SFC修行の皮算用

2013年3月作成


友人がSFC修行を始めたので、自分でも少し調べてみた。

SFCの取得は 日本で国内線によく乗る人が多そうだが、私の知り合いの場合は 主にUAユーザーで、スターアライアンスゴールドの維持が目的である。現状、UAで上級会員を続けているが、自転車操業が精神的に続かなくなるかもしれないし、保険の意味でSFCを取っておこうということである。

SFCやANAのマイレージプログラムAMCに興味があるものの 詳しくない人がいれば、航空会社のサイトに詳しいので、そちらを参考にして頂きたい。

ANAマイレージ・プログラムの上級会員 プレミアムメンバー
プレミアム・ポイントとは
ANAマイレージ・プログラムの変更
ANAマイレージ・プログラム AMC 全般

お得期間は2013年3月まで

マイレージプログラムの常だが、ANAでもルールが改悪され、上級会員になるためのPP(プレミアム・ポイント)は、安いチケットでは2013年4月から加算率が下がる。一方、アジア路線の加算率は、ルール改善で、2013年から50%アップする。そこで、移行期の2013年1月から3月の間にSFC修行をするというのが狙い目ということである。

知り合いの場合は、単純で、BKK/NRT/SFOをディスカウントのビジネスクラスであるPクラスで2往復するだけだ。住んでいるバンコクから出発して、サンフランシスコに居る家族に会いに行くということで、SFCを目指して、ビジネスクラスを購入したということだ。BKK/NRTの路線倍率は、昨年までの100%が今年から150%になる。一方Pクラスの加算率は、2013年4月以降は、それまの125%から70%に引き下げになってしまう。

お得期間の3月のうちに搭乗し、さらにフライトごとに加算される400PPも付いて、片道12591PP獲得でき、2往復でSFCに必要な5万PPをクリアできる。運賃もバンコク発だとお得で、2往復で50万円ほどで済んだそうだ。日本発のANAのビジネスクラスだったらとてもこんな値段では済まない。円安になる前に買っておいたのも幸いしたそうだ。

SFC修行の考え方

修行というと厳しい苦行のイメージが付きまとうが、お得路線を目指して ひたすらPPを稼ぐ場合から、友人のように、家族に会いに行くのにUAからANAに乗り換え、一気にSFCに到達するため少し贅沢してビジネスクラスにしたという場合。さらに、ほとんど会社腹の場合などいろいろであろう。

友人の場合は、さらにいろいろと落ちがあり、その一つは、初回は家族3人で行って、行き帰り一人づつビジネスクラスで、自分はエコノミーだったそうだ。家族サービスや、説明目的などいろいろな要素がある。家族の一人に会いに行くだけでなく、もう一人のSAT受験まであったそうだ。いろいろと制約があり、最安値を目指して、いろいろなところに出掛けるようなことも難しい。この人の場合は、これ以上のSFC修行はないと言えよう。

単にSFC達成や、安いPP単価を目指すというだけでなくて、そもそも旅行が一番の目的になるはずだろうが、いろいろな目的、要素を加えて、合せて一本というのが良いはずだ。そういう意味では、普通はいろいろなところに出掛けた方が良さそうだ。

しかし、以下の検討結果からは、石垣外しは難しそうで、何度か石垣島には行ってもらうしか無さそうだというのが、私の見立てである。私の場合、日本から北米周遊で、マイアミに20回ほど行ったし、米国発券していた時には、UAの一番安いチケットで、日本往復に加え、200ドル程度追加するだけで、日本に2回ストップオーバーも加えてシンガポールに行けた。そうなると流石に、週末に何度もシンガポールに行ったというのは 必然と言えよう。

これに対して、SFC国内寄り道修行の場合は、後から示す皮算用のように、サイゴンなど他の東南アジアの都市に行っても良さそうだ。

とにかく、SFC修行について いろいろな考え方ができるが、私がここでわざわざSFC修行を取り上げた一番のゆえんは、そもそも出掛けるのが億劫になっている人たちに、SFC修行をきっかけにして、旅、特に海外に出掛けて頂きたいということだ。UAやDLでマイレージの上級会員を維持するためには、延々と自転車操業的にマイル修行を続ける必要があるが、SFC修行なら一度で済むというメリットが大きい。


SFC修行のルート検討

上で取り上げたBKK/NRT/SFOのPクラス以外の修行ルートをインターネットで検索してみた。しかしながら、これもマイレージプログラムの常と言えそうで、お得は長続きせず、人気の宮古島便やSIN修行は2013年4月以降は、一気に条件が悪くなる。これに対抗するには、現状では、海外乗り継ぎの割引を駆使するしか無さそうだ。

LCCとの競合路線を狙う

那覇/宮古島

スカイマークの参入で、宮古島路線が激戦になり、対抗上ANAでも安いチケットが出回り、ここで往復を繰り返して、PPを稼ぐというSFC修行である。昔、タイ北部でTGの短距離区間で往復を繰り返し、スターアライアンスゴールドを達成するという話があったが、それに似ているとも言えそうだ。

ANAでは、フライトの回数で上級会員を達成する道は無くなっている。SFC修行で短距離区間が脚光を浴びるのは、フライトごとにもらえる搭乗ポイントの400PPをひたすら稼ぐというのがミソである。通常安いチケットでは搭乗ポイントは加算されないが、特割Cでは、この400PPがもらえ、宮古島・那覇の路線では、特割Cの安いチケットが出回った。

とにかく、400PPのお陰で、片道 665PP ANAのサイトでは4800円が検索で見つかり、その前は噂では4200円もあったということだが、4800円でもPP単価は7.2円/PPでかなり安い。

3月までは簡単に安いチケットが見つかった。しかし 4月以降は駄目で、値段が倍以上に跳ね上がり おかしいと思ったら、4月からスカイマークは運休だそうだ。

と言うことで、いきなり肩すかしから始めて申しわけない。しかし、これが現実という意味で、あえて削除せずに残した。

神戸または関空/那覇、関空/札幌

LCCとの泥仕合がカギのようなので、運休の宮古島便以外で、さらにスカイマークにこだわると、同社は神戸と那覇を結んでいる。そこで、ANAの大阪/那覇を調べると、神戸または関空利用便が安い。伊丹は便利なので、あまり値下げしないようだ。

プレミアム旅割28 16400円 2247PP 7.3円/PP
旅割55 9800円 1108PP 8.8円/PP

同様に、スカイマークは神戸と新千歳を結んでいる。

ANAの関空・札幌が安くて

プレミアム旅割28 15300円 2065PP 7.4円/PP
旅割55 9800円 998PP 9.8円/PP

その他のLCC競合路線

スカイマークだけサンプルとして調べたが、最近は、LCC各社が日本国内の路線が次々と運行を始めていて、バーゲンもよく見かける。ANAが対抗して、安いチケットを出す可能性が高そうだ。

海外乗り継ぎでの国内線割引料金の利用

国際線は、割引料金の加算率が下がって、折角遠くまで出掛けてもなかなかPPが貯まらない。そこで、国際線利用時の国内線の乗り継ぎ割引を活用したい。乗り継ぎ国内線運賃 と 海外乗り継ぎ割引スペシャルの二種類あり、両方使って、往路、復路でそれぞれ国内線を2フライトずつ、つけることができる。それぞれ、料金は1万円程度、合計2万円程度の均一料金の追加で、国内線に4フライト乗れるので、できるだけ距離を稼いだ方がお得ということになる。
例えば、SIN修行の場合、例えば 東京/石垣/東京/SIN/東京/沖縄/札幌というルートが良さそうだ。

この場合

東京/石垣島 2456PP x 2
東京/沖縄  1968PP
沖縄/札幌  2794PP

国内線部分は合計9674PP

これが、わずか2万円程度の追加で稼げるので、PP単価にすれば2円程度である。

一方、国際線部分は、2013年4月以降は、エコ割3/5/7やスーパーエコ割の場合、加算率が70%から50%に低下したので、

東京/SIN  2484PP x2 = 4968PP

国際線の方は、国内線の半分くらいしかPPが貯まらない。
運賃の合計は、84980円で細かい数字は出さないが、SFC修行としては、国内線部分がいかに重要か分かるだろう。

合計は14642PP PP単価は 5.8円/PP

このようなルートと料金をANAのサイトで見つけて予約するには、「エコ割の画面」に入り、「自由に区間を選択」 、「区間数を増やす」の順に進み、そこで 具体的に経路や日付を入れていけばよい。

比較のため同じ経路の国内線をつけて、海外の目的地を変更した場合のPP単価を計算してみた。
東南アジア路線はエコ割3/5/7で、欧米路線はスーパーエコ割である。

東京/石垣/東京/***/東京/沖縄/札幌修行の皮算用(2013年4月以降)
最終目的地 SIN BKK SGN MNL IAD FRA
国内線区間の獲得PP 東京/石垣/東京 および 東京/那覇/札幌
9674PP
国際線区間の獲得PP 4968PP 4302PP 4058PP 2820PP 6762PP 5928PP
総獲得PP 14642PP 13976PP 13732PP 12494PP 16436PP 15602PP
航空券料金 84980円 88920円

79820

79730円 156670円 141090円
PP単価 5.8円/PP 6.4円/PP 5.8円/PP 6.4円/PP 9.5円/PP 9.0円/PP

東南アジア路線ならそんなに変わらず、欧米路線は割高ということになりそうだ。
個人的な好みもあるが、上記のようなルートでSIN,BKK,SGN修行を行い、あとは、乗り継ぎで国内線も必要で、それを別切りで発券すれば、出発地にもよるが、5万PPへは、少し足りないという程度で、不足を満たすため、国内線で適当に興味のあるところに出掛ければ良い。

出張での陸路移動を飛行機に切り替え

そもそも仕事で 日本全国へ 飛行機で出張を繰り返しているような人なら、会社腹で簡単にSFCを達成できるはずだ。以前の訪問者でもそういう人がいた。最近は、社用で得たマイルは、会社が召し上げる場合があると聞くが、流石にPPまでは持って行かれないだろう。

東京/大阪往復

それ以外でも、特に関西在住のサラリーマンなら、東京に出張に行く人は少なく無さそうだ。私の場合でも、以前は京都と東京を新幹線で繰り返し往復した。例えば、月に2回ぐらい関西と関東を往復するのであれば、新幹線から飛行機に乗り換えれば、かなりSFCに近づくと言えよう。どこまで、どのようにこれが会社から認められるのか、場合によりそうだが、特に自宅から空港へのアクセスが良い場合には、新幹線に乗ったことにして、飛行機で出掛けてしまう人がいてもおかしくないだろう。無料航空券でも手に入ったものなら、そういうことをする人が多く出そうだ。

かなり胡散臭い話とも言えそうだが、ここでは、許容範囲と認めてもらうことにしよう。

東京/大阪では距離があまりないので、PPは貯まりにくく、SFC修行としては、搭乗ポイントの400PPが加算されるクラスでないと、かなりイマイチであろう。

東京/大阪往復SFC修行の皮算用
種類 特割 直前 特割 早め購入 旅割55 プレミアム旅割28
料金 15170円 13170円 9170円〜 20370円〜
PP 820PP 820PP 420PP 1100PP
PP単価 18.5PP/円 16.1PP/円 21.8PP/円 18.5PP/円

単純に この表を見れば、PP単価は高いと言えそうだが、新幹線利用時との差額が自腹ということになるなら、詳細な計算をしなくても、特割が良さそうということになろう。また旅割なら逆ザヤが出そうで、利用可能なら それはそれで 意味があるのだろう。

特割31往復で、5万PPを達成できる。20往復程度しかできなくても、加えて、先に説明した SINプラス乗継ぎ国内線を一度利用すれば、ほぼ5万PPに到達できる。

ここでは、東海道新幹線の利用者を見ても圧倒的に需要が高さそうな、関西と関東の往復を考えたが、他にも、住んでいる場所により、いろいろな別の路線の可能性があろう。

その他

これ以外に、提携他社便を利用する場合と、国内で行ってみたいところでそこそこPP単価の良い目的地という二つの観点で検討しようと思ったが、いずれも良い経路が見つからなかったので、省略する。
特にUAの安航空券の加算率が悪過ぎなのが気になる。



BACK