大丈夫か、その滑走路とその着陸

2000年7月


〜 ちょっと恐い話? 〜

空港によって滑走路はまちまちである。長さが同じでも、立地条件によって随分違う。例えば、滑走路のすぐ前に高速道路があると、着陸する飛行機は高速道路に拘束されて、かなり高めに降りてくる。その結果、なかなか着陸せず、結構不安だ。これに対し、滑走路の前が広い空き地で芝生でも植えてあると、滑走路の上に来るやすぐ着陸するので安心だ。 前者は例えば、オレンジ・カウンティ空港、後者は例えばシカゴ・オヘア空港などである。不安な前者の例は他にも沢山あり、すぐに思いつくところとしては、例えば、ロサンゼルス(LAX)やマニラ(MNL)など。

こんな言葉が一般に使われているのか不明だが、「有効滑走路長」という言葉を使うと分かりやすいだろう。障害物の影響で無効になった部分を除いた滑走路。有効滑走路長が長いところでは、着陸も比較的安心というわけである。

この手のことは、その筋の業界の方に話を聞けば、もっと良くわかるであろう。しかし、素人である私のような1ユーザーが、いろいろ想像してみるのも、また楽しいものである。


さて次に着陸。飛行機の着陸の型には、いろいろな分類がありそうである。その中で、これまで不安に感じたタイプの着陸について、独断で名前を付けてみた。

じらしポッキリ型

なかなか、着陸しないのだが、空中での速度が落ちているためか、着陸するやすぐに止まる場合。

猪突猛進義理ちょんセーフ型

着陸しても、まだスピードがあり、すさまじいエンジン音を鳴らし、滑走路端ぎりぎりまで進んで、なんとか止まる場合。

おい、そこ退け型

これは、数ヶ所で経験した。

まずは、関空ができるまでの伊丹空港
サンフランシスコから帰って来た時のことである。飛行機がほとんど滑走路に着いたかと思ったら、また上昇し始めた。かなり異例のことなので、どうしたのかと驚いていたら、滑走路に別の飛行機があったとので避けたとのアナウンスがあった。思わず、「良く見て着陸してくれ。」と言いたくなった。

次に、ミネアポリス空港
その時は、滑走路1つだけで離陸、着陸とも行なっていた。かなり待たされて、やっと離陸する段になり、滑走路に飛び出したと思ったら、すぐに、クルット回って、離陸待ちの行列に戻った。迂回路のようなものがあったので、そこから元に戻ったのである。戻ったと言っても4機ほど後戻り。そのため離陸がかなり遅れてしまった。着陸する飛行機が来たので、離陸側が避けたのである。

最後に、フィリピンのダバオ。
といっても、これは実際には体験していなくて伝聞である。フィリピンのミンダナオ島のダバオで2000年4月に事故があった。詳しいことは調査中で、正確にはわからないが、タガログ語のニュースを見ていた知人の話によると、おおよそ以下の通りのようだ。

マニラからダバオに飛行機が飛んできたのだが、着陸しようとしたところ、滑走路に飛行機があった。そこで、着陸せずよけた。ところが、運悪く近くの島の丘の上にあるココナツ林に激突してしまった。


このように書いてはみたが、ユーザーとしては、どうすることも出来ない。
自動車の運転では、同乗者に不安を与えない運転が求められる。
飛行機の操縦でも、ユーザーに不安を与えない操縦を期待するのみである。



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