マッデン・ジュリアン振動とフィリピンの天気

2018年 11月作成



エアーアジア8501便がインドネシアで墜落した2014年12月28日の
インド洋、東南アジア、太平洋付近の雲の様子(高知大学気象情報頁より)

マッデン・ジュリアン振動(MJO: Madden Jullian Oscillaiton)は、インド洋の熱帯域で発生した雲の塊が 1〜2か月の周期で 東に進む現象で、日本やフィリピンも含め、世界のいろいろな地域の天候に影響を与えている。

詳細は、Wikipediaの記事等を参照されたいが、例えば、1997年から1998年にかけての近年では一番大規模なエルニーニョでは、シキホール島に住む知り合いの米国人の庭の木々がすべて枯れてしまったそうだ。このエルニーニョを終わらせたのがMJOで、MJOの雲の塊が、太平洋を渡り、エルニーニョの海域までさしかかったのがきっかけで、急速にエルニーニョが終息したそうだ。

台風の発生にも影響していて、日本を含む西北太平洋と 北大西洋ではどちらかで、熱帯低気圧の活動が活発な時期に、もう一方では不活発という逆の相関があり、これが、MJOの周期と関係しているということである。日本でみれば、台風が頻発する時期がしばらく続いた後、小康状態になるということにである。

日本では、天気を左右している大きな原因の一つに偏西風があり、そのため、数日の周期で天気が変わることが多い。その他にも、お天気に影響を与える要因はいろいろあるが、フィリピンに比べるとお天気の変化が短めに感じる。

フィリピンでは、同じような天気が2、3週間続くことがよくあり、マッデン・ジュリアン振動に これらがどれだけ含まれるのか、残念ながら よく分からないが、かなり関係がありそうだ。

自分で覚えている中で、フィリピンに居て、天気がなかなか変わらなかった事例をいくつか挙げておく。

一つ目は、上の雲の写真の時で、エアーアジア機が墜落した日に雲の様子を見たら、嵐が三つもあり、広い範囲で荒れた状態だった。シキホール島でも近くを台風が通過したが、天気が良くない状態がしばらく続いた。

次に挙げたいのは、台風ヨランダがフィリピンを襲った翌年である2014年の1月のことで、3週間ほど悪天が続いた。被災地の支援に行こうと思ったが、風雨で波が高く 船が出なくて、途中でスタックを繰り返した。何とか、バンタヤン島に渡ったが、その後セブにチェーンソーを買いに行ったものの、波でバンタヤン島には なかなか戻れず、最後にシキホール島に帰る時も、波で船が出そうにない状態が続いて苦労した。

最後にもう一件、さらに前のことだが、シキホール島出身の奥さんと結婚した日本人男性のお母さんが、嫁の実家を訪れた時のことで、9月の下旬頃のことだった。その方は2週間近く現地に滞在していて、私もいろいろサポートもしたが、滞在期間中、雨が降ったり止んだりの天気がずっと続いた。折角なのに気の毒なことだったが、そういう場合もある。



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