倒れたブーゲンビリア & 台風の雲の様子

2007年 8月作成
2007年 9月更新



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強風で倒れた後、切られて
根元だけが残ったブーゲンビリア

7月の上旬から、2週間余り日本に帰っていて、その後フィリピンに戻ったら、自宅の前に植わっていたブーゲンビリアが見事に無くなっていた。隣家に植物の水遣りを頼んでおいたので、ついでに切ってしまったのかと始めは思ったが、話を聞くと、強風で倒れてしまったということだ。隣のおばさんが言うには、水曜日に倒れてしまったそうだ。日曜日に教会に行く以外には、曜日などは無いような島なので、どうして水曜日だと覚えているのか甚だ疑問ではあるが、それを信用すれば、木が倒れたのは7月11日ということになる。私が現地を去った直後であることは間違いなくて、大きな違いはないはずだ。

7月8日の夜にインターネットカフェに行き、雲の様子を見ていたら、いかにも熱帯性低気圧と思える雲の渦があった。次の日には、予想どおり テレビの天気予報で台風が発生したと言っていて、これが 7月では最強と言われた台風4号であった。7月11日、台風は、かなり勢力を増していたが、倒れたブーゲンビリアからは、2000km以上離れていて、普通の日本人の感覚では、到底影響があるとは思えない。しかし、これまでの経験から、倒れたのは台風4号の影響であることは間違いない。高さ3m以上、幅5mほどに広がっていて、風に弱そうな状態になっていたと言えなくもないが、大きくなったブーゲンビリアを倒すとは、かなりの風が吹いたに違いない。他にも、バナナがかなり倒れたとのことだが、そちらは、それほどの風でなくても よく倒れる。ブーゲンビリアの方は、バナナよりは風に持ち堪えられるはずであった。

自宅前、ゲート右横 
倒れる前のブーゲンビリア

左とは反対方向から撮った写真
ブーゲンビリアが無くなり海がよく見える

このブーゲンビリアを取り挙げたわけは、以前から、何度か文章では紹介しているが、百聞は一見にしかずで、台風の雲の様子を写真で掲載したかったからである。高知大学のデータを利用させてもらったが、読者の参考のため、ここで掲載しても、たぶん許してもらえることだろう。

台風4号の雲の様子

写真は、7月13日のもので、ブーゲンビリアが倒れた2日後のものである。
台風の中心は、沖縄にあり、雲はフィリピンを越えて、はるか彼方、マレー半島も越えて、インド洋にまで達している。フィリピンの手前、台湾の東あたりで、雲が薄くなっている部分もあるが、十分つながっていることが分かるはずだ。別の台風の写真で、もっと密につながっているものを、これまで何度も見ているが、手元にある台風4号のこの写真でも十分であろう。

次の台風5号も、少なからず影響があった。風が強いので、自宅の横のココナツの木がかなり傾き、倒れないでくれと、願っていた。実際には、ココナツの木は、風に強くて問題ないのだが、ブーゲンビリアが倒れたばかりで、見た目には不安である。台風が日本に上陸して、勢力が弱まると、こちらの風も収まった。

このように、後方に尾ひれを引くのは、川を行く動力船の波に例えると理解しやすい。船の前方では、船がかなり接近しないと波はないが、船が去った後は、かなり広い範囲で波が残っている。台風は回転していて、船と同じに見立てるのは、乱暴かもしれないが、理解の助けにはなると思う。

台風が日本を通過する時には、偏西風に乗って、かなり速度を増しているが、フィリピンの近くにある間は、時速10〜20km程度でゆっくり進む。遅い速度のため、台風の寿命が10日程度あることも稀ではなくて、一度台風が発生すれば、フィリピンでは1週間以上天気が愚図つくことも珍しくない。台風が日本に上陸して衰退すれば、フィリピンの天気も回復するとも言える。日本では、台風は一過性のものと言えるが、フィリピンでは、天気というより 気候と言ってもよく、特に、6月や7月、台風が毎週のように続くと、天気は何週間も愚図つく可能性がある。

自明だと思うが、もう一つ補足しておくと、台風4号の写真で、台風の北側、雲が右に流れているが、これは偏西風の影響である。


(2007年9月更新分)

台風12号の雲の様子

9月に発生した台風12号の雲の様子も載せておく。台風は台湾の北の海上を通過し、中国大陸に上陸した後なので、形が崩れつつあるが、それでも、雲がフィリピンだけでなく、はるか南方までつながっていることが分かる。 
その前の11号は、沖縄の南から、韓国へ抜けて日本海へと向かった。12号は、雲の動きを動画で見れば、11号の後を追って出来た台風であることが素人にも良く分かる。しかし、11号は、かなり北で出来たので、南の方の雲とは切れていた。その結果、フィリピンでの影響は少なかった。それに対して、12号の方は、よりフィリピンに近いところで発生し、雲もこのようにずっとつながっていて、かなり強い風が吹いた。雲が筋になっているのが影響しているはずだが、数時間から半日程度の間隔で、強風と雨が一つになったものがやってきては、しばらくして、天気が回復する状態が続いた。シキホール島では、少々強い風でも、直ぐに送電線がショートして、送電線上のブレーカーが切れて、そのたびに何度も停電した。

直感的にも わかりやすいが、フィリピン出身の台風が、成長して別の所に行った後でも、長らくフィリピンに影響を与えるということであろう。


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