苗木の防御柵

2007年1月



マンゴーの苗木の防御策
高さ1.5mくらい


フィリピンの田舎では、家畜がやって来て、植木や草花などを、食べてしまうことが多い。
通常放し飼いにされているのはニワトリである。日本も昔は同じであった。その他、子豚も放し飼いにされ、その辺をうろついているのをよく見かける。ヤギや牛は、ロープでつないであるが、特にヤギはロープが解けて、勝手に歩き回っていることが少なくない。

これらの家畜と、庭に沢山植物を植えている外国人とは、とりわけ 犬猿の仲と言える。

私も、鉢植えの植物を沢山荒らされた。ただ、私の場合は自分のプロジェクトで飼っている牛が、やってきて、植えてある植物を荒らしてくれることも多く、それらは自業自得である。しかし、鶏が植えてあったパパイヤの種をほじくり出したとか、植物ではないが、鶏が家の中に入って来て暴れ、ガラスのコップを沢山割ったこともあった。捕まえてバケツの中に入れて ふたをして、持ち主である隣家に持って行き、「みんなで食べてしまおう。」と提案したが、却下されてしまった。

泥棒や空き巣とは たちが違うし、フィリピンなので、私の場合ある程度は仕方ないと諦めている。

近くの米国人は、自分の敷地内に入ってきた動物はすべて殺すと噂されている。実際にそれでトラブルになった話は聞かないが、回りからは恐れられている。米国人と言っても、フィリピン生まれのフィリピン系。カラオケを大きな音でかけていて、それだけでも 精神は100%フィリピン人と言えそうだ。外国からやって来た人なら、近所迷惑な大きな音は 通常鳴らさない。このフィリピン系米国人の場合は、万一問題が起こっても、フィリピン流に対処するのだろう。

家畜に植物を荒らされた程度で、近所ともめるのは、外国からやって来たものにとっては、得策とは言い難い。
家畜のトラブルではないが、漁師が外国人の敷地内に小舟を泊め、それを憤慨した地主の外国人が周囲の住民と争いを起こした事例がある。怒った外国人は、小舟を持ち上げ、地面に落とした。舟の持ち主の漁師は、それに腹を立てて、報復に、外国人の敷地内に石を投げた。外国人は、近所と対立し、本国に帰ってしまい、家は売りに出されたそうだ。高く土地を売りつけられているので、転売しようにも高くて売れないということになろう。
近所ともめるのは、外国人にとって高くつくことだ。家畜にやられ放題では情けないが、家畜の所有者である近所の住人と もめないように対処したいものだ。


フィリピンの植物の中で、特に価値が高いのはマンゴーだ。固定資産税の計算では、マンゴーの木1本と、田舎の1000平米の農地が、同じ程度の資産価値と査定されている。最近なら 高いマンゴーは1kg60〜70ペソもしている。それが沢山できるのならば、マンゴーの木に値打ちがあるのは当然だ。

知り合いの話では、桃栗3年柿8年のように、マンゴーは実がなるまで8年程度かかるということであった。ばらつきはあろうが、とにかく時間がかかるのは確かであろう。マンゴーの苗木を家畜に荒らされては、たまったものではない。そこで、本格的に果樹園を造ろうとしている地主なら、写真のような防御柵で苗木を取り囲むことになろう。強風で倒れる可能性がある場所では、風に対する補強の意味合いもある。

隣家でもマンゴーの苗木を植えているが、地面に打ち付けられた簡単な棒が、周囲に何本かある程度である。順調に育ったらラッキーで、駄目ならまた植えるという程度であろう。

状況にもよるが、大切な苗なら それなりに防御対策が必要だ。


ホームページへ戻る