砂浜の攻防

2016年9月作成




雨で砂浜の砂が流されてしまった

左側の1mほどの高さの岩の上から水が流れ
砂浜に川のように流れができ、砂がえぐれた。

自宅前に少しだけある砂浜の全貌


先日、まとまった雨が降った後に、自宅の前の砂浜に出てみると、雨水の流れで大きな溝ができて 砂が大量に流されていた(左上の写真)。 これまでにも同様のことはあったが、今回はヤシの実二つ分くらいの深さで、これほど沢山砂が流れたことは記憶にない。岩場の隙間のような場所に、少し砂がたまっているだけの小さな砂浜なので、貴重な砂が流出してしまったのは大きな痛手だ。今後のために何とか対策したいとも思うが、自然のなせる業なので、基本的には仕方がない。
一方、砂が流された始めの部分である 岩と砂の境界部分の砂の上には、少し前まで 芝生のような草が生えていた。それを 掃除のついでに私が全部むしり取ってしまったのだが、この草を残しておけば、砂は流れずに済んだのかもしれず、そういう意味では 人災だったのかもしれない。

ここでは、今回の残念な出来事を受けて、砂浜の砂の増減に影響することをすべて洗い出し、砂浜を守るべく何か行動できないかと思った次第だが、少し考えるとそれは非常に荷が重い話で、まずは 思いつくことを少し書きとどめておく。

潮の流れ

一般的に良く聞くのは、入り江や湾内の潮の流れで、入り組んだところにループを描き潮が流れてきて、砂を運んできて、砂浜ができるという説明だろう。

波によって、いろいろなゴミが砂浜に打ち上げられているように、波により水中に舞い上がった砂も、波で押し上げられ、砂が積もっていくように見える。ただ、波は単に振動しているだけで、行き帰りでエネルギーは同じで、砂は押し上げられないという見方もできそうだ。しかし、寄せる波は力があり、返す波はダラダラと引いて力がなく、砂は押し上げられそうだというのは、津波で瓦礫が沢山流れてきて、ある程度は海に戻るが、ほどんどは陸に残るのと同じように考えたら良さそうだ。

砂浜の沖に防波堤を作ったら、砂が減ってしまったという話を聞くことがあるが、これとは辻褄があう。

砂浜で風により砂が舞い上がり、風の向きに砂が運ばれているのはよく経験することだ。極端なのは、砂浜ではないが砂漠の砂の嵐だろう。風は季節風だったり、海陸風だったり、低気圧や高気圧の影響だったりするが、全体的に見れば、海から吹く風はそのまま砂浜に吹き付けるが、陸から砂浜を越えて海に吹く方向だと、後ろに岩場があったり、建物があったり、木が生えていたりして、風がそれなりに遮られる場合が多そうだ。典型的な例は三保の松原のような防風林で、海からの強風を避けるのが本来の目的だろうが(それとも景観が最優先の目的?)、海から風が吹いた場合に砂を舞い上げず遮る効果と、陸から風が吹いた場合に、風を弱め、砂浜の砂が減る量を抑える効果があるのは明らかだ。海からの風の場合には、砂浜では風が抑えられること無く、砂が陸方向に移動する。

下の写真のように、海から大量に藻が流れ着く場合がある。この時、海から波が来ても、水中で砂が舞い上がり難くなり、波で砂が押し上げられにくくなるのが見ていて分かる。砂浜が減る方向には作用しないが、増えるのを抑える効果があり、砂浜の形成にはマイナスと言える。


最初に書いたとおりで、雨は、砂を海に押し流す方向に流れていくので、砂浜の砂が減る方向に作用する。ただし、そこそこの大きさの砂浜で、雨水が砂浜の表面を流れることはなくて、中に水が浸み込むだけなら、砂が流されることはないのだろう。


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