フィリピン 島暮らしの物価

2018年8月作成



前回は、シキホール島でのバターの値段が他の地域より かなり割高なのに憤慨して、いろいろ同様の事例を紹介した。その作成の日付を見ると7年前で、かなり時間が経っているので、今回は前回と比較しながら、また一から書き直してみた。
比較・参考のため以前書いた話も最後にそのまま残してある。

バター・乳製品の値段

バターの価格の比較
- ドゥマゲッティ シキホール割安店 シキホール割高店
2011年 103ペソ 約120ペソ 145ペソ
2018年 98ペソ 約120ペソ 140ペソ

分かり易いように表にしてみた。これまでの大方の動向とは違い、7年前比べ値段が上がっていなくて、むしろ値下がり気味なのが嬉しい。乳製品では、十数年前までは、牛乳1Lパックを40ペソするかしないかの値段で買っていたが、その後値上がりし、現在では大体80ペソはしていて、日本より割高で、買わなくなってしまった。隆起さんご礁の島に住んでいたら、水の中はカルシウムだらけで、たんぱく質は魚で摂れば良いので、割高の牛乳を日常的に飲もうとは思わなくなった。
牛乳についても、7年くらい前からはあまり値上がりしていないのだろう。

説明の必要もないだろうが、バターは ドゥマゲッティに行く機会があれば、行った時に買ってきて、行けない場合は、シキホール内でも結構値段が違うので、安い店で買うということになる。今回は、すぐにはドゥマゲッティに行けず、シキホールでは、割安店の在庫が切れていて、しばらく待ってもダメで割高店で買う羽目になった。

バケツ・プラッチック製品の値段

バターに続き、島内外価格差が気になるのが、前回も取り上げているバケツの値段だ。十数年前にシキホール島でも3個で100ペソで買えた時があったのが、7年前には、安いものを探してもシキホールでは80ペソしか見つからなかった。
これに対し、最近ドゥマゲッティのディスカウントショップに行ったら、まだ45ペソで買えた。
その他でも、プラスチック製品は、全般にシキホール島では割高感がある。
ただし、最近は、シキホール島でも大きなディスカウント・ショップが増え、お買い得もあり、割高かどうかはケース・バイ・ケースだ。

中国の長城帽は、外人が多く来る土産物屋では、10倍くらいの値段にふっかけて売っていたことがあったが、それ程ではないにしても、割高だと思ったら、他と比べた方が良い。

その他、ここで何でもかんでも取り上げることはできないが、例えば、よく買うカット野菜のサリサリも、5年ほど前までは一袋5ペソだったが、今は10ペソになってしまい、さらに量も減少傾向だ。雑草のように生えている空芯菜やつる紫も、以前は、一束2ペソだったのが、5ペソになってしまった。まだまだ割安感はあるが、かなり値上がりしている。
焼き魚に便利な椰子がらの炭は、15年くらい前は、一袋3ペソで買えたが、今は15ペソになってしまった。木の炭は10ペソだそうで、2年ほど前のエルニーニョで椰子の木が沢山枯れてしまったのも影響しているのかもしれないが、値上がりしても平気で買ってしまう外人の増加も影響していそうだ。

値上がりで、暗い話が多いが、まだまだ割安なものも多く、例えば、親しい漁師が自宅の前の海で捕ってくる新鮮な魚は、美味しいし、市場よりも安くてオトクだ。高級魚はマニラやドゥマゲッティに行ってしまいがちだが 大衆魚で十分だ。


ここでは、サンプル的にいくつかの物の値段を紹介しているだけだが、10年、20年先を見据えて物価の予想を、別途まとめたいと思っているところだ。


バター300円 ぼったくり シキホール島

2011年4月作成


フィリピンは日本に比べて物価が安いことが多いが、何でもかんでもそうかと言うと そうではない。先日、シキホール島に戻ってきて、朝食のトースト用にバターを買ったら145ペソと言われた。為替レートにもよるが、最近は円安に振れる時もあり、300円近い値段だ。輸入品が高いのは当然だが、あまりの高さである。そこで、同じ品をドゥマゲッティで調べたら103ペソ。セブでは99ペソだった。シキホールの小売店は、ドゥマゲッティのスーパーで仕入れて売っていることが少なくないので、割高になるのだが、あまりの値段であろう。

その他の例を挙げると、フィリピンでよく見かけるプラスチックのバケツは、以前フェスタの時に 他の島からやってきた露店で買えば、3個で100ペソだった。それが、先日店で聞いたら一個80ペソと言われた。あまりに高いので、他を探したが、最安値は一個60ペソだった。これでも高いが必要なので買ってしまった。バターと同様 ドゥマゲッティで値段を調べたら一個34ペソだった。特にシキホールでは、プラスチック製品を高く売りつけようとする嫌いがあるというのが私のこれまでの経験である。すぐには売れないかもしれないし、長く置いておくと劣化するかもしれない。高く売りたい理由には そんなこともありそうだ。

日本でも夏場に売っている電撃蚊取りラケット。熱帯のフィリピンでは重宝する。しかしながら よく壊れる。調べてみると、ほとんどが スイッチの故障であることが分かり、代わりに使えそうなプッシュ・スイッチをシキホールの電気屋で買ったら1個15ペソだった。これで修理できるなら安いもの。数個しかない在庫を全部買ったが、沢山壊れているので、これでは足りない。そこで、ドゥマゲッティに行った時に買ったら、色により1個7ペソか9ペソであった。ほぼ半額である。

さらに 以前紹介したが、魚の獲れない時期にドゥマゲッティから仕入れてシキホールで売っているもので、30ペソで仕入れて90ペソで売っているものがあった。からくりを知ったら到底買う気にならない。ただ、魚の場合は、シキホールでは、ほとんどが 最高でも1kg160ペソで、カジキやラプラプでもその値段で買える。しかし、ほとんどは、高く売れる他の島の都市部へと流れてしまう。うまく島にとどまり、市場に並んでいたらその時は買いである。その他、海ぶどうやウニはまだまだ安いと言えそうだ。

野菜は、島で雑草のように生えている空芯菜やつるむらさきは安いが、それ以外は 他の島から入ってくるものが多く、キャベツ、玉ねぎ、にんじん等、ドゥマゲッティより高いのは当然として、日本より高いものが多い。こうなったら生活防衛のため、焼きそばにキャベツを入れず、空芯菜焼きそばにしたりする。

20年ほど前、スタンフォード大学で 日本の製鉄会社から留学している学生に、話を聞きに言ったことがある。その人によると「スタンフォードでは何も買うな。」と学生の間で言われている とのことだった。大学の外の方が安いからである。同様にして「シキホールでは何も買うな。」とまでは言えないが、かなりのものはシキホールでは割高なので、出来る限り、他と値段を比較してからどこで買うか決めた方が良いと言えよう。

しかしながら、ドゥマゲッティやセブに買出しに行くには、1日仕事だったり、数日かかったりする。交通費もかかる。結局買うのは止めようということで、それが一番の節約という考え方もできる。題名で取り上げたバターにしても、私はトースト用に欲しいから買ってしまったが、一つ買えば二ヶ月くらいはあるので、少々高くてもたいしたことはない。

反対に、そこそこの設備や品物が揃っていないところは駄目という人には、住んではいけない場所と言えよう。もちろん、買い物命で、買い物に時間を掛けるのを何とも思わない人なら問題ない。しかし回りの日本人を見ていると、面倒くさいが大勢で、マメに出かける人など一人も見かけない。

たまたま、私がシキホールに住んでいるので、シキホールの事例を書いたが、フィリピンの田舎の島では基本的に大きな違いはないはずだ。


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