海辺の住民に見るフィリピンの安くあげ方

2016年2月作成





網にかかった魚をとる漁師とそれを手伝う人たち
(10人くらい手伝っている場合も多い)

大漁のいわし

網掃除の手伝い

自宅前の海辺で、最近は漁師がいわしを獲ってきて、その網掃除をしているのを良く見かける。調子が良さそうで、大漁の場合が多くて、その場合には、近所の人たちが、網掃除を手伝い、手間賃に魚を分けてもらえることになっている。そこで、漁師が漁から戻る時間帯になると、近所の人が集まり、浜辺が賑わう。2kgくらいもらえば、家族で翌日くらいまで食べるおかずにできる。魚が沢山獲れれば、漁師以外も食うのに困らない。

私はこれまで、「まだ子供の小さな魚を獲ってしまい、これでは未来がない」と勘違いしていたが、実はいわしだと最近分かった。いわしと言っても、ふつうに日本で見かけるものとは少し違い、「老人と海」に出てくるアンチョビ(かたくちいわし)とも違い、第三のいわしかと思ったりするが、現地の人がマランセとよんでいるフィリピンのいわしである。いわしだと分かったので、近づくようになると、おまえも持って行けと、気前良く無料でくれる(ハタグ、give)。なんともフィリピンらしい。申し訳ないので、最初は、マンゴなどをお返しに渡していたが、私の自宅に電気を引くのに、太い電線・電柱を用意し、メインラインにして、途中から引き込めるようにしているが、漁師は、それで助かっている一人であることが分かった。小舟や網を買う費用以上に、電線・電柱代を節約できているはずで、Give and takeになっていると思って、そのまま言われるままに無料でもらい続けている。

沢山くれるので、私一人では到底食べきれず、最初は佃煮で炊いていたが それもやめ、近所の知り合いにところに持って行って 料理してもらうと、その家族のおかずになり、私は少し返してもらって食べている。

さらに、近くに長期滞在している知り合いの日本人のところにも持って行ったら、そこで美味しい佃煮に料理され、それをその人が、別の日本人にあげたら、おいしいおいしいと非常に喜ばれたそうだ。無から何も生じないというが、無(無料)から大きな付加価値を生み出したと思える。


網掃除の漁師と、その向こうで潮干狩りをする人たち

潮干狩り

さらに現地の人たちの安く上げ方は、潮干狩りで、私の家の前は、遠浅で、リーフ内に 大量にウニがいるが、それ以外にも貝を採っている人が多い。日中は暑いので、朝夕に干潮になった場合だけしか見かけないが、ちょうど良いタイミングの時には、沢山の人が海の幸を採りに浅瀬や干上がった海で、ひたすら獲物を探している。


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