シキホール島からミンダナオ行きの危険

2009年5月作成




私のところの日本人訪問者や、その他、シキホール島にやってきた日本人で、その後ミンダナオ島に渡ったという話がいくつかあるが、普通の観光客はできれば止めて頂きたいものである。外務省の海外安全ホームページによれば、シキホール島からたどり着けるミンダナオの地域は、上から二番目に危険な「渡航の延期をお勧めします」となっている。それでも、「戦闘地域などを避けて、注意して行けば大丈夫だ。」と実際に行った人の中には そう主張する人もあるかもしれないが、それは、無責任は物言いで、大勢の人が同じように行けば、そのうち大きな問題に出くわす可能性は非常に高い。現地の人が出掛ける場合には、通常親戚や知り合いの家に泊まり、そこを目指すので、平気で行ってしまうことが少なくないが、これが外国人だと、誘拐などの犯罪・事件に巻き込まれる可能性が高くなる。

「渡航延期」と言っているのは、昨年の8月から一部地域で戦闘が激化したという事情もあるが、以前から止めておいた方が良いというのは、変わっていない。

例えば、近所に住んでいる日本人の奥さんであるフィリピン人女性によれば、イリガンで、昔、道で車が別の車から拳銃で襲撃されているのを、反対側からのバスに乗って目撃したが、そのまま見て見ぬふりをして通り過ぎたとのことであった。10年近く前に、こちらの近所の家を訪ねて来たイリガン在住の男性は、現地で自警団に入っているとのことだった。お守りのような飾りを私に見せて、これを身に着けていれば、弾に当たらないと言っていた。現在はかなり状況は改善しているはずだが、ただの観光という程度であれば止めておいた方がよい。

ダバオやカガヤン・デ・オロ、スリガオなど、ミンダナオの東側の主要な町は、日本人が沢山住んでいるところもあり、治安も安定していて、出掛けても問題ないが、シキホール島からそれらに行く場合、セブやボホール経由でもない限り、危なっかしい地域を通り抜ける必要が出てくる。

比較のため、「海外安全ホームページ」で、他の地域の現状の危険度をいくつか調べてみた。

フィリピン内では、ほとんどが「十分注意」となっていて、これは、マニラ、セブ、シキホール島で同様である。シキホールがマニラと同じに分類されるのは心外ではあるが、コソ泥は少なくないので、仕方ないとも言えそうだ。しかし、フィリピンの田舎の島では、たいてい、島民は、自分の住むところが一番安全だと思っていて、「日本は、ここみたいに安全な所か?」と、各地で何度も質問を受けた。「十分注意」とは言っているが かなり安全と言える。これに対しマニラでは、ホールドアップも含め、強盗、傷害事件に遭ったという話を、直接、間接多く耳にする。同じ「十分注意」でも、マニラとフィリピンの田舎の島のどちらと比べるかという話はあるが、いずれにせよミンダナオ島の西側の「渡航延期」は、重みがあると言わざるを得ない。


シキホール島のページへ戻る

ホームページへ戻る