残飯が無駄にならないフィリピン田舎暮らし

2003年11月


パンやパパイヤの残りかすを食べる牛たち

日本では 高価な残飯処理機があったりするが、フィリピンの田舎に住んでいれば、残飯の処理で困ることは無い。残った食べ物は家畜にやれば、喜んで食べてしまう。これにより、食べ物を残したという罪悪感がなくなるだけでなく、動物に喜ばれ 良いことをしたという気分にも浸れ、画期的と言えるくらいだ。

私の家には、動物は何も飼ってはいないが、自分で飼っていなくても、フィリピンの田舎なら、近所に牛、豚、犬などの動物はいっぱいいるものである。私も適当に近所の動物に残飯をやっているが、餌を与えているわけであり、感謝されても、文句を言う人はいない。

以下、動物ごとの傾向を紹介する。

は、草食であり、何でも食べるわけではないが、パパイヤの食べかすやマンゴーの皮などをやると喜んで食べる。その他、パンもよく食べるので、特に少々古くなったパンをやると良い。自分はいつも一番新しいパンを食べ、1晩、2晩余計に置いたパンは牛にやれば良い。
フィリピンの田舎でのんびりと育った牛は愛想が良く、手を振ると耳を振って応えてくれる。さらに餌を与えてやれば、ますます愛想が良くなり、こちらも気分が良くなる。

は、雑食で何でも食べるので、ご飯や味噌汁、その他残ったおかずなど何でも与えればよい。量も幾らあっても、豚が食べ残すとは考えられない。

も、大抵何でも食べるが、牛や豚に比べ家畜とは呼べず、売っても現金収入につながらない。そのため、どうしても牛や豚に食べ物が流れてしまう。 犬にふさわしいのは、焼き魚の残りかすとか、骨付きの牛肉や豚肉の食べかすといったところだ。
犬は、一般にセキュリーティーというか、番犬として飼われている。それも、放し飼いなので、特に近所の犬とは仲良くなっておかないと、いつも吠え立てられて始末が悪い。
ところが、一度でも餌をやれば 状況は一変する。フィリピンの田舎では、餌をくれる人に吠え立てたりするほど恩知らずな犬はいない。 人間以上に食べるのに困っているからであろう。 犬に吠えられないようにするため残飯は最適だ。


日本では罪悪感が残る残飯だが、フィリピンでは、残飯の価値は高く、犬や牛のために少し残してやるくらいである。