若手が採用されない教員採用試験

2014年 5月作成




シキホールの近所に住む私の知り合いは毎年教員採用試験を受けている。受験した小学校の教員は、今年の場合、採用が一人だけの狭き門で、非常に難関ではあったが、それ以上に 試験の配点を聞いて、受からない仕組みになっていることが分かった。

配点は、LET(License Exam. of Teacher)/教員資格試験の成績が10%、教育(Education)が20%、経験(Experience)が15%などとなっているが、曲者なのが経験だ。学校で教えた経験が10年以上あれば満点の15ポイントが加算される。正確に言うと、休みの期間があるので、10ヶ月で1年と見なされ、10ヶ月教えた経験があれば1.5ポイントもらえる。毎年受験している知り合いは、大学を卒業して5年ほど経過するが、これが4ポイントで、臨時で近所の小学校で教えた分と、私の方でもかなりどっぷり関わっているラーニングセンターの方で教えた分も加算してもらった結果である。それでも、まだ11ポイント逃していて、経験が満点ならば楽勝で合格していた。
もう一人の知り合いは新卒で今年始めて受験したが、経験が0ポイントなのが響いて不合格になった。こちらも、経験が15ポイントあれば、楽勝で受かっていた。

いろいろな採用試験で経験が重視されるのは当然だろうが、公立の小学校の採用に、新卒者がほどんど受かる見込みがなくて、10年以上教えた後で 一旦辞めた人なら、かなり容易にまた採用されるというのは、日本の感覚では考えにくい。公立の学校に若い先生が採用されないのでは、国の将来が危ういとさえ思われる。

ただし、評価基準は毎年同じではなくて、例えば、経験は、昨年は配点が10%だったそうだ。

その他で気になるのはEducationで、出身大学ごとのポイントがあるそうだ。シキホールにある公立の大学であるSSCは一番ポイントが低く、ドゥマゲッティにあるシリマン大学やセントポール大学だとポイントは高いそうだが、具体的なポイントは不明だ。日本でも、就職で出身大学のフィルターをかけるような噂もあるが 評判が悪い。公立の小学校の採用試験で、出身大学で差別したら、日本なら大問題だろう。

配点が大きくても、各受験者のポイントのばらつきが小さければ、結果への影響は少ない。各項目の受験者ごとのポイントのばらつきの大きさが、結果に大きく影響する。例えば、面接(Interview)の配点は10%で、ポイントのばらつきは8.1〜6.9ポイントとのことで、この項目ではほとんど差がついていない。それよりも経験の方が、0〜15ポイントの間でいろいろあり 差がつきやすい。他の項目のばらつきについては、正確なデータが手元に無いが、経験の差が一番大きく影響している。

今回の試験でのすべての評価項目とその配点は 以下の通りとなっている。

LET(License Exam. of Teacher)/教員資格試験の成績 10%
教育(Education) 20%
経験(Experience) 15%
Demo 20%
Interview 10%
OJT 5%
Skills 5%
English 15%


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