ホームステイ

2009年 4月作成



/* 他にも類似の記事があるが再度まとめなおしてみた。 */

ビーチリゾートに泊まっても、金持ちの外国人が儲かるだけで、現地の人の収入につながりにくいので、ホームステイをしてみてはどうかと度々お奨めしている。帰りがけに少しだけでもお礼を置いていけば、現地の人の生活の大きな助けになるからである。私のところに来られた方の場合には、ホームステイの希望があれば、これまでは、主に近所の子供が多い家に泊まってもらっていた。子供たちと仲良くなれて、それはそれで楽しいのだが、最近新たにホームステイの希望者が来られたので、試しに別の家に泊まってもらったところ非常に好評だった。

今回来られた日本人は、英語は得意でなかったが、日本語を繰り返すだけでも、それなりに気持ちも通じ、翻訳機なども交えながらコミュニケーションを取り、ホームステイ先の家族や近所の人と十分な草の根国際交流ができた。

訪問者も気さくな方だが、フィリピン人のフレンドリーさやホスピタリティがあってのことである。やってくる日本人が自らホームステイを希望し、受け入れ側が普通のフィリピン人の家庭であれば、細かい課題は出てきても、総合すれば 良い結果が得られるはずだ。

ホームステイで何をするかということだが、基本的には滞在者の希望による。ただし、現地に家庭に入り、人々の暮らしぶりを知り、人々と交流するというのは必須であろう。

近所にホームステイしに来た日本人がいることを別の知り合いの日本人に伝えたら、「何を学びに来たのか。」という質問が返ってきた。確かに、何かを学ぶというのは素晴らしいことで、ホームステイは何かを学ぶものととらえるのも良いことだろう。そういう意味では、一番に出てくるのが語学の習得ということになり、ビサヤ語の習得がもっとも相応しいということになろう。タガログ語でも良いだろうが、どちらもお世辞にもニーズが多いとは言えまい。それより 英語を学びたい人の方が、はるかに多いだろう。その場合には、訪問者のレベルに合わせて 受け入れ側の英語のレベルを考慮して ホームステイ先を決めるべきだろう。一緒にビデオで映画を見て、最後にDiscussionするのも良さそうだが、訪問者の英語のレベルにもよろう。英会話初心者なら、相手も英語が得意でない方が、かえって話し易いということもある。そこそこ英語を話す日本人でも、ネイティブからマシンガンのように話しかけられるより、同様にそこそこ英語を話すドイツ人と話した方が会話ははずむということも多い。

学ぶ話を続けると、以前フィリピンで素潜り漁を学びたいという人から連絡を頂いたことがあるが、探せばそれなりに経験者が居る。ホーリーウイークになると作っている秘伝の妙薬。普通の病院には高くて行けないという現地の人たちが頼りにしているクロック・ドクターと呼ばれる土着の医者。ガイドブックにも登場し、すっかりシキホール島の観光の売りになってしまったが、コップの水に石を入れ、ストローでブクブクふいて体の中の毒素を取り除くという癒しの技。学ぶというより、疑惑の目で調査するということになるかもしれないが、ネタは尽きない。

その他に何をするかという案としては、以前紹介したが日本料理を作ってみたり、一緒に観光に行ったり、その家の知り合いの家を巡り友達を増やす等いくらでもネタはあろう。


これを私のビジネスとして始めるのなら、臭い物にはふたをして、最初から課題はつぶし、かなりの部分は疑似体験させるだけということになりそうだ。行ってみたら一部屋だけ豪華な客室があったというようなことになるかもしれない。
ここでは、そうではなくて、そのまんま南の島の家庭に潜り込むという趣向なので当然課題も出てくる。それでも予め課題を知っていればそれなりに対応できるものであり、ここでは課題とその対策を挙げておく。

トイレ

現地の普通の家のトイレの便器には通常便座がなくて、外国人はどうしてトイレすれば良いのか、途方にくれることが多い。便座とカバーのセットが売っているので、それを買って来るのが良さそうだ。以前の私が安コテージに数ヶ月泊まっていた時には、新聞紙とガムテープで円環を作り、便座として使っていたこともある。サバイバーの一種であろう。

生活水準

フィリピンの田舎の家庭では、月々の生活費は高々五千〜一万円程度であろう。そこに 例えば5日間滞在して1万円使ってしまったら、普段の5倍から10倍お金を使う生活を持ち込むことになり、現地の人に浪費癖を植えつけることになりかねず、注意が必要である。

そうは言っても、全く現地の人と同じ生活では辛い場合もある。知り合いの家に行くと、インスタント・ラーメン一個がおかずで、それを家族で分けて ご飯と一緒に食べていることがある。それでも、「一緒に食事をして行け」と言われるが、「お腹が空いていない」とでも答えるしかあるまい。贅沢しない範囲で、滞在者がお金を支払って食材を買ってきて、一緒に食べるということになろう。

家族にお金をいろいろ渡しては、何かと物を買ってきてもらうようなことも、あまりやらない方が無難であろう。お金を沢山使っているのを目の当たりにすると、それと比較して自分たちがお金が無くて貧しいという思いにさせる可能性が高いからである。浪費壁にもつながり易い。そうは言っても、自分では分からないのである程度頼むこともあろうが、できるなら、いくら使ったか分からないようにした方が良い。これは私の個人的な意見であるが、ほぼ間違いないと思う。
場合によっては、大幅な中間マージンを取り出すきっかけにもなりかねないので、そちらの面でも要注意である。

電球が切れているから予備も含めて買って来てあげるとか、最後に、お米を多めに買って置いてくると言った出費は、家族も助かりよい支援になろう。

住環境

ベッドにクッションが無いとか、雨季で蚊が多いので蚊帳が必要とか、暑いので扇風機くらいは欲しいとか、場合によっては、外国人には、足りないものを取り揃える必要も出てこよう。

盗難

物を盗まれる可能性は日本より高く、他でも紹介しているように私の家でも いろいろ盗まれている。犯人を捕まえ取り返していることも多いのが救いだが、とにかく盗難には注意が必要だ。ホームステイ先は物を盗ったりしない家族を選ぶとしても、家の場所が悪いと、近所の手癖の悪い人物が、行きがけに盗んでいくというようなこともあり得る。ここで紹介した前回の家の場合は、泥棒が来にくい場所にあり、かなり安心できたが、周囲の環境によっては、十分注意が必要だ。


どういう条件で、ホームステイするかは、いくらでも相談可能である。現地の人の場合なら、無料で泊まって、飯まで食わせてもらうのが普通である。ここでは、滞在先の家族を支援する意味合いが強いので、それなりには、お礼を置いて行きたいが、相場がつり上がるのも面白くない。私の意見では、一泊200ペソ程度をお礼においておけば十分と言いたい。そして、ホームステイ先で食事する場合には、家族の分も食材を買ってくるということだろう。


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