温州

2008年 6月



温州は浙江省にある地方都市。福州から高速バスで5時間ほどである。台北をかすめた台風が、温州あたりに上陸して、被害をもたらしているのは、新聞でよく見かける話である。

温州みかん

温州と言えば、日本人には温州みかんであろう。町の至る所で みかんが売られているので、早速 いろいろ買って食べ比べた。

町のみかん売り
1kg2元。安い。


試食用に買った、6種類のみかん

  写真の位置に対応して
   中、並大、大
   特小、小、並中
   と仮称する。

特小:南豊密桔という名前。直径3cm足らず。500g5元。皮が薄い分 実が多いのは評価できる。種無し。味は日本のみかんの中の下レベル。ちょっと水っぽい。
:直径4cm余り。日本のみかんより小ぶり。その他は、種無しなども含め、特小と同じ。
並中:日本のみかんで小ぶりのもののサイズ。味は日本のみかんの中の中レベル。これが日本で食べている温州みかんなのかと、最初現地で思ったが、あとで調べた結果、勘違いが分かった。種が少々。1kg2元。
:皮がゴワゴワ。しぶみのような変な味が少しして、日本人の口に合いそうにない。
並大:フィリピンでポンカンと呼んでいるものと同じ。ただし、フィリピンでは船旅のためかかなり水分が少ないが、こちらは水々しい。フィリピンと同じで種が多いのが難点だが、日本でもこれなら受け入れられそうだ。
:これは日本ではみかんとは呼ばず、オレンジだ。これが一番美味しい。その昔、始めて海外を旅行した時 バレンシアに行き、スーパーで特売のオレンジを買ったら、とんでもなく美味しかった。完熟だったからだ。
温州で買ったものは、Sunkistの4桁の番号が付いていることもないし、もとの品種は外国から取り込んだのだろうが、このみかん自体は地元で採れたものだろう。

結局、みかんではなくて、オレンジが一番おいしかったというのが今回の結論だ。
しかし、これは、ピーナツだけでなく、カシューナッツまで含めて、ナッツの味を比較しているようなものと言えるのかもしれない。普通ならカシューナッツを選ぶだろう。それでも、日本のみかんで、オレンジより美味しいものあるのではないとも思う。しかし、曖昧な物言いしかできない。そんな高級なみかんを私が買うはずはないからだ。
みかんとオレンジは一緒だという話もある。しかし、言葉おじさん的な見方では、やはり違うのだろう。コロンブスとコロンバス。マネー・ロンダリングにコイン・ランドリー。わざわざ違うように書く。

温州の話をしているのか、みかんの話をしているのか、そんなことは気にせず 話を続ける。

みかんを沢山買い込んだが、その後インターネットで検索してみたら、とんでもない失敗が発覚した。
何のことはない。自分の無教養を暴露するだけだが、二つの勘違いをしていたのである。
まずは、うんしゅうとおんしゅう。日本では慣用的に温州を、うんしゅうと読むそうだ。確かにパソコンでも、そのように変換する。おんしゅうと打ち込んでも温州とは変換しない。みかん箱に、温州みかんと書いてあるのと、うんしゅうみかんと耳から入ってくるのが同じものだとは認識していなかった。
もう一つ、これが、買い込んだみかんが無駄になったかどうかに影響するのだが、日本の温州みかんは、中国とは関係なく、日本で誕生したみかんだというのが一般に言われていることだ。
本場の温州みかんと、日本の温州みかんのどちらが美味しいか比べようと思ったのは、実は間違いだったということになるかどうかだ。

インターネットの検索結果の例を挙げておく。

香川県のHP:
温州みかんは中国からの小ミカンが鹿児島県長島で突然変異によって種なしが出来たもので、日本生まれである。

(---> 温州で食べたみかんには種無しもあったので、餃子の場合と同じように、中国人は違う主張をしそうな気がする。)

Wikipedia:
柑橘の名産地であった中国浙江省の温州に因んでウンシュウミカンと命名されたが、日本原産種と推定される。一般に鹿児島県原産とされることが多い。

今回の味の比較に意味があったのか無かったのか、これは、日本人と中国人、また日本人の中でも意見が分かれそうだ。

町歩き

今回 回った地方都市のどこでも思ったことだが、北京や上海、武漢などの大都市に行かなくても、温州のような田舎と思える地方都市でも、巨大だということだ。

50階を越える駅前のビル

温州駅
駅舎も十分大きい

駅前のマンションも十分高層

駅前通り

市役所
20階以上ある。

温州図書館
日本では、なかなか無い大きさ

この手の建物が沢山並んでいる。以前行った麗江の中学も大きかったが、ここはさらに大きい。
フィリピンの大学で、敷地や建物がここより大きいところを見つけるのは難しい。日本の大学でも、この中学より小さなところは幾らでもある。

広州・新白雲空港の総工費が3千億円足らず。その何十倍も資金をつぎ込んだ関空よりも規模がかなり大きいのと同じようなことになっていそうだが、日本人には、どうして、このような巨大な中学校が建設可能か、ちょっと納得しにくいはずだ。

温州中学

市役所の前、世紀広場

ここも広大な敷地である。

世紀広場に立つ透明な塔

ごみが散乱しているところもあるのが
中国だ。

湿地を訪ねる

この町は、以前はかなりの部分が湿地であったことが分かる。その根拠として、町の南側の広大な地域が湿地の保護地帯になっている。さらに、それ以外で建物を建てている現場に行っても、土地には泥があり、それを取り除き基礎を造っているのが見受けられる。
地震が来れば大惨事になりそうだが、多分来ないのだろう。

湿地の保護地帯

水路も多い

湿地帯の縁を開発しているところ

ビルの建設現場の
泥が乾いた後のようす

住宿

駅の近くに、安宿が100軒以上あり、値段の競争もありそうだし、安宿指向の人には、旅し易い町だ。
名前にひかれて京都旅館というところに泊まった。安い部屋にしてくれと言ったら、80元の部屋を60元にしてくれたが、定常的に値引きしているようだった。部屋は、かなり広かったが、この値段では、便所、シャワーは共同だった。

京都旅館

広い部屋
無線LANも対応していて、持っていたパソコンで、インターネットが使えた。

温州で食べる BC級グルメ

魚の頭の火鍋

鍋ではなくて、ステンレスのボール。火ボール?

 排骨面

骨が少ないのが台湾と異なる。8元

包子と豆ジャンの固まったようなもの。日本人の口に合う。

朝粥


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