2007年9月15日作成
2007年10月25日更新
米国の国内線では、かなり以前から早割り料金が設定されていたが、日本は早割り料金体系は、ごく最近のことと言える。米国に行く場合、少し前までは、混む時期に出かけるのでなければ、直前まで発券してくれて、十分料金の安い旅行代理店を抑えておけば事足りた。ところが、最近では、PEXだけでなく、ITでも早割りが主流になってしまって、どうしても早め早めに予定を決めざるを得なくなりつつある。しかし、Last Minutesや 「直前の_叩き売り」という言葉もある。(航空会社を刺激しそうな言葉には、検索エンジンにひっかからないことを願い、わざわざ _ を入れた。) これは、遅割りということで、この言葉をGoogleで検索したら、すでに4万件ほど見つかった。早割りと遅割りという内容でも、まとめている先駆者がいて、これを書くのは止めようかとも思ったが、こちらの求めている内容より不足している分があり、ここでは、UAとNWのマイルを貯めることを中心にして、具体的な数字を入れてまとめてみた。また、現状で一番狙うべきは、遅割りと早割りのどちらの要素も含んでいて、早割りだが、出発が近づき、十分値段が下がった遅早割りではないかと想定されるので、その点も検討してみた。
最近は、ITの場合、マイル加算なしという航空券も結構登場してきている。特に遅割りの場合そうなる可能性が十分ありそうだが、ここではそのような航空券は無視する。
ディスカウント・チケットでは、一般に、PEX、航空会社指定のIT、航空会社未定のITの順に値段が下がって行く。PEXでは、遅割りは考えにくいし、航空会社指定のITの場合にも、普通に考えると、遅割りでは、早割りで買った客からクレームが来るか、次回から早割りで買ってくれなくなるという恐れがあり、遅割り料金を打ち出すのは、難しいことだろう。UAやNWの売れ残りは、主に航空会社未定の方に回って行くのではと想像されるが、遅割りでなくて、最初から、航空会社未定分として、処理されている分もありそうだし、業界人間でないものには、想像の域を出ない。
航空会社指定のITでも、年末の特売など、キャンペーンで、通常の早割りよりもかなり安くなる時もある。これは、航空会社未定よりは高値で売れるのでそうするのか、ガラガラなので、なりふり構わずそうするのか、やはり想像の域を出ないが、どちらの可能性もあろう。PEX
PEXでは、早割りが基本で、遅割りは考えにくい。最近のUAとNWの早割りの事例を挙げる。
2007年10月〜2008年3月までのPEX最安値の例
行き先 航空会社 28日前 21日前 14日前 7日前 西海岸 UA 71000円 74000円 84000円 104000円 NW NA 61000円 69000円 77000円 MIA UA 96000円 99000円 109000円 129000円 NW NA 85000円 93000円 101000円 PEXの場合はほとんど議論の余地はなくて、早く買うしかないということになろう。
ここでの話題とは外れるがUAとNWの料金差がかなり大きくなっているのが気になる。これだけの差が長く続くとは考えにくい。また、実際には、燃料サーチャージなど、追加分が大きくなっているという問題もある。
遅割りは考えにくいと書いたが、各種のキャンペーン、特別割引等があって、これまでに、それらが、早割りの最安値よりも安かったかどうか、注意して見ていなかったのでよくわからない。しかし、航空会社としては、遅割りで、早割り客が離れて行っては困るので、PEXでは遅割りは打ち出しにくいはずだ。キャンペーンといっても、主にボーナスマイルであろう。航空会社指定のIT
通常は、PEXよりITの方が値段は安い。また、さらに安い航空会社未定の場合、例え未定を見破ったとしても、リスクは存在しそうなので、マイル修行には、航空会社指定のITが一般的なはずだ。
ここでの最大関心事は、早割りと遅割りでどちらがお得かということであろう。お得というと、早割りでは席が確保し易いとか、長らく航空券を寝かしておいた結果、当日満席になり、空港での棚ボタが待っていたというような面もあるが、ここでは値段だけを考える。
普通なら、早割りがあって、単純に、同条件の遅割りが登場して、早割りを抜き去るということは、特別な事情や理由がない限り考えにくい。それに相応しい解析ソフトを作って、常時それを走らせ、データを収集していたわけでもないので、正確な物言いではないが、遅割りの圧倒的な勝利のためには、それなりの理由がありそうだ。
9.11の後に、UAで38800円のオーランド行きが売られた。当時は燃料サーチャージもなく、安いので 直ぐにそれを買い、SWUを使ってCクラス、ダブルマイルキャンペーンに上級会員のボーナスを加え、マイルも3倍もらったという話を以前紹介した。これも遅割りと言える。この時は予約クラスを変えて、キャンペーン価格のようにして売り出していた。
昨年の暮れには、NWのKIX発の米国行きのキャンペーン価格が設定された。年越しはどこも大変なのだろう。年末のバーゲンセールというのは、よく見かける。「売上げの目標達成が危うい。」「それではバーゲンでもやろう。」 たぶん、このようなことだろう。
NW
今調べられる範囲で、例えばYahoo Travelを利用して、NWの早割りITの価格を調べると、以下の表のようになっている。底値は11月から2月、暮れから年末年始以外の平日というのが、北米行きでは常識なので、その期間に絞る。 検索エンジンを使って得られる結果の これまでの様相とは大きく異なり、どの旅行代理店も同じ条件の航空券ばかりが目に付く。
NWの11月から2月の年末年始を除く平日のIT料金
発券
期限クラス 略称 ZONE-A
西海岸指定都市ZONE-B
MIA等指定都市ZONE-D
その他の都市25日前 Q AP25Q 58000円 62000円 70000円 3日前 Q AP3Q 65000円 69000円 77000円
(APは、Applicatonではなくて、Advanced Purchase)どの代理店がどういう条件かとかいう違いがないので、一つにまとめてしまった。出発地による価格の差もないし、出発、帰着でオープンジョーが可能と書いてあることも多い。たぶん、同じものなので、代理店の説明に書いてなくても、聞いてみれば、オープンジョーは可能であろう。これでは、PEXとほとんど一緒で、その焼き直しということになる。以前からこういうシステムだったのかもしれないが、値段には、そこそこバラツキがあった。今は、ほとんど値段が一緒になってしまったことから、取引量の大小などで、卸値の差をつけるようなことがなくなり、卸し値も売価も決められているように検索結果からは読み取れる。業界の人に聞けば、詳しいことは分かるだろうが、卸し値などを安易に公表するものでもないので、この程度の推測で終わっておきたい。
それでは、AP25、AP3のQクラスは、PEXのように今期の値段は、上の表の通りで固定なのだろうか。 旅行代理店によっては、価格変動の可能性を明記しているので、変わるかもしれないが、価格の変動も横並びで、行われるということだろう。
これまでの経験では、K、L、Vなどの新たな予約クラスの航空券が登場し、AP25QやAP3Qの代替として、これらより値引きされるので、遅割りである。最近の例では、AP25Qの代替としてAP25K、AP3Qの代替としてAP3Vがある。AP25Kのように、遅割りの要素と、早割りの要素を両方含んでいるものが、いかにも安そうであり、ここでは特に遅早割りと呼んでおく。
遅早割りは、ほぼ以下のように記述できる。
「特定の便で、ある程度早い時点から、そのまま手を打たないと、多くの空席が見込まれる場合、または、競合他社の値下げに対抗する必要がある場合に、既に出している早割りのてこ入れをするために売り出される。価格は、何も対策のない場合に、その時点で予想される最終の空席数により決められるべきだが、通常は、過去の値引き額を参考にして決められる。」
具体的に、これらの航空券の最近の例を紹介する。11月以降は、まだ間際とは言えず、検索しても、一つも見つからなかった。遅割りを期待できるのは、10月発の便であろう。その結果、NRT/JFKが検索できた。厳密にいうと、AP25QやAP3Qと、ほぼ同じ時期に発売が開始されているので、これは違うということもできなくないが、11月以降の出発便についても、今後、同じような航空券が発売されることが容易に想定できるのでこの例で十分であろう。
発券
期限クラス 略称 経路 価格 25日前 Q AP25Q ZONE-B JFKを含む指定都市 68000円 25日前 K AP25K NRT/JFK 58000円 3日前 Q AP3Q ZONE-B JFKを含む指定都市 75000円 3日前 V AP3V NRT/JFK 65000円 残念ながら、AP25Q,AP3Qと異なり、この場合のAP25K,AP3Vでは、ストップオーバーができない。燃料サーチャージが高い昨今、これではマイル修行に使う気にはならないだろう。
NRT/SEA, NRT/PDXなどが、今後同様にして対象になりそうな気はするが、私を含め、敬遠する人が少なくないかもしれない。残念ながら、現状で良さそうなものが登場することは、簡単には想像しにくいが、何かうまい理由ができて、条件の良い遅早割りが発売されれば、それを買うのが一番お得ということになる。すなわち、AP25Qの発売期限までに、それよりお得な航空券が登場しない場合には AP25Qを買って、遅早割りが登場すれば、それを買うというのが、良さそうである。
さらに待てば、遅早割りより安い航空券が、その後、売り出される可能性があるだろうか? これまでの流れからすれば、これは、遅遅割りと呼ぶのが相応しいだろう。 直感的には、遅遅割りの多くは航空会社未定の方に流れて行きそうに思う。 ただし、Last Minutes,、バーゲンFAXなど、それらしい言葉はあって、それらが航空会社を指定していても、おかしく無さそうで、何かあるのかも知れない。しかし、残りものに必ず福があるなどということが判明し、広く知れわたるようなことになれば、航空会社の早割り作戦は、完全に敗北したことになる。 ここでは、これぐらいにしたい。(別の事実を隠しているわけではなくて、知らないし、あまり無いだろうと思っているだけである。)UA
UAについても、同様に検索してみたが、こちらは、NWとは異なり、価格が旅行代理店によってかなりばらつく。出発する空港によっても価格が異なることが多い。以前からの経験と同じである。
UAの11月から2月の年末年始を除く平日のIT料金
発券
期限クラス 略称 出発 ZONE-1
西海岸指定都市ZONE-2
MIA等指定都市ZONE-3
その他の都市28日前 T AP28T NRT 54600〜63000円 59400円〜 70600円〜 NGO 56800〜63000円 61800円〜 72800円〜 KIX 56900〜63000円 61900円〜 73300円〜 3日前 W AP3W NRT 67300円〜 72300円〜 82300円〜 NGO 69800円〜 74800円〜 84800円〜 KIX 69600円〜 74600円〜 84600円〜
10月は、UAの名古屋便利用で、K, Lクラスのキャンペーン料金が設定されている。NEWのマークが付いていて、遅割りと見て良さそうだ。発券期限が一部違うが、NWと同じようにして、28日前発券の遅早割りと、3日前発券がある。
発券
期限クラス 略称 出発・
帰着ZONE-1
西海岸指定都市ZONE-2
MIA等指定都市28日前 K AP28K NGO 49000円〜 53400円〜 T AP28T 61800円〜 66800円〜 3日前 L AP3L 58000円〜 63000円〜 W AP3W 75800円〜 80800円〜 UAのNGO/TPE便ができて、特典旅行のキャンペーンでマイル半額、Fクラス利用で、台北まで飛んだのが つい最近のことと思っていたら、知らないうちに この便は無くなっていた。さては、NGO/SFOも11月以降 時刻表から姿す、「終わり名古屋割引き」 かと思ったが、さすがに、そこまではなかった。
NWの場合とは異なり、UAのAP28Kは、周遊が可能で、マイル修行に適していると言える。11月以降、最安値状態での遅早割りAP28Kの登場が待たれる。
航空会社未定のIT
マイル修行には適さないと考え、ここでは、単に遅遅割りとおぼしき例を検索してみた。
9月のNRT/SINの最安値は、航空会社未定で16200円となっている。当然、航空会社指定よりも安い。予約期限は6日前である。この航空券の10月の値段は、26700円。11月以降はさらに200円プラスになる。この状況から、9月の料金は明らかに遅遅割りと言える。早高
航空会社を指定せず、11月のNRT/SINを検索してみた。最安値は航空会社未定の26800円。その宣伝文句が”速い者勝ち!!” これ以上書くのは野暮であろう。
燃料サーチャージのため、航空券代は高騰するばかりで、少しばかり値引きがあっても 焼け石に水。マイル修行はしばらく休眠するにしくは無しとも言えそうだ。しかし、漂泊の思いやまず、できるだけお買い得の航空券を探して出掛けたくなるのも人情であろう。
先月の続きで安い航空券の動向を追ってみた。前回同様Yahoo Travelを利用して調べた。NW
AP25K NGO, NRT発、PDX経由、LAS,YVR行き10月に入って、11月出発分のAP25Kが発売になった。ポートランド(PDX)経由のバンクーバー(YVR)またはラスベガス(LAS)行き限定のキャンペーンである。通常のAP25Qに比べてかなり値下げしているので、特にラスベガスに行きたい人には おトクと言えそうだが、周遊はできないので マイル修行には向かないと言える。
NW 11月発着PDX経由LAS,YVR行き
- 発券
期限クラス 略称 経路 価格 9月調査時の最安値 25日前 Q AP25Q ZONE B LAS,YVRを含む
指定都市62000円 10月登場したキャンペーン価格 25日前 K AP25K NGOまたはNRT発、PDX経由、LASまたはYVR行き 46000円 9月調査時の価格 3日前 Q AP3Q ZONE B LAS,YVRを含む
指定都市69000円 10月登場したキャンペーン価格 3日前 V AP3V NGOまたはNRT発、PDX経由、LASまたはYVR行き 53000円 どういう脈略でどんなタイプの航空券が登場するかを学習するのが、これをまとめている大きな狙いでもあるが、この航空券は、当然ポートランド便のてこ入れということになろう。YVR,LASについては、競合他社の動向も把握するべきだろう。調べてみると、YVRについては、エアーカナダ便がかなり安いので、それへの対抗と考えられる。さらにUAも同様な割引料金を設定していて、行き先はYVR,PDX,LAX,LASから選択となっている。PDXが入っているので、UAの方が、NWの動きに追随したのではないかと思われるが、あくまで想像の域である。
AP7K
一番注目すべきなのは、11月まで限定、AP7Kの登場であろう。
NW 11月発着、平日のIT料金
- 発券
期限クラス 略称 ZONE-A
西海岸指定都市ZONE-B
MIA等指定都市ZONE-D
その他の都市9月調査時の最安値 25日前 Q AP25Q 58000円 62000円 70000円 9月調査時の最安値 3日前 Q AP3Q 65000円 69000円 77000円 今回10月調査時の最安値 7日前 K AP7K 54000円 58000円 設定無し 9月に11月分の航空券をAP25Qで購入した場合より、10月以降にAP7Kを利用した方が安くなっているので、待てば海路の日和あり。これでは早高だったということになってしまう。しかし、燃料サーチャージの値上がり分を加えれば、同じような値段とも言える。また、QクラスよりKクラスの方が予約が入り難いという点はあるが、それは誤差のうちであろう。結局、劇的な値動きとは言い難い。
UA
NRT発 AP7L新たに登場したNRT発AP7Lは、値段もかなり下がっているし、周遊もできるので、マイル修行用として、かなり良さそうにも思えるが、やはり、燃料サーチャージがネックとなっている。
発券期限が7日前のAP7Lが最安値になってしまった。表題に使っている遅早割りの早割り部分が7日前となり、この程度では もはや早割りの要素は薄れているとも言えそうだ。看板を下ろせということになるかもしれないが、今度の状況を見て考えたい。UA 11月 NRT発着、平日のIT料金
- 発券
期限クラス 略称 出発・
帰着ZONE-1
西海岸指定都市ZONE-2
MIA等指定都市9月調査時の最安値 28日前 T AP28T NRT 54600円〜 59400円〜 3日前 W AP3W 67300円〜 72300円〜 今回 10月の最安値 7日前 L AP7L 43500円〜 51000円〜 NGO発 AP28LとAP3L
UA 11月 NGO発着、平日のIT料金
- 発券
期限クラス 略称 出発・
帰着ZONE-1
西海岸指定都市ZONE-2
MIA等指定都市9月調査時の最安値 28日前 T AP28T NGO 56800円〜 61800円〜 今回 10月の最安値 L AP28L 49000円〜 53000円〜 9月調査時の最安値 3日前 W AP3W 69800円〜 74800円〜 今回 10月の最安値 L AP3L 56000円〜 60000円〜 こちらは、一番安いのはAP28Lであり、安く買うためには、早く買えと要求している。
KIXは好調なのか、新たな予約クラスの設定は今回は見当たらなかった。
航空会社未定
NGOからNRT経由で直行便利用のPDX行き米系航空会社E。燃料サーチャージ26000円。Kクラス等々、余りにも簡単に未定を見破れるものが多いが、航空会社の都合もあるはずなので、この程度にしたい。(それとも、わざと簡単に見破れるようにして、囲い込まれたマイラーを引き込もうとしているのか? )