UA, NW ボーナスマイルキャンペーンの比較

2004年6月


これまでも、ボーナスマイルキャンペーンと言えば、他社追随型が多かった。それが、最近では、UAがポートランドのボーナスマイルキャンペーンまで始めるに至って、さすがに違和感を感じるところまで来てしまった。しかし、ユーザーの立場からは、そんな違和感は、無用であって、棚ぼたとして受け入れておけば良いのである。
自分が利用する予定の航空会社のライバルがボーナスマイルキャンペーンを始めれば、それは、幸せの予感として受け止め、追随があるものと見て、先々の旅の計画に反映させるのが賢い方法と言えそうだ。

以下、最近のボーナスマイルの事例から、何か汎用の傾向をつかめないか検討してみた。

UA 関西-シカゴ就航ボーナスマイル
NW 大阪-デトロイト線ボーナスマイル

UAが関空からシカゴへの便を復活したので、集客のためボーナスマイルキャンペーンを始めた。それに対抗して、NWが近くのハブ空港であるデトロイトとの便で、キャンペーンを始めたということだろう。以前NWからキャンペーンの案内が届いたが、当然ながら、それには UAに対抗してなどとは書かれていなかったので、シカゴ便とペアにしては考えなった。しかし、並べて書けば一目瞭然だろう。

項目/航空会社

UA

NW

期間
2004年6月10日〜9月30日 2004年6月10日〜9月30日

回数制限

3回まで

制限なし
ボーナスマイル ファースト
ビジネスクラス
往復15000マイル(1,2回目)
往復20000マイル(3回目)
往復15000マイル
ボーナスマイル 
エコノミー上位クラス
往復7500マイル(1,2回目)
往復10000マイル(3回目)
往復10000マイル
ボーナスマイル
エコノミー下位クラス
往復5000マイル(1,2回目)
往復7500マイル(3回目)
ITも可
往復5000マイル
(片道2500マイル)
ITは不可

キャンペーンと直接関係はないが、NWはデトロイト着が12:15なのに対して、UAのシカゴ着は16:20であり、乗り継ぎを考えるとUAももう少し到着が早い方が良いのではと思ってしまう。不利な分がキャンペーンに影響するのではと期待したくもなるが、UAの方が先手で、NWが後手なのでどうしようもあるまい。

UA 東京-ロサンゼルスボーナスマイル
NW 成田-ロサンゼルスボーナスマイル
AA 東京-ロサンゼルス就航ボーナスマイル

こちらは、UA,NWだけ見ていたのではわからなくて、仕掛け人はAAであった。

項目/航空会社

UA

NW

AA

期間

2004年4月4日
〜6月30日

2004年4月4日
〜6月30日

2004年4月4日
〜6月30日

回数制限

1回

制限なし

??

ボーナスマイル
F,Cクラス
往復15000マイル 往復15000マイル 往復15000マイル

ボーナスマイル
エコノミークラス
往復7500マイル 往復7500マイル 往復7500マイル

エコノミー
対象予約クラス
Y,B,M,H,Q,V Y,B,M G, O, Q, L, N, S以外

UA ポートランド ボーナスマイル
NW 成田-ポートランド線 就航ボーナスマイル

こちらはNWから始まった。

項目/航空会社

UA

NW

期間
2004年6月10日8月31日 2004年6月11日9月30日

回数制限

2回まで

1回のみ
ボーナスマイル ファースト
ビジネスクラス
往復10000マイル 往復10000マイル
ボーナスマイル 
エコノミー
往復5000マイル 往復5000マイル
エコノミー
対象予約クラス
Y、B、M、H、Q、V Y, B, M, Q
経路上の条件 太平洋線とそれに続くポートランドへのフライトを含む。
周遊で、ポートランドへ1度だけ立ち寄るのも可。
成田-ポートランド線を利用。
片道だけだと、ボーナスマイルも半分。

NWはポートランド線があるが、UAはないので、まさに似て非なるもののような感じだが、とにかく対抗措置としてUAも追随したと言える。
似て非なるものと言っているのは、マイルを貯めたい人にとっては、UAの場合は、とにかくポートランドに立ち寄る必要があるので、この町に滞在して、ホテルなどに泊まる人が増えるだろう。しかし、NWで単にマイルを貯めたい人は、例えば、DTW/NRTをDTW/PDX/NRTとして、ボーナスマイルをもらうため、単なる乗り継ぎでポートランドに来るだけで、町にはお金を落とさない人が出てくるだろう。以前UAがシアトル便を始めた時もそんなことがあった。町に行くのか、空港だけに行くのかという違いが出てきそうな気がする。

私も含めて やたらとマイルを貯めたがる人は除いて、普通の人は、大抵は、純粋にポートランドとアジアを往復する時に、このキャンペーンの恩恵を受けることになるのだろう。その場合、便利さから、直行便のあるNWを選ぶのが普通だと思われる。
そういう客を引き込むには、UAは対抗措置として、NWよりも良い条件を出さないと意味がないような気がするが、ボーナスマイルは同じなので、「何故?」と思いたくもなるが、いろいろな場合があるので、いちいち詮索しても仕方がないのだろう。

UAは何故1ヶ月早くキャンペーンを打ち切るのか?

UAは強気か?単に担当者が勘違いしただなのか?

NW 大阪-ホノルル線ボーナスマイル

NWが関空からホノルルへの便を復活したので、集客のためボーナスマイルキャンペーンを始めた。通常ならUAも対抗してキャンペーンを始めるはずだが、UAのホームページを探しても対応するキャンペーンが見つからない。ボーナスマイルが少ないので、いちいち対応する必要はないと判断したのか? すでにこの期間中、客は一杯確保できているので、さらにキャンペーンをする必要はないと判断したのか? どちらも該当しそうだが、UAのこの区間は、ANAが運休したままのこともあり、かなり混んでいる。後者の理由がかなり当たっているはずだ。

項目/航空会社

NW

期間
2004年4月28日〜7月20日

回数制限

制限なし
ボーナスマイル
ビジネスクラス
往復5000マイル
ボーナスマイル 
エコノミークラス
往復2000マイル
ITも可


ツアー客も対象にするためか、NWのホームページにITが不可だという注意書きが見当たらない。


以上の比較から、競合が新たな路線の就航を始めるアナウンスがあれば、追随があるので、他の航空会社でもボーナスマイルキャンペーンの予兆として、見ておけばよいことがわかる。(NWのホノルル便はボーナスマイルが少ないので無視してもかまわないだろう。) 冒頭に述べたとおりである。

その他では、
 ・キャンペーンの期間は約3ヶ月
 ・太平洋線の場合、エコノミーの安い航空券だとボーナスマイルの相場は
  5000マイル〜7500マイル。
といったことが言えるだろう。

ダブルマイルキャンペーンに比べると、かなり劣るので、ダブルマイルキャンペーンの動向の方が知りたくなるが、そちらは、某テロリストの親分次第とか、ばい菌の動向が一番影響しそうであり、胡散臭いので、書くのは止めておく。


もう一つ気になるのは、ビジネスクラスのボーナスマイルキャンペーンだ。キャンペーンをやっているからと言って、出張しようとする社員が出てくれば会社は困ったことになるだろう。かと言って、競合がボーナスマイルを出しているのに、自社はボーナスマイルがないようでは、大切なビジネス客を他社に取られてしまうことになりかねない。
航空会社同士で協議して、ボーナスマイルを止めてしまっても良さそうな気もするが、ノーマルチケットで、ビジネスクラスに乗るお金持ちもいるし、航空会社からすれば、ボーナスマイルを狙って出張する乗客も大歓迎。また、その他いろいろな場合もあるので、止める必要は全くないのだろう。

私のような、安チケットでも、飛行機に乗せてもらって沢山マイルが貯まるのは、高いチケットを買って、航空会社を儲けさせてくれる乗客がいるお陰なので、ビジネスクラスのボーナスマイルに疑問を抱くのは、分不相応というものだろう。

ボーナスマイル談合は存在するか?

ボーナスマイルが各社あまりに似ているので、ユーザーの立場からは、談合やカルテルがあるのではと疑いたくなるが、ボーナスマイルをめぐって各社が相談しても違法であるはずはなく、談合やカルテルといった違法行為はあり得ない。

航空会社の担当者が、飲み屋で話をして決めているのではと思ったりするが、米国から指示で決まりそうなので、日本のように飲み屋で打ち合わせすることはないだろう。

ポーカーと同じで、手の内を見せては意味がなく、各社全く交流なく決めているのか?
それとも、とんでもない大量のボーナスマイルを出すキャンペーンを打つ航空会社が現われると、他社も追随が必要なため、業界全体が苦しくなる。そこで、それなりに相談しているのか?

インターネットで「航空会社、ボーナスマイル、協定」 以上のキーワードで検索してみたが何も見つからない。

業界人間に聞いてみたくなるが、当事者が 私のところに、「はい、相談して決めてます。」とメールで言ってきてくれるとは考えられない。
蚊帳の外のユーザーとしては、あれこれ詮索して楽しむのが良いのだろう。



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