2000年9月

少し余談だが、食事や、ビールなどの飲み物の値段もビーチリゾートでは2倍〜5倍する場合が多い。一度通常の値段を知ってしまうと、フィリピンを長旅するような人なら、ビーチリゾートでは食事したくなくなるのが普通だろう。もちろん、巷の食堂ではハエがたくさん飛んでいたりするので、そこで食べるのは初心者には難しいかもしれない。いずれにせよ、安くて、美味しくて、きれいなレストランの情報などは、ビーチリゾートからすれば、最大の天敵と言える。日本など自分の国にいるよりは安い安いと、気前良くお金を払う、現地のことを余り知らない外国人旅行者を、多くのビーチリゾートの経営者は望んでいるのである。

島に住みながら、めったに魚も口に入らず、ご飯に汁をかけて食べているような知り合いが結構いる。市場で1kg、P50で新鮮な魚を買って、そういう知り合いのところに行って、買った魚を料理してもらい、一緒に食べる。その方がビーチリゾートで食べるよりも安いし、10人以上も食べられるので、お金の有効的な使い方だ。そんな考え方の人間は、ビーチリゾートの経営者からは嫌われ易い。特に、宿代は安めで、食事で儲けるビジネスモデルのビーチリゾートでは大変だ。外で食事をすることに対して、言い訳を10種類くらい、または、食事を招待してくれる知り合いの名前を10人くらい用意しておく等の対策が必要だろう。

旅行者が賢く経済的に滞在すること。それと、ビーチリゾートを始め、旅行者相手に商売をしている人々との利害は対立することが多い。旅行者はそれらの人とうまく付き合うノウハウが必要になってくる。

良いサービスや快適な場所を提供することに対して、相応の対価を払うのは当然だ。しかし、同じものを何倍何十倍払わせようとするボッタクリ商法は感心できない。印象を悪くして二度と来なくなる旅行者が多くなるだろう。