呪医の館
99年10月
シキホール島は、フィリピン人からは、黒魔術師がいる島として恐れられている。
ところが、実際に現地に行ってみると、黒魔術師なんかいないと、シキホール島の
人々は口々に言うし、探してみても見つからない。黒魔術師ではなくて、この島に
住んでいるのは、Juan Ponce(フワン ポンセ)氏のような呪医である。
呪医 Juan Ponce氏
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電気も水道も来ていない山の中にある |
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毎年、春のフェスタの時期になると、フィリピン各地から呪医が集まり、薬草を集め
秘伝の薬をつくる。Juan Ponce氏は、全国の呪医のために、予め薬草を集めて回る。
呪医たちはシキホール島に約1週間滞在して地元へ戻る。薬は3週間で出来上がる。
Jaun Ponce氏のもとには、各地から患者が集まる。彼らは場合によっては、回復する
まで、しばらく彼の家に滞在していく。
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秘伝の薬 患部に塗りこんで、治療する。 また、毎日スプーン一杯ずつ飲むと、体に良いそうだ。 |
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San Antonio
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Jaun Ponce氏は、San Antonioと呼ばれるシキホール島の山間部の小さな町の
外れに住んでいる。草木が綺麗な町である。山の上で、平地に比べ2〜3度気温が
低く過ごしやすい。但し良く雨が降る。
第二次大戦中、日本軍の施設があったそうだ。マッカーサーがレイテ島に戻ってきた
という噂が伝わると、日本軍は他の島に撤退して行ったので、この島は戦禍から
逃れられたとのこと。 そう言えば、以前この島の海辺であったおばあさんは、日本語を
覚えていて、 「兵隊さんは良い人だ 、、、」と言う歌を口ずさんでくれたことがあった。
レイテ島やネグロス島のような激戦は、この島ではなかったので、日本軍への悪感情は
あまり芽生えなかったようだ。
Juan Ponce氏に会いたくなったら
シキホール島で、バイクタクシーの運転手に、San AntonioのJuan Ponce氏に会いたい
と言えば、簡単に連れて行ってくれる。バイクタクシーは、現地ではHabal Habalと呼ばれ
ている。