インターネット事情@シキホール島

2017年6月作成
2017年8月更新




(→ 2017年8月12日更新分へ)

シキホール島のインターネット事情について、簡単に紹介しておきたい。

私自身シキホール島で長い間、インターネットを使ってきた経験があるので、その変遷をまとめてみたい気もするが、長くなるのでやめておく。また、島内各地の現在のインターネットの混み具合等の情報を知りたいというニーズが少なくなさそうだが、小さな島ではあっても、場所によっていろいろで、それを私がまとめるのは、力量不足と言える。ましてや、今後随時変わっていくのに対して、情報を更新するのは、さらに大変だ。個別の事例については、後からいくつか紹介する。

簡単に、全体の状況を書くと、

インフラ増強とユーザー増加のいたちごっこ

ということができる。これは、フィリピン全体でも当てはまるのだろうが、シキホール島でも 特にここ数年来そうなっている。今後も、そう簡単に 全面解決するとは思えない。

インターネット環境が悪化している例

インフラが良くならない場所では、どんどん状況が悪くなっていて、その典型例が私の自宅である。5年以上前なら、1日中安定して速度が出ていたが、最近では、日中はほとんど動かず、人が寝静まっている 夜中や早朝だけ、まともに動く。これはSmart broで、10年ほど前から使っているが、遅いので、GlobeのポケットWi-Fiも併用するようになった。そちらはまだマシだが、例えば、2年ほど前に、島内の公立のハイスクール全校で、私と同じGlobeのポケットWi-Fiが各校10個ずつ配られ、常時接続のプロバイダー代まで国が負担している。結構なトラフィックと言えよう。役所にもインターネットが入り、最近は、スマートフォンが普及しだし、インターネットが使える端末が急増している。さらには、観光客が増えて、特に中国人が沢山来るようになった。観光客もほとんどがインターネットユーザーだ。

インターネット環境が改善している例

自分のところの状況が悪くなっているので、不平不満をぶつけるように、悪い例から取り上げたが、状況が改善している場合も多い。例えば、インフラは入ったが、その割にユーザーが少ない場所のインターネット環境は快適で、例えば、山の上でそういう場所もある。知り合いの日本人の家では、以前は、まったくインターネットにつながらないか、つながっても非常に遅かった(2G)。しかし、ある時から、基地局側のインフラが3Gにアップグレードして、電波も強くなり、一気に調子が良くなった。ただし、それでも、その人の家の すぐ近くで さらに高さのある峠付近では、基地局と見通しになり、速度も さらに速くなる。この地域の基地局は、私の住んでいるところの基地局とは違い、別のサービスエリアである。私のところとは違い、導入されたインフラに対して、ユーザーが十分少ないことが、昼間の速度の違いから容易にわかる。住んでいる人も少ない。

別の良い例を挙げると、シキホール島で観光の中心となっているSan Juanの町では、最近インターネットが速くなった。こちらは、過去の状況も取り上げた方が分かりやすいので紹介するが、San Jaunでは2年前までは、非常にインターネットが遅く、Smart broの2Gでなんとかつながる程度だった。しかし、2015年に入り、Globeがそれまでの携帯電話回線だけでなくて、インターネットにも参入し、一気に速くなった。状況が良くなって間もない頃に、現地に住む日本人の知り合いの家を訪問して、速度を測ったら、4Mbps程度は安定して出ていた。それで、シキホール島では一気にトップに躍り出た感じであったが、まさに いたちごっこで、1年後に再度測定に行ったら、基地局アンテナの真下でも、200kbps程度しか出なくなった。接続しているユーザーの数が、ある値を越えると、一人当たりの上限を、一気に引き下げるという制御をしているのが、ひしひしと感じられる状況だった。利用が増えたので遅くなったのは間違いないが、それを象徴するかのように、基地局のすぐ近くに住んでいる女性二人が、それぞれのスマートフォンでFacebookを楽しんでいた。これが2016年の状況だ。

2017年に入り、Globeが再びインフラをアップグレードさせた。噂を聞いて、再び知り合いの家に測定に行ったら、昼間なのに、7Mbps余りの速度が出て、田舎なのに これはすごいと思った。

別の話では、フィリピン人の知り合いがケーブルテレビの会社に勤めているが、 会社がプロバイダーも始めて、今年に入って、San Juanで光ファイバーのインターネットを始めたそうだ。それのために、PLDTから設備を無料でもらったが、おおもとが45Mbpsとのことだった。私が日本の自宅で使っている光のインターネットはかなり古いが、スペックは100Mbpsで、一人で100Mbps占有することもできる状況と比べ、皆の合計が45Mbpsとはなんと遅いのかという話になったが、それでも、混まなければ 十分使えるのだろう。光ファイバーと言いながら、ここでは通常の契約だと、1回線当たりの上限は、1.5Mbpsとのことで、光ファイバーにしては、超遅いので、???といくつも疑問符をつけたくなるが、1.5Mbpsあれば、youtubeもそこそこ見れるし、実用上はそこそこなのだろう。合計が45Mbpsなので、仕方ないとも言える。光ファイバーを使っていることが、超オーバースペックと思えてくるが、現地の人の話だと、中国製のファイバーは非常に安いそうで、フィリピン人の金銭感覚でも安いというくらいなら、相当安いのだろう。

San Juanのインターネット事情が今後どうなるのか、また いたちごっこになりそうだが、将来のことなので予想しか言えない。

移住とインターネット

最近は、シキホール島に住む日本人も増えたが、シキホール島に住んで 自宅でインターネットを使いたいと思ったら、いたちごっこの現状を受け入れる必要があろう。もしくは、最近日本で流行りのようだが 軽トラハウスでも作って、モバイルで生活することだろう。
そこまでやらなくても、場所による違いが大きいので、住む場所を決める前に、必要な人は調査した方が良い。
簡単に項目を挙げておくと、

現地に行き自分で測定

インターネットを使える状態にしたスマートフォンを持って現地に赴き、速度測定のサイトを利用して調べれば、簡単にわかる。
場所が山の中で、見通し、山影などが交錯して、場所を少し移動だけで状況が変わるようなところでは、その点も考慮して、入念に調べるべきだろう。

基地局の位置を確認

まず基地局の位置を確認してから、地図と にらめっこで、どのあたりのインターネット事情が良さそうが予想を立ててから 現地に向かうというやり方もあろう。しかし、それはかなりマニアックな人の場合だろう。それでも、後付けで基地局の位置は確認しておいた方が良いだろう。

プロバイダーに相談

当然ながら、プロバイダーはサービスエリアの情報を持っているので、先にこれをやるべきという考え方もあろうが、それだけ信じて家を建てたら、まともにインターネットを使えなかったということは、フィリピンなら十分起こりそうだ。ポケットWi-Fiをプリペイで使うだけなら、いちいち、プロバイダーに聞きに行くようなことは少なそうだが、行けば、何か教えてもらえるはずだ。

これ以外に、先輩諸氏から情報を得れば良さそうだが、自宅のある場所によって、状況が異なるので、それぞれの人が偏った意見を主張する可能性が高そうだ。私のように、あちこちに出向いて、転送速度を測定し、暇そうなことをしている人物はあまりないはずだ。相談するなら、複数の人にあたるべきだろう。

無線vs有線

現状では、Pocket Wi-Fiを経由したり、スマートフォンから直接インターネットにアクセスする場合が多そうで、これらは無線を利用している。ここでの話も、媒体はほとんど無線である。田舎では、どうしても無線の割合が多そうだが、町中では、有線のインターネットもあり、先に取り上げたように、一部の地域では光ファイバーも使われるようになっている。

通信速度の規格

現地の人の話でも、45Mbpsの装置をただでもらったというような話が出るくらいなので、通信速度の規格について以下にまとめておく。
自分自身で特に詳しいわけではなくて、少し調べてまとめただけだ。

T回線

米国、日本など

T1 1.544Mbps 64kbps x 24
T2 T1 x4
T3 T2 x 7 45Mbps

1.544Mbpsというのは、私の家のSmart broの上限でもあるし、中国の安ホテルで安定してこの速度が出るところもあった。64kbpsは、昔懐かしいISDNで、これは2の16乗、16ビット、2バイトということだろう。それを、24回線束ねたものが1.544Mbpsで、T1と呼ばれている。

T3 = T2 x 7 = (T1 x 4) x7 1.544Mbpsの4x7倍で45Mbpsになるそうだ。

E回線

欧州など

E1 2Mbps(2.048Mbps)

E3 34.368Mbps E1 x 16回線

GlobeのUSBスティックのモデムを以前使っていたが、その時の上限が、大体2Mbpsで、E1なのではないかと思うが、確認できていない。


(以下、2017年8月12日追加)

ここ数年、自宅の周辺では、深夜早朝以外はインターネットが遅い状態が続いていたが、8月に現地に戻ってきたら、かなり調子がよくなり、インフラが新しくなったようにも思われる。プロバイダーの担当者にあったら確認してみたい。


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