バリック・バヤン・ボックス

2006年 2月


バリック・バヤン・ボックス

巨大な箱で、人を何人も詰め込んで送れそうだが、さすがにそれはご法度だ。

バリック・バヤン・ボックス(Balik bayan box)は、フィリピンへ手軽に荷物を送れる国際宅急便である。既に利用されている方も多いはずだ。私の場合は、今回初めてこれを利用したので、ここで紹介する。これまで私は バリック・バヤン・ボックスは とても高級。フィリピンへの荷物は体力勝負で、飛行機にできるだけ積んで持って行けばよいと考えていたので、バリック・バヤン・ボックスを利用したことがなかった。しかし、体力の限界もあるし、便利なので 今回試しに利用してみたのである。

「フィリピンに行こう」では、基本的には、他には どこにもない情報だけを掲載しようとしていて、インターネットで簡単に検索できるような情報は、手動検索エンジンの検索結果だけを載せようにしている。

バリック・バヤン・ボックスは、これをカタカナで検索した場合、以前ならほどんと検索にひっかからなかった。しかし、今なら、日本でも業者が増えたし、かなりの情報が得られるはずだ。

アルファベットのBalik bayan boxで検索した場合には、以前から沢山検索できた。これは、1000万人と言われ、OFW (Oversea Filipino worker)と呼ばれる 海外出稼ぎフィリピン人が、仕送りと同様にして、世界中から荷物を送り届けるのに、このBalik bayan boxが、広く長く使われてきたからである。

簡単にインターネットで情報が手に入るのに、ここで今回取り挙げた理由は、多くの人がこれを知らないということである。もう一つは、私が住んでいるシキホール島は田舎の島なので、まともに荷物が届くかと思っていたが、問題なく届いたことである。さらには、離島割増料金をふんだくられるはずだと思っていたのだが、今回使った業者は、ビサヤ地域は均一料金で、なんとセブと同じ料金で送れることがわかり、とても割安に感じたからである。

箱の大きさはいくつか選べるが、容積当たりの単価で 一番割安な、一番大きい箱を使った。当然インターネットで一番安い業者を検索したのだが、マニラで9000円、ビサヤ地域は11000円だった。これは、とても高いとも思えるが、箱が巨大なため、日本国内の感覚だと、大雑把な言い方だが、宅急便で10回ぐらい送る程度の荷物を詰め込むことができそうだ。そう考えると結構割安に感じる。重量制限もないし、送る荷物も、危険物でなくて 常識の範囲内のものなら特に制限はない。パソコンも2台入れたが、問題なく届いて動いている。

今回使った業者は、日本国内では、佐川急便が荷物を取り扱い、その後船会社に移り、フィリピン国内ではLBCが荷物を送り届けるようになっている。そういうと業者を特定できそうだが、とにかくフィリピン国内が全国ネットのできているLBCなので、多分シキホール島でも届くだろうと思ったのである。

ビサヤ地域では 1ヶ月程度かかると業者から言われ、1ヶ月後は、日曜日でクリスマスだったのだが、予想どおり、クリスマスの次の日、月曜日に荷物は届いた。私は出かけていて、そのまま入り口の前に荷物は置かれていたが、受け取り時の確認などはしなくても、なんら問題なかった。

安全性

フィリピンなので、荷物が盗まれるのではないかという心配がある。この不安は、消えることはないと思うので、あまり高価なものを送るのは考えものだ。私の送ったパソコンはオークションで数千円のものであり、無くなっても笑って済ませる範囲である。これが、新品の数十万円のパソコンだったら絶対に送らない。そもそもそんな高いものは持っていないので送ることもできない。

ボホール島の知人の話では、ある業者で、高価なデジタル・マルチ・メーターを抜かれたことがあるそうだ。盗まれたその次からは、荷造りしたガムテープの上に、⇔のような矢印を書いて、箱を開けたらすぐわかるようにしているとのことだ。私も参考にさせてもらった。さらには、中の荷物を複数の透明な袋に分けて入れて、瞬時に受け取り時の検査ができるようにしているとのことだ。

ボホールの知人も最近は今回私が使った業者と同じところを使っているそうで、問題なく届いているそうである。一旦実績ができれば、安全性には再現性がありそうだ。

業者を選べということになるが、そう言っても日本の業者が悪さをするとは、とても考えられない。信用第一がビジネスの基本であることを分かっているはずだからだ。

途中の経路で怪しい人物がいるかどうか、これがすべてであろう。
大抵のフィリピン人は善良だが、たまに怪しい人物がいて、それにひっかかると不愉快なことになる。

私のところでも、笑える出来事があった。これまで、私のところの工具が少しずつ無くなっていった。金切りバサミに、ノミや大きなハンマーなど、作業効率を高めるため2つ買っておいたら、そのうちの一つが無くなることが多かった。
先日、軽トラのねじを締めようとして、大きい方のプライアがないと、喚き散らしたところ、その場で仕事をしていた 私の家の裏側に住む大工が、自分の工具袋から、無くなったプライヤを取り出して、それを私に手渡したのである。なんとも間抜けな大工だとも思ったが、今後は工具は無くならないか、この大工は二度と雇わないかどちらかだ。
他の場所に住む大工を何人雇っても、全く問題がなくて、特定の人物を疑っていたところであった。

バリック・バヤン・ボックスの安全性の方も、怪しい人物が途中で介在しているかどうかが、すべてと言えよう。

送り方

業者のHPを参考にして頂きたいが、とても単純である。
業者に電話すると、所定の箱を送り届けてくれる。荷造りが済み、料金を振り込み、送り状に必要事項を記入して、再度業者に電話すると、今度は荷物を引き取りに来てくれる。

荷造りのノウハウ

先のボホール島の知り合いの助言だが、箱の内側全面にベニヤ板を敷くと いうことであった。こうすると 箱が型崩れしないということである。日曜大工センターに行けば、そこで売っているベニヤ板を その場で希望する大きさに切ってくれるので、準備は簡単だ。(実際には、今回の場合、送られてきた箱の貼り付け方が、いい加減だったので、手直しが必要だった。) 内側のベニヤ板同士を、ガムテープで固定するようなことはしなかったが、上の写真のように型崩れすることなく荷物は届いた。中に入れておいた液晶ディスプレイは、表面に別のベニヤ板を張り付けて補強しておいたが、とにかく 全く問題なかった。

このノウハウを最初に考えた人には、敬意を表したいが、それが誰なのかは確認できていない。インターネットはコピー文化なので、人のやった成果を、さも自分ですべて考えたかのように書いている場合を、見かけるがそれは歓心できない。
以前、こちらで、応募のフォームを作って、インターネットで掲載しておいたところ、同じようなHPを作っている人が、勝手にそれをコピーして、使っていたが、jこれは いまいちだ。一言断るべきだろう。インターネット上の写真を勝手にコピーしてきて、世界一写真の枚数の多いHPを作ることは容易だろうが、それはご法度だろう。

話が横道にそれてしまったが、近所に住むカナダ人夫婦は別の方法を紹介してくれた。箱の内側を、毛布のようなやわらかいもので取り囲むということだ。少々型崩れしても問題ないものなら、これで十分だろう。

重量制限がないので、通常ならどうしても、荷物を沢山詰め込みたくなるので、それなりの補強策は必要だろう。


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