野分のまたの日@MIA、FLL

2005年11月


先日 ハリケーン ウィルマ(WILMA)がフロリダを通過した翌日、米国に到着した。被害が大きかったMIA,FLLには行かなかったが、近くに立ち寄り、現地のテレビで After Wilmaというタイトルの現場中継を見ることができた。そこで放映されていた内容を 参考までに紹介する。

停電 電柱が倒れ、MIA,FLL周辺では、九割以上の家が停電した。一週間後には、半数以上が復旧したが、作業は延々続けられた。

Curfew  Curfewと言うと ホステルや女子寮などの門限を思い浮かべるが、辞書によれば、(戒厳令下での)夜間外出禁止令もCurfewというそうだ。今回は、停電で夜 真っ暗になるので、Curfewが設定されたのだが、門限と訳すとちょっと弱い気がするが、弾丸でも飛んで来るかもしれず危険なため夜間外出禁止令が出ているという程でもない。

空港の時間制限 Curfewが設定されている間は、空港を開いている時間は朝、夜縮められた。10月31日からはCurfewは撤回された。

ガソリンスタンドの長い列 停電で多くのガソリンスタンドが営業できなくなった。また 停電対策でエンジン発電機を動かす家が増え、通常に比べ ガソリンが余計に必要になった。そのため、需要と供給のバランスが崩れ、ガソリンスタンドには長い列ができた。どこのガソリンスタンドが営業しているとか、比較的空いているとかいった情報がホットな話題であり、テレビではガソリンスタンドの様子を長々と中継していた。営業しているガソリンスタンドのオーナーがテレビに出ていたが、満面の笑顔。現在1万2千ガロンの在庫があり、それが無くなっても昼から配達されるので大丈夫だと、嬉しそうに話していた。
ガソリンスタンドには、遠方からもエンジン発電機が届けられ、それを使って営業する店が増えて、待ち行列は解消される方向にあった。

水、氷、軽食の無料配布 氷を配るというところがフロリダらしく感じられた。日本でも、夏場に天災が起これば、同じように氷も配ってくれるのかもしれない。この場合クーラーボックスが必要だが、日本では 釣り人やアウトドアの愛好家の家くらいしか、クーラーボックスはなさそうで、それもセットで配ってくれる必要がありそうだ。
これらの品物を いつどこで配布するか テレビでアナウンスするが、予定の時間より配布が遅れると、長蛇の列ができ、市民から苦情が出る。逆に、予定よりも早くから配布が始まると、市民から感謝される。開始予定時間を遅めにアナウンスしておくのが良い。

To eat or not to eat. That is a question.  停電後、約四時間で冷蔵庫の食品は冷たくなくなるとのことであり、疑わしい食品は食べないようにテレビでは言っていた。これは南フロリダの場合で、日本の冬ならもっと長い時間平気だ。

Boiled water order  地域によっては、水道の水質を保障できないので、飲むなら一度沸騰させよという命令が出ていた。いつもお奨めしているSouth beachなどでこの命令が出された。 ほどなく 命令は取り除かれた。

一酸化炭素中毒 日本では常識だ。停電対策で発電機を使ったが、家の中に置いたまま運転し続け、一酸化炭素中毒で死亡した人がいたそうだ。 日本では常識だと書いたが、インターネットで検索したところ、日本でも、マンションでレンタンを使って、誤って部屋の中に入れてしまい、一酸化炭素中毒で、夫を失ったという女性の手記を見つけてしまった。

大統領訪問 現地の激励に大統領が訪れ、それをテレビでも中継していた。これを見て思ったのが、日本人の駆けつけボランティアだ。大統領は、水、氷、軽食を無料配布している場所にやって来て、手伝っているボランティアを激励する。そこに日本人のボランティアも混ざっていれば、日本の印象が良くなることは間違いない。日本の国益にかなっているはずだ。政府がファーストクラスの運賃を支給して、人を送っても、十分元は取れるだろう。
姑息な案だが、どうしてこんなことを書いてしまうかと言うと、実際に起こっていることは、全くこれの逆だからだ。日本政府はフィリピンに何万台もパソコンを送り、私の近所の高校にも、そのパソコンが入った。ところが、どこかで日本という言葉は完全に消され、誰も日本から送られたということは知らない。これでは日本は感謝されない。


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