配管路の固有振動周期の算出

流体の慣性と空気層の圧縮とを考慮して次式が得られる。

P0   圧力レベル(Pa)

この式で分かるように、管路断面積は固有振動周期に影響を与えない。これは、管路断面積が慣性力へ与える影響と、圧縮による圧力上昇へ与える影響とが打ち消しあうためである。

ポンポコリンメータの諸元として下記を仮定する。

 L=1000m  密度=1000kg/m3  P0200 kPa  (大気圧+水柱で10mの加圧)

この場合、固有周期は以下のようになる。

周期=2π

管路の両端に10%の空気層であるとするとその周期は134秒となる。空気層が配管の複数個所にあれば、もっと短い周期の複数の波の合成となる。従って、時折発生する水圧変動が起振力となり、数十秒〜数分周期の不規則な水の往復運動がメータの積算量を助長することは十分に考えられる。

また、管路径を変更することは改善策にならない。 空気を抜くのは効果的であろう。空気が溜まっていそうな場所に穴を開けて水を噴出させ、それをふさぐようなことで改善する可能性は高い。ただし、完全に空気を抜くと今度はウオータハンマが心配になる。1000mで3/4インチ口径の配管を30cc/sec(1升ビンを1分で一杯にする流量)で流れている水を1秒で遮断すると、1MPa10気圧)の圧力が発生する計算となり、塩ビチューブが破断する可能性が出てくる。