NW 新ワールド・ビジネスクラス

2004年2月作成
2007年10月最終更新


(→2007年10月更新分へ)

NW新型ワールドビジネスクラスシート

登場させるのが遅れてしまったが、昨年の12月、日本からフィリピンに戻る時に、幸運にもNWの新型ワールドビジネスクラスのシートを体験できた。

12月は、バリックバヤンと呼ばれる帰省客が多く、フィリピン行きの特典旅行を取るのは難しいのだが、その前の年と同様にして、KIX/MNL便が臨時で少しだけ復活。同じく前の年と同様にして、あてにしていた通り、直前になって特典旅行の枠が空いてきたので、この便の予約を入れた。
特殊な便に乗ったのが良かったのか、とにかく 幸運にも この時点では747-400で1機しかない新型ビジネスクラスに対応した機材に搭乗することができた。特典旅行くらいしか ビジネスクラスには乗れないが、それが、新型のシートとは、とてもラッキーであった。(NWのホームページによれば、現在は20%が新しくなっているそうだ。ただ、計算すると、A330−300の5機と、747-400の1機のまま状況は変わっていないような気もするが、詮索するのはやめておく。)

上の写真のように、背もたれの背後の部分がもっこりしているのが、このシートのミソである。この部分に、枕や背もたれが、前に滑りながら入り込んでいくことで、ほぼフルフラットの座席を実現している。
準フルフラットの様子を写真に取れれば良かったのだが、それが出来ないのは、まさに私の実力。席が1Aだったので、上の写真の左、1K側を取るのは楽勝だったが、右側の後ろからの写真を撮るので、すでに精一杯だった。
食事の後照明が消されたので、シートを倒してしばらく横になっていたが、勿論、十分快適だった。

シートの操作

以前UAのファースト・スイートのシートの操作について、レポートしたが、こちれはビジネスクラスなので少し単純だ。機内誌に解説があるので、詳しくはそちらを参照してもらうことにしたいが、UAの場合と同様にして、リセットボタンがある。リセットでは格好が悪く、Takeoff and Landing Position/離発着時のポジションという呼び名になっているが、とにかく、このボタンを押すとリセットして 振り出しに戻る。
UAのファーストスイートに乗った時と同様にして、意地悪テストをいろいろ実施してみたが、幸か不幸か、こちらは 私が搭乗している間は、ハングすることはなかった。

オン・デマンド

シートもそうだが、オーディオ、ビデオシステムでもUAのビジネスクラスを、徹底的に打ちのめしてやろうという意気込みが感じられる。ただ、弱り目のUAに、さらに、たたってやろうとするようなNWの新機材の登場は、「ちょっと待って」と言いたくもなるが、UAは、こうなったら食事ででも対抗するしかないだろう。

以上は勝手な物言いである。

本題のオンデマンドは、AVOD(Audio Video On Demand) Systemと呼ばれ、まさにオン・デマンドでオーディオ、ビデオが楽しめる。従来だと、放送形式だが、オンデマンドだと、見たい時、聞きたい時に、いつでも自由に開始できる。

画面は、いかにもパソコン、パソコンしているので、多分シートごとにパソコンが埋め込まれていて、ビデオもすべて 予めハードディスクの中に入っているのだろう。

オンデマンドと呼んでいるので、サーバーマシンから毎回LANでダウンロードしてくるのかもしれないが、それだとLANがとても忙しそうだ。

機内誌にも出ているように、MOVIES, MUSIC, GAMES, MAPS, MARKETPLACE, EMAIL, INFORMATION, COMMENTSの8つのサービスがあるが、残念ながら途中で居眠りしてしまったので、すべてを詳しく試してみることはできなかった。地図は、パソコンのソフトやインターネットでよくあるように interactiveになっていて、結構楽しめた。
とにかく、いっぱいあって、バグ取りが大変そうで、それが、この新機材登場を遅らせている主な要因ではないかと疑ってしまうが、これも勝手な物言いだ。

セレクトシート

1〜4列目までが、ビジネスクラスのセレクトシートだが、他と席が同じになってしまうと旨みがない。それでもセレクトシートをリスエストすると、従来通り1列目をアサインされた。今は過渡期なので、これで良いが、全部新しいシートになったら、10A、10Bが特等席(スーパー・セレクトシート??)になりそうだ。ぎりぎりで、もう一列は入れられないため、この2席の前には、巨大な空間がある。力士用か、それとも、米国の市バスのように折りたためない車椅子でも乗せるのかと思いたくなる。このことは、いつもビジネスクラスに乗りなれている人には、多分 常識なのだろう。


機内食

最後に、機材とは関係ないが、重要な(?)ことなので、食事の写真も載せておく。私にとっては、これで 十分だ。食べ過ぎに注意しなければならない。さらにデザートまで食べたりすると、かなり危険な状況と言えそうだ。


(以下 2004年4月更新分)

前回の12月、NGO/MNLで新しい機材を体験でき、気を良くしていたのだが、今度は2月のNGO/MNLだけでなく、3月の帰りのMNL/NGOも新機材で、幸運が続いている。そこで続編を思い立ったわけだが、NWのホームページによると、3月末で32%の機材でシートの入れ替えが済んでいるそうである。さらにインターネットで検索すると、747-400の3〜4機が新型対応とのうわさがあり、NWの機内誌のとおり747-400が全部で16機だとすれば、まだまだ幸運なのでだろう。
帰りのMNLでは、MNL/NRTの方も、新しい塗装の機材で、そちらのシートも新しくなっているようであった。以前、UAがまだ747-400を沢山保有していた時、新機材の777を早朝のMIAに集結させていた。それを見て777のメカニックがMIAに集結しているのではと、勝手に想像したりしていたのだが、MNLに新機材が結集しているのを見て、MNLにも同様に新機材のメカニックが集結しているのかと、ちらっと思ったりするが、現実を見れば、そんなことは万に一つもないだろうと思い直してしまう。

意地悪テスト

NWのプラチナという仮面は被っていても、UAで100万マイラーになるぐらいで、心はUAである。UAはKIX/ORDも復活させるようだし、Chapter 11の悪夢から覚めようとしてはいるが、まだまだ体力回復の必要があるUAに対して、機材で圧倒的な優位に立たんとするような新シートの登場に、心穏やかなはずがない。かつてUAのファーストスイートで試したように、NWでも 意地悪テストであらを捜そうとするのはすごく当然なことだろう。
そう言うと、無料航空券を何十枚ももらって、大変お世話になっている以外の何ものでもないNWの方から嫌われそうだが、要は、競争でどちらも良くなるのが嬉しいので、どちらか一方が潰れるのは困るのである。

さて、本題の意地悪テストの方だが、UAと同じで(準)フルフラットから、いきなり背もたれを起こそうとした時に、ハングすることがあった。しかしながら、行きの便で起こっただけで、帰りの便では再現しなかった

次に、オン・デマンドの音楽で、ホテル・カリフォルニアを攻撃してみた。途中で関係の無いキーをいろいろ押してみると、予期せぬところへ飛んでしまうことがあるように思うのだが、これも、残念ながら、症状を特定できるほどではないので、単なる言いがかりといわれても仕方があるまい。

そこで、とにかく動かぬ証拠のあるものや、必ず再現するものを探した。

まずは、David BowieのAshed to Ashedで、最初の約2秒でピポパポという出だしが消えているのが見つかった。たぶん、そんなあら探しは時間の無駄だと言う人が多いことだろう。しかし、反対側から人が入ってくると不意に加速して、いかにも人をはさみそうな、どう見てもすべての場合を想定して設計していると思えない有名な回転ドア。あれと同様にシステム設計上に何か課題があるかもしれないので、ここで取りあげた。

次は、ヘルプの画面で、日本語の表示の画面が一部間違っていた。これは、2月と3月で どちらも同じであった。シートの操作のヘルプで、英語の場合、左側にある一覧のSEAT HELPが選ばれたように表示される(写真右)。ところが、日本語の場合、座席ではなくて、コントローラ(写真左)が選ばれたことになっていておかしい。日本語だと、これもコントローラかもしれないが、そうすると座席という項目が全く使われずに終わってしまう。
これも、全くどうでも良いような誤りかもしれないが、テストも含めて日本人が全く参加していないのではないかと疑ってしまう。 最近の流行で、ソフトはインドで開発しているのかもしれないが、日本人も参加した香りが欲しい。

座席操作のヘルプで 誤って、
座席でなく、コントローラーが
選択されている。

英語では、正しくSEAT HELPが選択されている。

最後に動かぬ証拠を1つ。

システムがドスンと落ちて、DOSが正体を現した。落ちたのは中央の大きなスクリーンで表示されているものだけであり、わざわざそこまで駆け寄って、正体を確認するまではしなかったので、正確にはDOSかどうか不明で、他のOSだったのかもしれない。拡大してみるとエラーメッセージが並んでいるが、やはりよく分からない。以前、SQでも ドスンと落ちて、その時は確かにMS-DOSだった。

DOSが正体を現した??

各シートの端末はWindowsXP? サーバーはLinux? いろいろ想像するが、ユーザーの立場ではよくわからない。

いかにも、パソコン小僧的な内容に偏ってしまったので、最後に、一般的な話題として、地図の紹介をしておく。
これまでは、決まった地図や高度、飛行距離などの情報が一方的に流れてくるだけであったが、新システムでは、インターラクティブと呼ばれているとおり、縮尺や図法などを指定して見れるようになった。
また、左の写真のように、地球を球形に現すこともできて、これを見てやれば、長いフライトの場合、飛行経路が合理的か確認し易いはずだ。 右の図は、昼の地域と夜の地域を現している。どう使えるかは別にして、とにかく見ていて楽しい。

球形の地図

昼と夜の塗り分け

地図と言えば、最近入手したInteractive World Atras というソフトは、世界の地図だけでなく、各国の情報が豊富で、国歌や国旗もすべて収録されている。地理好きには、嬉しい内容だ。国歌も聞けるのは、パソコンやインターネットでないとあり得ない話だ。
そういったソフトも機内で使えると良いのだが、そのためには、ライセンス料、システムの安定性やテストなど 課題が多いことだろう。


(2007年10月更新分)

AVODのバージョンアップ

奢れる者は久しからず(最近は「奢れる人も久しからず」?)。 最初にこれを書いた頃には、「UAは倒産してしまった」などと、インターネット上で噂している人も見かけたが、それから3年余りで立場は逆転。勝ち組と呼ばれたNW、DLも不調に陥り、一方のUAは体力を回復。NWに4年遅れて新シートを登場させようとしていて、9・11前の力関係に戻ったとも言える。8年程度の周期で、UAとNWはお互い逆相で動いていると見ても良さそうだ。企業の設備投資に起因すると言われ、10年程度の周期の景気変動であるジュグラーの波が、ライバル企業同士の力関係で、UAとNWでは逆相でやってきたと考えれば、例え話としては理解しやすい。うちの会社は景気が良いという言い方もするので、それほど外れた物言いではないはずだ。

前置きはそれぐらいにしておこう。分が悪くなったNWでは、シートやオーディオ・ビデオ等のハードウェア面のバージョンアップは、しばらく先になるはずだ。しかし、ソフトウェアは最近バージョンアップがあった。以前取りあげていたが、日本語のヘルプで座席の画面に間違いがあった点は、修正されていた。これがいつ直ったのか、注意深く見ていなかったので、よくわからないが、それ以外で ゲーム等は、最近になってバージョンが上がった。7月の搭乗時には気づかなかったので、その後、今回10月に搭乗するまでの間のことであろう。

上に写真で登場させているゲームは結構変わった。オセロは、以前はとんでもなく弱かったが、今回の搭乗時には、使えなくなっていたのでバージョンアップの最中であると思われる。地図の各地の探索というのも選択できなかったので、同様にバージョンアップの最中なのであろう。

表示の誤りが修正された。
(座席が選択されたように表示すべきところ、以前は
コントローラーが選択されたように表示されていた。)
  

地図の各地の探索と、オセロは一時(?)閉鎖中だった。

改善が進んでいるのはユーザーとして嬉しいことだが、反面、危惧もある。外注費がかさんで、それが経営を圧迫したり、航空券の値段を押し上げないかということだ。そこで、空想的マイラーとなって、いろいろ対策を考えてみた。

いまどきは、百科事典もインターネット上でボランティアの力で、制作費もかけずに作るものなので、それにあやかり、ユーザーの力を結集できないかということだ。ノートパソコンを機内に持ち込んでも、自宅でも良いが、”NW大好き.com”を開いて、そこからメンテナンスやコンテンツの追加など、システムをいじれるようにする。マイレージの会員番号でログインし、貢献度に応じてボーナス・マイルが加算されるのは当然のことだ。追加したコンテンツには、HPのアクセス頻度や検索エンジンのランキングの仕組みを取り入れ、流行らないものは自然に淘汰されていくようにすれば良い。
セキュリティ、著作権や信頼性など、できない理由を挙げるのは容易だろうが、それに対する反論もできるはずだ。
食事でマイルを貯める仕組みを開発して、開発元が航空会社各社に同じものを売り込んだように、ユーザーから仕掛け人が登場することを願う。

マイルを貯めたいユーザーのパワーを爆発させれば、かなりのことができそうな予感がする。


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