鉛筆とボールペン

2007年1月作成
2018年10月最終更新



日本の学校で子供たちが使う筆記用具と言えば、普通は鉛筆である。これに対して、フィリピンでは、ボールペンを使うことが多い。

日本からフィリピンにやって来て、仲良くなった子供たちに、何か支援してあげよう思う人は少なくないはずだ。その場合、文房具を配るのが手軽である。さらに、ノートと筆記用具というようになりそうだ。筆記用具は、日本人なら鉛筆をまず思い浮かべるが、それよりもフィリピンの子供たちには、ボールペンが役に立つことが多い。

シキホール島に住む近所の子供たち何人かにヒアリングしてみたところ、小学校の3年以下は、学校で鉛筆を使い、それ以上の学年では、ボールペンを使うということであった。先生の要求によるそうで、地域、学校、先生により 多少の違いはあることだろう。
小学校3年生以下の子供でも、ボールペンもよく使っていて、全体では、ボールペンが使われる割合がかなり高いと言える。鉛筆は削る必要があるが、鉛筆削りを必ずしも持っていないのが、ボールペンに流れる理由の一つだ。

現地の廉価品でも十分

おばさんの家に一人預けられ、水汲みばかりさせられ、ろくに学校に行かせてもらっていない小学校2年の女の子が近所に住んでいる。その子にもヒアリングしてみたところ、鉛筆を1本持っているだけで、鉛筆削りは持っていないということだった。ナイフを持っている友だちがいて、学校でそれを借りて、鉛筆を削るそうである。筆箱に入れられる小さな鉛筆削りなら、3ペソ程度でも売っているが、安物の鉛筆削りは、しばらく置いておくと錆び付いて、ほとんど削れなくなってしまう。そのためか、この手の安物鉛筆削りを使っているのを、あまり見かけない。
この女の子は、カバンもないというので、私の家にあったカバンをあげた。さらに、日本からの訪問者がスポンサーになりノートや筆記用具を子供たちに配ったので、この女の子には特に多めにあげた。しかし、子供にはハングリー精神が大切で、贅沢に沢山持っていても仕方ないと思う。私の高校時代の同級生は、新聞のチラシで裏側が印刷されていないものを集めて、数学のノートに使っていた。別の同級生は、数学の模試で全国一番になったが、校内の試験では、裏紙青年の方が、さらに成績が良かった。大学の入学試験には、線の入った通常のノートよりも、何もなしの裏紙の方が近くて、より実戦的なのである。そこで、私もこれにあやかり、無料で手に入る裏紙を使っていた。

鉛筆もボールペンも安いものは、現地で10円余りというところだろう。この程度のもので十分だ。(4ペソ〜7ペソ程度@2018年、モンゴル1、2と呼ばれている鉛筆が値段は高め。)

最近の日本のボールペンは書き易くなっていて、子供にあげると とても喜ばれるが、贅沢だとも言え、相手にもよりけりで、実際的には、現地で売っている安価なもので十分と言いたい。ただし、現地で売られているものには、粗悪品も少なくない。現地の人たちのように、店で試し書きしてから購入した方が良い。

(日本でも100円ショップで、10本ほど入ったセットが売られていて、大抵はそれで十分だ。)

ボールペンで書き間違えた場合

私はしょっちゅう、間違えて 書き直してばかりだが、フィリピンの子供は、書き間違えが少ないのか? ボールペンを多用すると言われると、このような疑問が沸いてくる。
そこで、この件を、ハイスクールに通う隣の女の子に聞いてみたところ、間違えた部分を、上からボールペンで塗りつぶしたりすると、汚くなるので、その部分は、括弧でくくることが多いそうである。生徒によって、別の記号を使うこともあるそうだ。先生も、それで認めてくれるそうである。


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