トロトロを知らないシキホールのフィリピン人

2016年12月作成





JP's Eatery @Dumageute


トロトロ(Turoturo)は、フィリピンのことを書いている日本人のブログでよく見かける言葉で、上の写真のようにおかずが入った鍋が並んでいて、その中から選んで食べるフィリピンの食堂のことだ。ちょっとグレードアップして、鍋でなくて、綺麗な容器が並んでいる店の場合もある。

このトロトロ、フィリピン関係の日本人からはよく聞くが、フィリピン人が言っているのを聞いたことがない。試しに、先日 シキホールのフィリピン人3人とマニラで食事をする機会があったので、「トロトロ(Turo turo)に行こう。」と言ってみたところ 案の定で、「何それ? 知らない。」と言われてしまった。フィリピン人が普通に使うカリンデリア(Carinderia)なら、当然分かってもらえ、さらに、以前マニラの近郊の市場の併設の食堂にCanteenと書いてあったので、それだとどうかというと、シキホールでは、学校に併設して食べ物を売っているところになるそうだ。Canteenは英語の辞書にも載っていて、確かにシキホールの人たちの言うような意味も載っているが、今時米国だとカフェテリアと言いそうだ。

シキホールでの話が フィリピン全般に通じるかどうかは場合によるので、まずはマニラで泊まったホテルのスタッフに聞いてみたら、トロトロという言葉は知っているが、自分では言わないとのことだ。さらに、セブのホテルでもスタッフに聞いてみたら、シキホールのフィリピン人と同様で知らないと言われてしまった。バーのことかなと、その人は勝手に予想していたが、とにかくその人も知らない。 日本人はよく使うが、フィリピン人は、全くか、ほとんど使わない言葉であることは間違いない。

Turo turoをGoogleで検索すると沢山見つかる。これらは、私が見た範囲では、すべて海外にあり、ニュージーランドに何店もあるのが印象に残っているが、米国やヨーロッパなど、世界各地に沢山広がっている。このことから、以前はフィリピン国内でも使っていて、海外に移住した人たちが、そのまま使っていると容易に想像できるが、詳しく確認したわけではない。将来、海外からの逆輸入で、フィリピン国内でもTuro turoという言い方がよく使われるようになる可能性はあるのだろう。

シンガポールでは、屋台村のことを、ホーカーズというと、最初にシンガポールに行き始めた20数年前には、ガイドブックなどにも書いてあった。そもそも、ホーカーズという言葉が、現地で以前はどの程度使われていて、今はどうなのか確認できているわけでもないが、現地で通常見かけるのはフードコートだ。 屋台村は日本で、数十年前に流行ったのは覚えているが、今も使うのか、死語になっていて、実は私がここで使っているのは、恥かしいことなのか。自分自身も海外にかなり軸足を移してしまったので、例えば、最近、シキホール島に移り住むようになった人たちが、ウマ、 コワ と言っているのを聞いて 違和感を感じるが、日本に戻った時に テレビを見ていると 確かによく聞く。

最後は、似たような例を列挙してみようと考えたのだが、実はちょっと違う話もありそうだ。


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