焼き魚を楽しむ

2013年5月作成
2015年10月更新




(→2015年10月更新分へ)

焼いている途中の魚
そこそこの焦げ目がついているところを見せようしたところ、通常と反対向きの写真になった。

市場に並ぶいろいろな魚

フィリピンの田舎の島に住んでいると手軽に焼き魚を楽しむことができる。フィリピンに住んで長く日本に帰らない人は、ほとんどが日本料理が恋しいと言い出すが、その一つの解決方法が焼き魚であろう。焼き魚に味噌汁、野菜のおひたしでも加えて、焼き魚定食を作れば、日本の味を十分に堪能できるはずだ。日替わりでいろいろな魚を試して焼けば、毎晩焼き魚でも飽きないくらいだ。

一番大切なのは火加減で、炎が消えるまで炭をおこしてから、遠赤外線で魚を焼くということだろうが、それは、どこにでも書いてある話で説明するまでもなかろう。その他もあまり説明する必要はなさそうだが、参考になりそうなことを少し書き留めておく。

焼き台 

百貨店などで、バーベキュー用の台が売っていて、それが便利で見栄えも良さそうだが、フィリピンの田舎の人は、やしの殻を燃やして、その上にそのまま魚を載せて焼いていたりする。この二つの間のレベルのものとして、焼き鳥などに使う焼物の焼き台がお手頃 かつ、本格的と言えそうでお勧めだ。街中では高く売られていて、町外れのいかにも店の場所代がかかっていないというところでは安いというノウハウがあったりするが、私の場合は100ペソ程度で購入した。

私の場合は現状は、日本の100円ショップで買った網を使っているが、以前は、現地のハードウェアショップで建築資材の金網を、数十センチ幅で切り売りしてもらったものを使っていた。6mm程度の鉄筋で作った網も田舎でよく売られている。もう少し、洒落たものだと、魚を両面から囲い込むようになっている凸面の網で、持つところもついていて、簡単に魚が焼けそうなものが百貨店などで売られている。

田舎では、薄い樹脂の袋に入った炭が売られている。炭の種類は、木材を使った炭もあるが、椰子の実の殻を使った炭が南国らしい雰囲気をかもし出し、しかも簡単に火がおこるのでお勧めだ。

料理鋏

揚げ物などでも使う料理鋏があると便利だ。炭用と魚用の両方で使えるが、一つあれば何とかなるとも言えるし、私のように二つの鋏に分けたい人もいよう。

バルコニーの横に、強引にでも焼き台を置いて、
焼きながら食べられるようにすると何かと便利

椰子の実の殻の炭

料理用の鋏


珍しい魚(2014年11月)

田舎の島に住んでいると、近くに泳いでいる珍しい魚がそのまま市場に並ぶことがある。これは良い経験ができると早速買って食べてみた。その話を知り合いにメールで伝えると、人体実験は止めてくれという返事が来たが、ふぐのように毒でも持っているようなら流石に市場では売らないだろうし、折角なので試したくなる。今回買って食べたのは以下の写真のように2種類の魚で、調べれば名前は分かるのだろうが、最初の魚はサンダーバード6号と呼びたくなる。と言ってもあまり通じないかもしれない。市場のおばさんが焼けというので焼き魚にしてみたが、白身でそこそこのレベルの味だ。しかし、一般の日本人には、見た目が影響して、あまり受け入れられないかもしれない。自分としては、試しに買って食べれて、良い経験ができた。

一つ種明かしをすると、わざわざ買ったのは、この魚は他の魚より割安だったことも挙げられる。シキホール島ではラプラプなどの高級魚は1kg180ペソと市場の公定価格が決まっている。実施には、マニラならラプラプは3倍近い値段で売られているのを見かけることもあり、シキホールの市場にはなかなか並ばない。とにかく、高級魚と比べ、この魚は大衆価格で1kg100ペソだった。お買い得だと思って買ったのだが、さらにオチがあり、焼いた後の写真を見ても分かるように、食べるところが少ない。カニのようだとまでは言わないが、例えば、カマスのように身の割合が多い魚に比べると、全体はそこそこの大さなのに 食べても もの足りない。それでも、貴重な経験ができたことが、身が少ない欠点を、大きく上回っているのは間違いない。

もう一種類、下の写真の魚も1kg100ペソと割安だったので買ったとも言えるが、上と同様、珍しいので試してみた。写真には他の魚もいろいろ写っているが、真ん中にいる細長い赤い魚である。外が分厚く硬い皮で覆われていて、上の魚と同様、身が少なくて、形はかなり違うが、食べる分には、上の魚と傾向が似ている。かなり長いので、途中で180度折り曲げて焼いた。そのため 見た目に変な形の焼き上がりになった。長さが半分になるよう 真ん中で切って、串に刺して焼いた方が良さそうだ。

白身の魚で、普通に焼くと、味も普通と言える。
しかし、うなぎでも、開かずそのまま焼いて、しょうゆだけつけて食べたら、蒲焼とは比べるべくもないものになるはずだ。この魚も、うまく料理すれば、かなりレベルアップする可能性がありそうに思う。ただ、皮が硬いので料理が難しいのかもしれない。


(以下、2015年2月追加)

前回はゲテモノ食い的な、魚を紹介したとも言え、人体実験は止めてくれというコメントをもらったりもした。しかし、市場で売られている魚で、当然危険はないし、島暮らしの可能性を示せたと思っている。

今回は、別の魚を紹介したいが、一つは、これも初めて見て食べた魚で、魚の名前を市場で聞いてGoogleで検索してみたが、違う魚の画像が出てきて、良く分からない状態が続いている。もう一つは、普通はこちらではあまり焼かないがトビウオを焼いてみた。

シキホールの市場でPencil fishだと言って売られていたが、どうも、名前違いのように思える魚

焼きトビウオ

上の左の写真の魚は、市場でPencil fishだと説明されたので、Googleで検索してみたが魚違いのようで、名前が何なのかよく分からない。前回取り上げた2種類の魚はかなり特殊なので、日本人には分かりにくそうだが、この魚は、それほど特殊では無さそうで、知っている人からはすぐに名前を指摘してもらえるのかもしれない。ちょっと検索してみたら、スマートフォンで写真を撮ってサーバーに送って魚の種類を判定するシステムがあるようだ。そのうち二番煎じ戦略で大手に飲み込まれそうなサービスだ。

さて魚の話に戻り、この魚は見た目にはかなり普通だが、特徴は平たいことだ。マグロやサバなどを普通の分厚さだと言うなら、それよりはかなり薄い。さすがにヒラメやカレイほどではない。どうして買ったのかというと、簡単に想像できるように値段が安かったからである。味は十分で、皮が結構分厚く焼きやすい。皮を食べると舌で少しざらつくが、食べられる許容範囲ではある。

右の写真は、トビウオで見ての通りだ。しかし、トビオウは皮が柔らかくて、網にくっつきやすいので焼くのは向かないとも言えるのだろう。
竹の串に刺して、焼き鳥でも焼くようにすれば簡単だろう。それでも、網が適度に高温で、こびりつきにくい状態になっていれば、なんとかなるとも言える。こちらでは、焼くより揚げてしまうことが多くて、確かにその方が良さそうにも思うが、たまには焼いても悪くない。

他にもこれまでいろいろな魚を焼いてきたので、機会があればまた取り挙げたい。一つだけ言葉で紹介しておくと、日本人に人気の定番は焼きイカである。ただし、シキホール島では、他のフィリピンの地域でも同様だろうが、イカは値段が高いので、土着しているものとしては、普段イカを買ってきて焼いて食べる気にはならない。イカを買うのは誰か日本人がやって来た場合だけだ。ただし、ホタルイカのような小さなイカは、他の魚よりも値段が安いので、売っていれば必ずと言ってよいほど買って食べている。以前、イカ、カツオ生活で紹介した通りだ。焼くのではなくて、フィリピンの定番アドボで食べている。これも、日本人好みの料理だ。

不明魚が判明 (2016年2月17日追加)

上の右側の魚が何なのか、早速、魚好きの知人からメールをもらい、ミナミイケカツオだろうということだった。それでこちらでも確認したが、どうやら間違いないなさそうだ。焼いた姿だけでは分かりにくいという指摘も出て、早速また市場で買ってきて、今度は焼いて食べる前にも写真を撮ってみた。オンラインの魚図鑑によれば、見た目とともに、薄いのも同じで間違いないだろう。フィリピンで獲れたこの魚の写真も載っていた。イケカツオは斑紋が二列で、ミナミイケカツオは一列という違いがあるそうで、ミナミイケカツオで間違いないはずだ。

成長すると50cm程度になるそうだが、こちらで買っているのは、35cm程度で一匹300gくらいである。当初は1kg100ペソだったが、最新では1kg80ペソに値下がりした。どうも、見慣れない魚なため人気がないようで、すぐに売り切れるような状況ではない。

インターネットの情報によれば、味はイマイチだそうだが、焼きたての熱々で、ジューシーな状態で食べて、不味い焼き魚はいままで経験がない。この魚も十分美味しいと思う。この魚が 焼いた後、冷めた状態で売られていたら、食べる気はしないが、それは他の多くの魚でも同じだ。

炭火で焼いて、5分以内に食べてしまう。これが美味しく食べるコツだろう。

ミナミイケカツオ


(以下、2015年10月追加)

最近焼いて食べた魚を紹介したい。

一匹目は、以下の写真の魚で 現地ではタバスとよんでいるが、当然ツバスとは全然違い、平たくて銀色をした魚で、小さなウロコで覆われている。残念ながら手元に焼いた写真しか見当たらず、これでは少し分かりずらそうだ。値段が安いのがとりえだが、残念ながら 味は取り立てて美味とは言い難い。それでも 焼きたてを食べれば十分な味だ。市場では 常時は見かけず、獲れ出すとしばらく続けて市場に並びだす。いろいろな大きさのものが市場に並ぶが、一匹400g程度のものが焼くのにちょうど良さそうだ。とにかく安いので、市場で見かけたら 買って帰って焼く場合が多い。

とにかく値段が安いのでよく買う魚

二匹目は、どこでもそこそこ見かける魚で、シキホールの市場の人はButterfly fishと言っていた。しかし、それをキーワードに検索しても、形は似ているがカラフルな縞々の魚しか見つからず、通常は別の名前なのだろう。全体の形はマナガツオに似ているが、別の魚である。平たくて焼きやすい。値段は上の魚より高くて、味も上である。

焼いた後

焼く前


ホームページへ戻る