アイス・ボックス

2006年 2月作成
2006年 3月更新


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アイス・ボックス

マニラでは あまり見かけないが、フィリピンの田舎へ行くと、発泡スチロール製のアイス・ボックスをよく見かける。値段は、大きさにもよるが、60〜80ペソ程度だ。当然氷が必要だが、これは、冷蔵庫のある家なら、どこでも氷を売っていると言っても過言ではないほど、容易に手に入る。とにかく、冷蔵庫のあるサリサリへ行けば良い。細長いビニールに水を入れて凍らせている。結構大きくて、数百グラムの重さがある。値段は、1〜1.5ペソ程度。これを5、6本買って、アイス・ボックスに入れておけば、1日はもち、いつでも冷たいビールやジュースを飲むことができる。

アイスボックスの使われ方で、私の見ている範囲で圧倒的に多いのは、アイス・キャンデー売りだ。フィリピンの田舎ならどこでもよく見かけることだろう。私が アイス・ボックスを持って歩いていたら、アイス・キャンデーを買おうとして、人が近寄ってくることが何度もあった。「日本人がアイス・キャンデーの行商なんかするはずがないだろう。」とも言いたくなるが、現地の人と同じように見てもらえているという意味で、まんざら悪い気もしない。

以下は、特に外国人の場合の使い方の例を紹介する。

最初から姑息な話を持ち出すのは、少し気が引けるが、まずは、ビーチリゾートの割高な飲み物への対策だ。ビーチリゾートのオーナーからは嫌われそうな内容だ。 食事や飲み物で儲けようというビジネスモデルを採用しているビーチリゾートは少なくない。ビジネスモデルというからには、へんびな場所に建っていて(わざと建てた?)、すぐ近くには、手軽な値段のレストランやお店がない、といったことも含まれる。
シキホール島でも、ビールの値段が、町中で1ケース買ってくる値段より4倍ほど高いビーチリゾートもある。その値段の差を知っていれば、私と同じように、ビーチリゾートの中では、何も飲み物を買いたくなくなる人が少なくないはずだ。部屋に冷蔵庫があれば良いが、飲み物の値段が高いのと、部屋に冷蔵庫が置いてあるのは、ほとんど相容れないと言っても良いだろう。
しばらくビーチリゾートに滞在する場合で、持ち込みを禁止していなくて、冷蔵庫がない場合には、アイス・ボックスが便利だ。

バンタヤン島で以前見かけた欧米人のバックバッカーは、自分のポットを持って旅していた。その人は、私が泊まったビーチリゾートと同じところに、しばらく滞在していた。ポットは200ペソ程度で買え、コーヒーをよく飲む人なら、ビーチリゾートのコーヒー代 数日分で、ポットが買えるというようなことになるのだろう。冷たい飲み物用のアイス・ボックスも同じ発想だ。

このあとは 至極 まともな使い方だ。日本の普通の地域に住んでいれば、買い物にアイス・ボックスを持っている必要などないが、私のように へんぴなところに住んでいると、買い物用にアイス・ボックスが便利だ。アイスクリームや肉などを買って、アイス・ボックスに入れて持ち帰える。

お手軽なので、冷やす必要がない食品の収納ボックスとしても、よく使っている。しかし、無防備だとアリにやられてしまうことがあり、注意が必要だ。

その他の例では、ピクニック。日本人がよく使う言葉ならアウトドア。これが、頻度は低いが、最も通常の使い方だろう。

最後にフィリピンらしい例として、冷蔵庫の霜取りをあげておく。日本では冷蔵庫の霜取りに気を使う必要はほとんどない。フィリピンでも、よい冷蔵庫を買えば、日本と同じなのかもしれないが、私が見ている範囲では、大抵の家庭で、結構な頻度で霜取りをしないといけないほど、フリーザーに氷がこびり付く。
私の家の冷蔵庫は、ごく一般的なものだが、中に霜取りのボタンがついている。それを押しておけば、勝手に氷が解けて、また冷え出すはずだ。しかし、びっしりとついた氷を目の前にしては、そんなボタンなど当てにする気にならない。延々と電気が切れた状態が続き、食品が傷むのではという不安を覚える。そこで、電源を切り、食品を取り出し、冷蔵庫を開けて、短時間ですべてを終わらせたくなる。その場合に 食品を仮に入れておく場所として、アイス・ボックスが役に立つ。
この件では、私の方法が最適だとは思い難い。他に、良い方法があれば是非連絡いただきたいものである。
ただし、年中高温多湿の気候において、フィリピンで通常店に並んでいる冷蔵庫を買った場合には、同じように霜が沢山つくのでは思う。頻繁に霜取りボタンを押せば、霜取りの時間が短時間で済みそうではあるが、その場合でも、アイスクリームの安否が心配だ。冷凍保存してあるミンチ肉なども同様である。


(2006年3月更新分)

近所に住むカナダ人と話をした。イギリス系の夫と、フィリピン人の妻の夫婦二人で、二人ともカナダ国籍。冬の間は、フィリピンに住んで、夏はカナダに帰り、大型のキャンピング・カーで、米国とカナダを移動して暮らしている。この人たちの暮らし方(ライフ・スタイル)については、とても参考になるので、別途また取り挙げる。

奥さんが言うには、冷蔵庫の霜取りなどは、全く問題ない。電気代の節約のため、昼間に、氷をつくり、夜は、冷蔵庫の電源を切って、この氷で冷蔵庫の中を冷やすそうである。これなら、霜がつくはずがない。電気代を月々いくら払っているかという話になり、霜取りについても聞いてみたのだが、私の場合は、月々1000ペソほど払っているが、彼らは400ペソ以下とのことであった。シキホール島はマニラなどに比べ倍以上電気代が高いので、相当な節約だ。こちらはパソコンが沢山あるので、単純に比較できないが、私の方が浪費しているのは明らかだ。彼らの節約精神に敬意を表する。

個人的には、例えば、夜暗いのは好きではないので、起きている間は、あまり こまめに電灯を消したくないとか、ずぼらなことも言いたくなる。そんな少しの節約をしても誤算の内だと言うこともできるかもしれない。しかしながら、省エネルギー、環境保全、温暖化防止という錦の御旗もあるし、彼らの努力を誰も否定はできない。

夜間に冷蔵庫の電源を切るというのは、彼らはモバイル・ハウスと呼んでいるが キャンピング・カー暮らしから出てきた生活の知恵だ。

私の場合は、特に肉類を冷凍保存しておきたいので、単純に彼らの真似はできないが、冷凍保存している食品の一括整理処分を兼ねて、電源を切ることは可能だ。


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