マイル単価

2006年 5月




一昔前と比べ、最近はマイルを貯める方法がいろいろと増えた。ここでは、マイルを貯める上で、基本的な指標であるマイル単価を比較してみた。分かりやすくするため、1万円の出費で貯まるマイル数で表示した。

項目

1万円の出費で貯まるマイル
フライト 約6000マイル(ゴールドレベル)
約3000マイル(平会員)
クレジットカード 約100マイル
ホテル 約300マイル
レンタカー 約100マイル
レストラン 300マイル または 500マイル
マイルモール 100マイル程度
(25マイル〜300マイル)
クルーズ 約100マイル

レストランの利用なら、1万円分食事すると 店によって300マイルか500マイルのどちらかになるだけで単純だが、他は、ばらつきのあるものが多い。基本であるフライトの場合でも、例えば日本から台北へ正規料金で飛んだのでは、表に書いた数字よりも1桁少なくなる。 ここでは、当然のように、ローシーズンに、最も安い航空券を探して、日本から米国を周遊する場合を想定して数字を挙げた。条件を それぞれ明示してはいないが、大まかな目安の数字として見て頂きたい。

いずれにせよ、上の表にあるとおり、フライトでマイルを貯めるのが圧倒的に有利であると言える。

航空会社がマイレージを景品として出すのは、基本的には自社便の空席を使うので、そのコストは非常に安くて済む。そのため、大盤振る舞いが可能になる。これに対して、レストランやモールのお店がマイルを景品として出す場合は、お店の側は、航空会社がこれまでに築いた顧客囲い込みの資産を利用するわけで、その代償として、航空会社からマイルを購入して、顧客にあげるようなものである。それが自動で行われる。航空会社のホームページに書いてあるような、通常のマイル売買単価ほどの負担はないにしても、そんなに大盤振る舞いができないことは明らかである。 私は業界人間ではないので、勝手に想像して書いただけだが、この説明で 大きく間違っていることはないだろう。

しかしながら、「マイル単価が高いものはお得でないから無視して良い。」と、単純に言い切れるものではない。昨今は、光熱費等の生活費も含めてできるだけクレジットカードで支払い、少しでもマイルを貯めようと奮闘されている方も少なくない。どうしても必要な出費で、何もしなければマイルは貯まらないが、クレジットカードで支払うだけでマイルが貯まるのであれば、当然利用した方がお得と言える。ただし、特に米国で見られるように クレジットカードを多用しだすと、ついつい無駄遣いしてしまうという人は少なくないはずだ。そういう人は注意しないといけない。

私の場合は生活の基盤がフィリピンに移っていて、例えば、散髪代が100円以下といった生活をしているので、マイルが貯まりそうな出費を見つけるのが難しい。そのため、現状では、クレジットカードで支払ってマイルを貯めようという発想には至っていない。

幹事の役得・会社腹

マイレージプログラムを利用して、最も得している人というのは、会社の出張で海外へ頻繁に出掛ける人であろう。私の場合でも、以前 70万マイル以上がそのようにして貯まったが、多い人なら1000万マイル近くになる人がいてもおかしくない。2年前に私の家に遊びに来られた人は、米国出張で貯めたマリオットのポイントで、3ヶ月は無料でホテルに泊まれると言っていた。今なら4ヶ月以上だろう。

会社の経費で稼いだマイルは誰のものかという議論は昔からあり、当然会社のものだと言いたくなるが、現実には、通常は利用者個人のものになっている。

この手の自分以外の財布を利用してマイルを稼ぐ 別の典型的な例として、航空会社のホームページでも紹介されている幹事の役得がある。レストランの利用だと、通常のクレジットカード利用に比べ、3倍か5倍マイルが貯まり、さらに、クレジットカードで支払うので、合計4倍か6倍マイルが貯まる。さらには、宴会なので、合計の支払額は個人の場合に比べ1桁は多いことだろう。年末年始にたて続けに宴会の幹事をして、20万マイル貯めたというようなツワモノでも出てくれば笑えそうだ。もしも私が幹事になったとしたら、「俺に全部払わせろ」という人が横からシャシャリ出て来て、結局マイルはもらえずに終わりそうだ。
ちなみに、UA,NW,COとも同じ業者と提携している。このことから 舞台裏をいろいろ想像できるのも楽しい。関連するホームページの内容は全く同じである。

他にも、会社のものを買うのに、自分のクレジットカードで立て替えて払いたがる人を見かけたことがある。

自分の財布は痛まないので、とてもお得だということもできるが、この範疇は 怪しいことが多い。

ただマイル

航空会社のアンケートへの回答や、空港でのセルフサービスのチェックインの利用で、ボーナスマイルがもらえる場合などがある。余計な出費がかからないので、できるならこの手のマイルはもらっておきたいものだ。

お金を払わずマイルを貯める別の方法として、インターネットの利用がある。ネットマイルはNWとNH, GポイントはUA,NW,NHと提携している。インターネット上のポイントを航空会社のマイルに移行することはできるが、逆はできない。これができると、インターネットのポイントを経由して、別の航空会社間でマイルを移動させることができてしまう。競合するUAに乗ってNWのマイルを貯めようとするような輩も受け付けてしまうことになり、乗客を囲い込むというマイレージプログラムのそもそもの狙いと相反することになるからである。ただし将来いろいろなことが起こる可能性はあり、原則的なことしか言えない。

インターネット上のポイントプログラムは、指定されたバナー経由で、協賛企業のホームページに行き、そこで会員登録や資料請求、商品購入などをした場合にポイントを獲得できるというような仕組みになっている。ポイント獲得のみが目的の場合は、ポイントは獲得できないというルールが書かれているものもある。まさにその通り私の場合は、ほとんど関係が無いと言える。

商品購入の場合は、ただマイルではなくて、マイルモールと同等になる。ネットマイル、Gポイントとも6ポイントが1マイルに換算できるそうなので、それをもとにマイルに換算すると、現状では、航空会社のマイルモールよりも貯まるマイルがちょっと少ない程度と言える。ポイントは現金に換金できるので、その現金を、マイルの貯まりやすい航空券購入にあてて マイル修行に出るのが良さそうにも思えるが、残念ながら、還元率を二回掛けるような計算になってしまい、あまり良い結果にはならない。


マイレージプログラムの恩恵をイヤというほど受けている私にとっては特に、航空会社あってのマイレージである。現在のように航空会社の経営が苦しい状況では、なんとか、航空会社に儲けてもらって健全な体質に戻ってもらうよう願うのは当然だ。おかみ(航空会社)に盾突こうなどという考えは毛頭ない。レストランでの食事も、モールでの買い物も航空会社が儲かる仕組みになっているのは当然なので、利用できる人は、なるだけ利用してあげて欲しいと、そう書くのみである。


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