただし、大学の方は、卒業しても仕事がないという別の問題を抱えている。


(2013年3月追加分)

最近のボロボロ

観光ブーム?

マニラなど都市部の中産階級の収入が増え、海外も含め旅行によく出掛けるようになり、シキホール島にも、フェスタ目的でなくて、普通にリゾートに泊まって、観光するフィリピン人が増えた。また、アロヨ時代に、国策でシキホールの観光開発を進めようということになり、予算がついて道も良くなり、宿も増え、外国人の旅行者も増えた。このようにして、シキホールは観光ブームと言えそうで、先日人を連れて、ボロボロに行ったら行列が出来ていた。実際には、日本で歯医者でも、散髪屋でもそうだが、ラーメン屋の行列のように外で並んでいるわけではなくて、自分の順番を認識しながら、座って待っているだけで それと同じ。待ち行列の一つではあろう。

人気のコンセン・ボロボロに訪問者を連れて行ったら混んでいた。それでも最初からそれを予想して、午前10時頃に出掛けたので、一組だけ待つだけで済んだが、後から来た人の中には諦めて帰ってしまった人もいた。

と言うことで、混む前に行った方が良さそうだというのが一つのアドバイスである。ただ、そうは言っても、これは12月〜3月のハイシーズンに、ホーリーウイークを含めた場合であり、それ以外は、あまり観光客も来ない。例えば、私が始めてシキホール島に来た十数年前、8月だったので、空いていて、日本の冬場ならほとんど満室の宿が、その時は貸切状態だった。 ハイシーズンを外せば、ボロボロについても混雑は考えなくて良さそうだ。

おばあさんの健康状態

コンセンばあさんは高齢で、健康状態が優れないので、これが最期と思って、ボロボロをしてもらった方が良いという人がいる。一方、先日行ったところでは、おばあさんは年の割には元気そうで、もう少しボロボロを続けられそうに見えた。

いずれにせよ、沢山で出掛けたりしたら、おばあさんも大変なので、万一、しんどそうな様子があれば、無理強いは禁物であろう。

ボロボロの家 アップグレード

最初にボロボロの家と書いたら、下手な駄洒落だと叱責を受けたが、そのような誤解が生じないように(?)、コンセン・ボロボロでは、いろいろと拡張が続いている。玄関側に店のようなものが増築され、ボロボロ室(治療室?)からあふれた客は、そちらで待っていた。家は、カーテンで飾っているし、なんと言っても、ボロボロ御殿と呼びたくなるような、別棟ができかけていた。おばあさんの孫や子供のために建てているということだが、少しの間に かなり変化して、商売繁盛の様子が伺えた。

待合室のような店が増築してできた。 カーテンで飾っている。
ボロボロ御殿? おばあさんは健在


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