NW不便割引のルート検討

2004年11月


最近のNWの格安航空券では、乗り継ぎに便利なMSP、DTW便を利用すると、大抵 片道4000円の追加料金を取られる。往復だと8000円高くなり、かなりの割増となる。私の感覚では、短絡的にMSP、DTW便は高いので使えないということになってしまう。

そのため、MSP、DTW便以外を使おうとするのだが、これだと 通常は 不便な乗り継ぎになってしまう。そうは言っても、不便な方がマイルが貯まりやすい。マイルが貯まりやすくて、値段が安いのなら それに越したことはない。例えば、NGO/NRT/JFK/MSP/ABQ/MSP/MIAと飛べば、行きだけで1万1千マイルを越える。MSP、DTW便は避けて、その他の便を使うに限るということになりそうだ。

しかしながら、実際には 他にもいろいろ条件が入ってくる。KIX/DTW/MSP/ABQ/MSP/MIAなら、他に選択肢がないので、機械的に決まってしまうが、最初の例だと、NRTからMSP便があるので、JFKを飛ばして、NGO/NRT/MSP/ABQ/MSP/MIAという経路なら、いかにも自然で、収まりがよい。しかし、割増料金を取られる。貯まるマイルも少なくなる。この多長多短問題は、なかなか悩ましいのである。

これまで、NWの格安航空券は、3都市または4都市周遊で均一料金となっていたが、最近は1都市追加するごとに、4000円割増になることが多い。また、4都市周遊だと それ以上に割高で、現実的ではなくなってしまった。いずれにせよ、都市数が増えると、料金が割増される。
日本からの往復で、MSP、DTW便を利用しないとすると、これまで乗り継ぎが可能だったものが、そうはいかず、別の都市に追加で滞在を迫られ、別途 料金が割増になる場合も多く出てくる。それでは安くならず、本末転倒である。
典型的な例を挙げる。MIA/DTW/NRT(orNGO,KIX)なら、すんなり日本に 帰ってこれるが、DTW便で帰国しないとなると、別の都市に、追加で泊まることになってしまう。
別の例では、MCO/MEM/SEA/NRTや、DCA/DTW/SEA(or PDX)/NRTなら同日乗り継ぎ可能という場合もある。フライトのスケジュールは刻々変わるので乗り継げるかどうかも、毎回調べる必要があるが、とにかく、MSP,DTW便で帰国しないとなると、同日乗り継ぎできない都市が沢山出てくる。

無理しない範囲で、太平洋線にMSP,DTW便以外が使える場合には、それに乗るというのが現実的であろう。

それに、当てはまりそうな場合を、以下に挙げておく。

西海岸から米国入国

米国に入国するのに、MSP便、DTW便を使わないとすると、あとは、JFK便か西海岸への便で入国することになる。
JFK便で、最初にニューヨークに滞在するのであれば、とても便利であるが、別の都市に行く場合には、DTW、MSPで乗り継つぐことになる。それなら、最初からDTW便、MSP便を使いたいという 先の悩ましい議論に戻ってしまう。

これに対して、西海岸から入国する場合には、以前も紹介しているようなメリットがある。すなわち、
朝、米国に到着し、その日の夜MSP、DTW経由で目的地に飛べば、西海岸の都市には、一都市分の追加料金を払うことなく、丸1日滞在できる。夜行便を利用するので、宿泊費が1泊分節約できる。 晩に、空港のラウンジで酒盛りができる。MSP、DTWからは朝1番の便で、飛び立てるので、目的地に早い時間に到着できる等々。

また、最近、格安航空券では、米国内と同料金で行けるようになったMEX,CUN,MBJに行くにも、この経路は便利だ。MEX行きで、行きも帰りも、どこかの都市で泊まる必要があると、旅行代理店から主張されたが、SFOからは夜行便利用で、NGO/NRT/SFO/DTW/MEXで行くというと、担当者も納得してくれた。

ただし、ハードなスケジュールなので、体調を崩さないよう注意が必要だ。
ほんとは、西海岸で1泊して行きたいところだ。

MEM周辺の都市から帰国

現状では、MSY/MEM/SEA/NRTのように、MEM/SEA/NRTという乗り継ぎが可能である。一方MEMの周辺の都市から、MEMを経由し、さらにMSP,DTW経由で、アジアの各都市まで飛べるようになっているのが普通で、MEMの周辺の都市から早朝に出発して、MEMに早い時間に到着できる便があることが多い。以上の組み合わせで、MEMの周辺の都市から、MEM,SEA経由で日本に帰って来れる場合が多い。ただ、MEMでの乗り継ぎ時間が短い場合が多いので注意が必要だ。

MEM周辺の都市以外から西海岸の都市を経由して帰国するとなると、DTW/SEA(or PDX)/NRT, MSP/SEA(or PDX)/NRTの経路が入り、チェックイン時に、「なんでわざわざ、そんな遠回りをするのか。」と聞かれたりして、航空会社の職員を刺激することになりかねない。


便利割増か?不便割引か?

少し前までは 格安航空券の広告には、MSP,DTW便以外を使うと割引がありますと書かれていた。ところが、最近はMSP、DTW便だと割増になりますと書かれている。これは、他の航空会社との競争上、できるたけ安い値段を示そうとしているということで、当然のことだろう。

さて、どうも私は察しが悪いと思う。察しが悪いのは 先天的な脳の欠陥の場合もあると、ラジオで言っていた。私の場合もそういうこともあるかもしれない。
とにかく、この料金体系が、便利割増なのか、不便割引なのか、そこがよくわからない。

便利割増であれば、便利なMSP便、DTW便を使うのだから、少々高く払ってくれと航空会社は主張していることになる。それを払わないで、安く済ませる方法を検討している この文章は、利用者には受け入れられても、航空会社からは よく思われないだろう。

一方、不便割引だとすればどうなるか。「MSP便、DTW便は接続が便利なので、沢山の人が利用して混み合って困っている。可能な人は、できるだけ他の便を利用して欲しい。」という航空会社のメッセージと読み取ることができる。MSP便、DTW便以外の利用をお薦めしているこの文章は、航空会社に歓迎されることであろう。


先日、SEA経由の帰国を試してみた。
ちょっと強引だったかもしれないが、DCA/DTW/SEA/NRT/NGOというルートである。 安いし、マイルが貯まるという以外にも、SEA/NRTは A330で新しい機材だし、SEAは米国の中では 日本に近い方なので、米国国内線でアップグレードされる区間が長くなるというメリットもあるからだ。

その時に SEAのワールドクラブを利用した。NRT便の出発前には、ビジネス客ではなくて、いかにもとおぼしきプラチナ、ゴールドの会員が沢山いるのではと予想していたのだが、実際には、ほとんど そういう人は見かけなくて、MSの社員らしき乗客で混み合っていた。1週間で世界一周だと豪語している人もいて、時差ぼけで大変そうだった。

現状のような便利割増・不便割引運賃体系に反応して、SEA経由で帰国する 私のような輩は ほとんどいないということかもしれない。 今後もSEA経由で帰国する予定はあるので、ワールドクラブの利用者の顔ぶれを、じっくり観察していきたい。


お陰様で、KIX発着の場合には、このような便利割増、不便割引はない。HNL、DTW便しかなくて、米国本土に飛ぶには基本的にDTW便を利用することになるからである。
ただ、DTWでの入国審査では 毎回のように絞られているので、NGO/NRT/SFOという経路で入国する方が、魅力的である。


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