フェリー、家宅捜査、プロジェクト

2014年 2月12日作成   



フィリピンで使われている英語をそのまま日本語に訳して勘違いし易い例を挙げてみる。

まずはフェリーだ。日本語でフェリーと言えば、例えば新日本海フェリーのような大きな船を思い浮かべる。しかし、英語のferryには、大きな船だけでなく、小さな渡し舟も含まれている。場所を書くと差し障りがあるので控えるが、以前フィリピンでferryが沈んで日本人も亡くなったことがあった。日本語でも記事を沢山見かけたが、フェリーと書かれていた。カタカナでフェリーと書くと、大きな船をイメージし、大惨事を想像する。確かに死亡者が出るくらいなので大変なことではあるが、写真も確認したところ、沈んだのはアウトリガーの数十人程度しか乗れない船というよりは舟で、通常pump boatと呼ばれているものの一つであった。私も、同じ地域で同じ形のpump boatに乗ったが、海峡で横風、横波が来るのに、波が高くても、舟の回りをシートで覆うだけで、ある程度以上の大きな波は、横からかぶってしまいそうだった。私が乗った時は、行きは波が無く穏やかな状態だったが、帰りは、横風が強く、大きな横波が来て、沈まないかと不安で 顔をひきつらせている乗客が多かった。何とか海峡を乗り切ったが、その後湾に入り見事にエンジン・トラブルで止まってしまった。2時間ほど漂流して、なんとか助けが来た。

次に家宅捜査だ。日本で家宅捜査を受けたと言えば、容疑者は、いきなり付き合うべからずという烙印を押されたようなものだろう。フィリピンでも家宅捜査はそう簡単には行われない。例えば、自分が雇っていた大工が、仕事の終わり際に電動工具を盗み、大工の家のどこに置いてあるかまで、判明しているような場合でも、警察が家宅捜査をして盗まれた物を取り戻してくれるかというと、なかなかそうはいかない。

フィリピンで家宅捜査と言えば、概ね麻薬関係であろう。先日近所の日本人のところに家宅捜査が入ったそうだ。深夜の男性宅に女性が沢山やってきて騒いでいたということだそうだが、それぐらいで家宅捜査に来ることはあるまい。結局麻薬を疑われたのだろうが、本人が麻薬をやっていないことは、分かっている。家宅捜査をいう日本語を使って、その日本人から、他の日本人を引き離そうという力が働いたのではないかと思われる。

日本語でプロジェクトというと、かなり大掛かりな例えばダムの建設のようなものをイメージする。以前プロジェクトXというテレビ番組があったが、それでもそこそこの規模の内容であろう。フィリピンでもprojectでそういうものもあるが、学校の簡単な宿題でもprojectと呼んでいる。例えば、布で手提げカバンを作るのもprojectだ。こちらでやっている中で、ゴミ拾いのプロジェクトなどと言うと、そんな大したものではないだろうと、知り合いからクレームが来るかもしれないが、お手柔らかに願いたい。
erryと同じように、含まれる範囲が広いというになろう。

その他、以前取り上げた覚えがあるが、boy friend, girl friendは、将来結婚するニュアンスに近い。ボーイフレンド、ガールフレンドは、男友達、女友達の意味合いでも使い、そのノリで、Do you have many boy friends? と、日本人がフィリピン人の女性に聞いていたことがあったが、その女性は困った顔をしていた。


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