サリサリ・メニュー

2006年3月作成   
2013年9月最終更新



最近は 一袋10ペソになってしまったカット野菜の
サリサリ。それでもまだまだ安くて庶民の味方。

フィリピンの市場に行くと、いろいろな野菜を刻んで混ぜて袋に入れて売っていている。いろいろ混ぜあわせてあるのでサリサリと呼ばれている。入っている野菜は一級品ではなくて、日本のスーパーの閉店間際の安売りのように、主に売れ残りを使っているので値段も安い。私の近所では長らく一袋5ペソであったが、1ペソのパンが2ペソに値上げになるも、量は倍には増えない。このフィリピン式のやり方と同じで、誰かが量を増やして、値段を10ペソにして売り始めたら、あっという間に広まり、今は10ペソだ。以前の1.5倍ほどの量で、一人では多過ぎる量になってしまった。

このサリサリに注目したいわけは、まずは割安感。そして、いろいろな野菜が混ざっていることによるヘルシー感。さらに、Ready Madeであるお手軽感。この三つである。フィリピン人は、日本人と比べると あまり野菜を食べないが、サリサリは安いためか結構売れている。

ただし、買うときに鮮度には十分注意する必要がある。刻んだ野菜をビニールの袋に入れて 熱帯の常温で放置しておくと、野菜は傷みやすい。ビニールの袋の中で、汗をかくので良く分かる。都会のスーパーで、冷やしておいてあるところなら問題ないはずだ。 なすびは 切るとすぐに色が変わる。りんごと同じようなものである。日本の料理の本には、なすびは使う直前に切れと書いてある。見た目を気にするなら、なすびが入っていないものを選んだ方が良いだろう。

ここでは、サリサリを使った料理を紹介する。通常見かけるのは、ほとんど野菜炒めだが、特に 切る手間が要らないお手軽さを利用して、自分なりに作ってみた。固定観念があると、場合によっては、これはサリサリでは駄目だという意見が出てくるかもしれない。野菜の再利用のような発想で、暖かい目で見て頂きたい。そうは言っても、自分では、まずまず美味しいと思って食べている。

たかがサリサリの日本料理化というテーマに 真剣に取り組んで、世界初ではないかと勝手に想像しているが、この手のものは、誰かのやったことを参考にすれば、簡単に真似ができてしまう。そもそも参考にしてもらうためにまとめているのだが、やれ、元祖だ、本家だという話になると、それなりに創意工夫をしたつもりなので、オリジナリティは主張したい。

サリサリ・味噌ラーメン

場所によるのだろうが、私の近所ではモヤシを見かけないので、代わりにサリサリを使った味噌ラーメンを作っている。自分でブタを焼いたものを準備していれば、それを切って入れるが、通常は これに卵を入れるだけである。麺は Pancit canton用の乾麺を使っている。コシがありそうな気がするからだ。表面の油を落とすために さっと湯通しするだけだ。ゆっくり食べていては麺がのびてしまう。
コストを分析してみると、豚肉がたっぷりであれば、豚肉のコストが高そうだ。しかし、日本に比べると豚肉は安いので、結構入れた方が お値打ち感がある。
現地でまともに買えば、味噌のコストが一番とも言えそうだ。それでも、日本の味を出すためには、味噌は必須であろう。よく考えてみると昆布が一番高いかもしれない。以前自宅は料理店だったので、昆布も日高は駄目で、礼文か羅臼が指定だ。それをたっぷりもらってきて使っているので、買えば安くはない。結局、フィリピンの日本料理店で、数百ペソ払うより、こちらの方が美味しいのではないかという手前味噌な話になる。しかし、日本でなら、ラーメンのレベルが高いので、下の下であろう。サリサリをかなり煮込むのがポイントで、サリサリ豚汁ラーメンという言い方もできそうだ。

魚のサリサリ・ホイル焼き

魚は好みに合わせて選んでもらえばよい。私の場合は、手に入りやすさからサバかアジを使うことが多い。最低限の手間として はらわたは出すが、他は洗う以外何もしていない。アルミホイルに薄く油をひき、洗ったサリサリを敷き詰め、魚を置き、上にもサリサリを入れて、最後に味噌をかけておく。カラマンシーなどを切って入れておいても良いだろう。アルミホイルで具を完全に包み、厚手のフライパンにのせ、ふたをして、中火で30分ほど焼く。焼きすぎたらサリサリがこげるだけだ。少しは、サリサリに捨石になってもらう。たき火の中の焼いものようなもので、適当に十分な時間焼いていたら、そのうち食べられる。焼いている時間は長いが、自分の手間は5分以内を目指している。フライパンとお皿が汚れないのも お手軽料理としてお奨めな理由だ。


サリサリ野菜炒め

サリサリに卵を加えて炒める。これがサリサリを使った一番よく見かける料理である。先日、私の所にやってきた日本人に これを出したところ、とても評判が良かった。私は料理していなくて横で指示をしていただけで、隣のおばさんに料理してもらっている。その場合のポイントは、油の量である。現地の人に任せておくと、びっくりするほど大量の油を入れてしまう。そして、油が沢山入っていると美味しいと勘違いしているようでもある。しかし、これでは、油がきつくて、日本人には向かない。油の量を10分の1くらいに減らしてもらい、中華なべの表面に、薄く油をひくだけで、日本と同じようにしてもらったら、日本人の口に合う料理ができた。油はやめて、少し煮込んで最後に水分がなくなるまで煮詰めるという方法もある。

サリサリ雑炊

見たとおりの雑炊。この場合は、材料は、サリサリ以外は最後にとじる卵だけと言える。ビーフンと同じパターンだが、レバーの刻んだものを少し入れると隠し味で引き立つ。香港では、七宝粥があったりするが、それにはいろいろな内臓が含まれている。

雑炊の雰囲気を出すためには、鍋は必須であろう。と言っても、日本から持参した鍋は大きいので、一人用では使えずそちらは、使わず置いてある。この鍋は、ドゥマゲッティのバッタ屋のような店で買った。日本人向けなのか用途がもう一つ見えないが、この鍋でしばらく煮込むと、鍋にヒビが入った。この鍋は二代目である。金属の鍋で煮込んだ後、こちらに移して、卵をとじて鍋を暖めなおしてから食べるという段取りだ。ラーメンの場合と同様、サリサリを十分煮込むの画ポイントだろう。
味は、昆布とめんつゆ。めんつゆ至上主義になっているのがイマイチだが、お手軽なので、フィリピンで料理して食べるなら、その程度であろう。
ラーメンと同様、現地在住の日本人が喜んで食べている。

サリサリ・焼きビーフン

フィリピンでは、ビーフン(米粉)はどこでも簡単に手に入る。ビーフンをゆでると、焼いたあとで、こま切れになりそうなので、通常は、水洗いするだけだろう。焼きそばなら 焼きそばソースがあれば、それらしい味になりそうだが、焼きビーフンだと醤油ベースの味で、塩・コショウを加える程度しか思い当たらない。好みに合わせて調整して頂きたい。フィリピンでは、通常 カラマンシーを絞って、食べる時にかける。これを多めに使って、カラマンシーのよく効いた味にするのも悪くない。
サリサリ以外の具は 何もなければ卵になりそうだが、あれば豚肉なども使いたい。
フィリピンでは、結構凝っていて、少し細切れのレバーが入っていたりする。苦味というか、隠し味であろう。
一応取り上げたが、フィリピンで 通常ビーフンに入れる野菜はサリサリの切り方よりも細い。誰かに、さらに切って貰うか、少し時間をかけてサリサリだけ料理するか、何か一工夫必要だろう。

焼きビーフンにラーメンとくれば、焼きそばもできることだろうが、ここでは省略する。


ホームページへ戻る
シキホール島のページへ