サンフランシスコのホームレス事情

2004年4月作成   
2009年5月最終更新


たそがれのMarket Street

最近はホームレスの人々の溜まり場になっている。



先日 サンフランシスコに行った時に読んだ新聞(San Francisco Chronicle)に、この町のホームレスのことが書かれていたので紹介する。

確かに、一昔前と比べて、ホームレスは格段に増えたように感じる。
新聞によれば、その数は8600から15000人の間だそうで、随分ばらつきがある。収容所やホテルに出たり入ったりして、人数は変わったりするようだが、市の方でも、正確に数を把握できていないそうだ。とにかく、全米で最悪で、市の恥だということである。

新聞の記事によると、ホームレスの仲間うちでは、通常の地図には載っていない地名が存在するそうで、それに興味を持ったので、ここで取り挙げた。
以下、その中のいくつかを紹介する。
こちらの実力不足で地図を見せられず、位置が分かりにくくなり申しわけない。

Main Street / Sleeping Zones

サンフランシスコではMarket Streetがメイン・ストリートであることは疑いの余地はないが、ホームレスの仲間内でも、ここはMain Streetと呼ばれていて、昼間は 彼らの溜まり場となっている。Market Streetの中でも、Fourth StreetからVan Ness Avenueの間を 特に そう呼ぶそうである。夜は危険な場所になるので、別のところに避難するそうだ。そちらは、Sleeping Zonesと呼ばれていて、Downtown predatorsからは、十分離れているので、道で寝ていても安全だそうである。

Hotel Row

Six StreetをMarket Streetから数ブロック南下したところに、シングルのみのホテルが19軒集まっていて、ここをHotel Rowと呼んでいる。
ホテルはSingle Room Occupancy hotelsでSROと略記する。アル中や麻薬常習者もいるので、普通の旅行者は避けた方が良さそうだが、安いので、ハードコア(hard-core)ホームレスが、出たり入ったりしているそうである。

Frontier

"The hardiest of the hard core" バリバリのホームレスとでも訳したらよいのか、そういう人たちは、バックパックを背負って、ゴールデンゲートパークの中に潜んでいる。丘になった森の中を1マイルも進めばパーク・レンジャーからも逃れられるそうである。さらには、近くの洞穴にも潜んでいて、このあたり一帯をFrontierと呼ぶそうだ。

Pet Camp

Pack Bell Parkの西側の工事中の道路には、ペットを飼っているホームレスの人々のテントが並んでいて、Pet Campと呼ばれている。

Car Nation

Petrero Hillでは、ホームレスの人がRV、トレーラー、バンを停めて中で寝ている。

Thieves Market

United Nations Plazaの東端に、ブラックマーケットがあって、盗品を売っているそうである。新聞にまで書かれてしまっていて、その後手入れがあったとかで、今もあるのかどうかは不明だ。ホームレスの人だけでなく、それ以外の人も利用するそうだ。それ以外というのがどういう人なのか、よく分からない。


その他、Crack Zone, Heroin Zone, Speed Zoneなど、いかにも怪しい場所が存在するが、近寄らないに越したことはない。

観光客が普通に行くような、ケーブルカーの路線やフィッシャーマンズ・ワーフなどは、なんら問題ない。


(2009年5月追加)

今年になって、サンフランシスコに行ったが、ホームレスと思われる深夜でも立っている人たちを沢山見かけた。炊き出しにも長い列が出来ていた。状況が好転しているとは思えない。


BACK