Candanayに住むある貧困家庭

2000年8月


あばら家とその向こうの豪勢な邸

シキホール島で学校に行けない子供たちを探して、Candanayという村で最も貧しいと言われる家を訪ねた。家族は、祖母、母親と子供4人。家に行ってみると、子供が2人いた。祖母は近くの給水場で洗濯。母親は海で貝拾い。残りの子供2人は学校に行っているところであった。

家に残っていた子供2人のうち1人は小学5年生で、この日は頭が痛いので学校を休んだそうだ。そして、もう一人が学校に行っていない子供であった。年齢は10歳。本来なら、4年生になる歳であった。しかし、他の3人は学校に通っていることからも分かるように、貧困のために学校に行けないのではなさそうだ。兄の話によると、恥ずかしがり屋なため学校に行けないそうだ。何が恥ずかしいのが良くわからないが、どうも日本の登校拒否に当たるようだ。ただし、貧しくてボロボロのカバンや服しかないので恥ずかしい。ノートや鉛筆が買えなくて恥ずかしいといったことは有り得る。

探していた、貧困のために学校に行けない子供は見つからなかったが、この家庭のケースで2つ気になることがある。

まずは、この家庭は母子家庭であるのに、どこからも援助の手が差し伸べられていない点。普通なら何か援助が有っても良さそうだが、この家庭は何の援助もない。ここシキホール島で、耳の不自由なRodel少年の場合も、母子家庭であったが、やはり、援助はほとんどなく、手話を習いに行くための交通費数回分100円程度が、役場から支給されたに過ぎない。

もう一つは、上の写真の中にある。彼らの住む粗末な家の向こうに、現地人の豪勢な邸宅が建っているということ。それでも本宅ではないそうだ。日本ならあばら家の横に豪邸を建てるのは、ヒンシュクと言われかねず、はばかられるところだろう。しかしフィリピンでは、こういう光景は珍しくない。
もしも、このような状況の貧困家族が、誰か外国人に経済的な支援を求めようとしても、「あなたの隣人も含めて、フィリピンのお金持ちから支援してもらうのが、第一では?」と、反論されるかもしれない。


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