場合分けが多く複雑なフィリピン

2010年5月25日作成
2010年5月30日更新



フィリピンでは、いろいろな場合が想定され複雑なことが多い。

その最たる例が乗り物であろう。日本なら乗り物は予定通りくることを前提にして行動する。しかし、フィリピンでは、例えば船の場合でも、予定通り出ない可能性が十分にあるので、私の場合、その後、飛行機で出掛けるような場合には、前倒しで前日から移動を始めることが多い。最低でも、リスク回避で、その後の船でも間に合うような予定にしておく。メンテナンスだとか言って、突然1週間近く欠航を始めたり、故障したり、波が高くて欠航したり、その他予定通り行かないことが多いからである。

メールでシキホール島での宿の支払いについて質問を受けたが、いろいろな場合が想定され、数学のように完璧な場合分けをして答えることは非常に難しい。しかし、例えば、Larenaの町に行けばATMがあるので、CirrusかPLUSのカードがあれば、ペソを引き出せますよというようなことを書くと、行ってみたら、OFF LINEで引き出せない場合も十分想定される。返事して、あとからクレームが来たら悲しいので、さらにその場合は といういうように 話が終わらない。

最初から話を始めると以下の通りである。

質問は、Coral Cayというビーチリゾートでの支払いの話である。以前は、クレジットカードでの支払いは受け付けなかったが、最近は受け付けるようになったので一歩前進である。しかし、米国人オーナーからのメールの返事では、支払い時にクレジット・カード会社のサーバーにつながらない場合があるので、その場合に備えて、十分現金を用意してきて欲しいとのことである。それでは、何のためのクレジットカードかということになるので、さては、クレジットカードは使って欲しくないという魂胆も見え隠れする。
ドゥマゲッティの旅行会社で航空券をクレジットカードで買おうとしたら、3%の手数料を上乗せすると言われたことがある。こちらはカードの利用付帯保険が目的なので、少しの手数料は全く問題ないのでOKした。しかし、このように、カードは、宿側にコスト負担が発生したり、現金を入手できる時期が遅れるので、内心使って欲しくないということがあっても不思議ではない。

クレジットカードで支払いたい人は、マイルの加算も狙っているかもしれないが、通常なら、現金を沢山は持ち歩きたくないという気持ちが大きいはずだ。この場合の質問の主も同様である。そこで、現地のATMで現金を引き下ろせば、マニラから持ってくるよりもまだ安心という案が考えられる。しかし、OFF LINEの場合もあるし、行ってみたら長蛇の列で、諦めたくなることもある。それなら、行く前に電話で問い合わせてみたらどうかという対策が考えられる。
最悪、ドゥマゲッティの銀行まで行きATMで引きおろすことまで考えれば、何とかなると言えるが、その前に試してみたいのが、クレジットカードで分割決済することだ。たまたま、出発清算時に、クレジットカード会社とつながらない可能性は、あるかもしれないが、途中のどこかの時点では、つながるはずで、それまでの分を分割で清算すれば、現金の額を少なく抑えることができる。しかし、オーナーはクレジットカードを使わせたくないと思っている可能性が高いので、分割でも、嫌がられる可能性がある。クレジットカード決済の宿側の負担分が、定率であれば、分割でも一括でも差はないが、もしも定額負担分があるのであれば、分割清算はますます嫌われる。

ドルやユーロのトラベラーズチェックでもなんとかなりそうだが、かなりレートが悪くなりそうだ。受け付けない可能性も十分ある。

ドルの両替はシキホール島でもできるので、ドルの現金を少しくらい持ってきてもらったらどうかと思うが、それも現金を持ち歩くことに変わりない。最近は円でもそこそこ良いレートで両替した人もいる。

来る前にドゥマゲッティのATMで現金を引き出してきて、到着したらすぐにある程度前払いするというのも安全のために良さそうだが、途中でキャンセルしたら、戻ってこない可能性が少なく無さそうである。戻ってくるかもしれない。

こんなように、「宿での支払いはどうしましょう?」と、一言相談されても、場合が多いのと不安とで、簡単には答えられない。 実際には、聞くほうもいろいろ説明が必要になるが、他の国での話なら、クレジットカードが使えますという答えで済むはずが、延々と回答が長くなる。

フィリピンなので、バハラナ、Let it be.と10秒で返事を送って仕舞いにしたい気持ちもしてくる。

しかしながら、私が一番送りたい返事は、ここでの主旨とは反するかもしれないが、どうせシキホール島で宿が満杯になることなどありえないので、まずは私のところに来てもらい、一緒に宿巡りをして、その後決めてもらうということである。ただ、今回質問された方は多人数で来られるので 予約無しは難しい。私が幹事をしても、責任があるので、大勢の場合は、予約することだろう。
また、これでは、質問をされた方の旅行計画を振り出しに戻してしまうので、こちらの回答にも、飛び込み案は書いていない。


(2010年5月30日更新分)

質問に忠実に答えると、いろいろな場合が想定され 大変だという話であったが、最後に落ちを付けたい。

既に ある程度書いているが、結局以下二つの基本ルールに従うべきであろう。

すなわち、秘境とまでは言わなくても、田舎の島を訪れる時は、
 ・時間の余裕を持って移動する。
 ・両替ができないか、できてもレートが悪いこともあり、必要な現地通貨は持って行くということだろう。

シキホール島の場合は ATMが ほぼ使えるが、慣れない旅行者の場合なら、Larenaの町まで行くのに半日仕事ということにもなりかねない。それよりは、ドゥマゲッティなどで ある程度ペソを準備しておく方が簡単だ。
その上で、キャッシュカード、クレジットカード、トラベラーズ・チェック、さらにドルなどの外貨を一通り取り揃えて、いろいろな場合に対応できるようにするということだろう。

最初の余裕を持ったスケジュールの方は、ドゥマゲッティなどから飛行機のフライトの予約がある日に、船で移動しようとするのでは、波やメンテナンスで船が出ないこともあり リスクが少なくない。国内線に乗り遅れたくらいならペナルティは少ないかもしれないが、国際線だと負担は少なくない。私もフィリピンからの帰りにソウルで500ドル払って、別の航空会社に正規料金を払って搭乗した経験がある。

できればフライトの前日から移動したいものだが、最悪でも、1本あとの船でも十分間に合うようなスケジュールで移動したいものだ。


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