遊覧飛行  

2001年2月



石川県小松市あたりから
日本海に抜けるUA809便

私は関空ベースで飛んでいるので、UAで米国へ行く場合は、UA810/UA809便を利用することになる。この便で約40往復している。当然、天候その他でいろいろな状況に出くわした。これまでにも、サンフランシスコ、関空共、混んでいると着陸を少し待たされることはあった。しかし、今回程寄り道したことはかつてなかった。お陰で、長い遊覧飛行を楽しむことができた。

関空ができるまでのUA809便は、伊丹空港に到着し、その時は結構、本州上空も飛んでいた。しかし、関空に変わってからは、空港の位置の関係からか、大抵、太平洋上を飛んで、和歌山県沖で北上して着陸する。着陸が北から、南からに関わらずほぼこの経路である。ちなみに、北から着陸する場合は、飛行機は北上して、空港を越えてからUターンする。かなり低空でのUターンなのでスリルを味わえる。(本当は不必要なスリルは味わいたくないのだが。)時間待ちする時は、淡路島辺りで油を売っている(いや、消費している)ことが多い。

ところが今回は、はるかに遠回りした。

太平洋を飛んで来て、成田よりも北、日立あたりから本州上空を飛び、福島県、群馬県を見て、長野県の北の方を飛んだ。日本には沢山のスキー場があることが実感できた。太平洋の何もないところでなく、景色の良い山の上を飛ぶとは、何と粋なはからいかと、喜んでいた。しかし、長野県まで来て、いまだ空港とは全く違う方向に向かって飛んでいるので、その昔、尾翼が折れた747が、思う方向に進めず山に激突した事故のことを思い出してしまった。いったいどこへ行くのか? 飛行機はそのまま直進し、富山県、石川県上空を飛んで、遂には日本海に達した。これまでUA809便で日本海上空を飛んだ経験がなかったので、思わず記念写真を撮った。このままでは韓国に行ってしまうので、さすがに飛行機は旋回しだし、鳥取砂丘を見ながら、浜坂あたりで本州の上空へと戻った。さらに瀬戸内海から四国上空へと向かい、やっと通常の経路に戻って着陸した。

以前、サンフランシスコで、飛行経路を計算して決めるため、UA809便の出発が30分ほど遅れたことがあった。風速200km以上、場合によっては500kmにも達するジェット気流の風向きを考慮して飛ばないと、到着が大幅に遅れるかもしれないので仕方がない。遅れた理由が、本当に計算のためなのか、他にあるのか、ユーザーの立場からは分からない。航空会社のアナウンスを信じるしかないのだが、計算に労力を費やしても、最後に上空で油を売っていては、何にもならない。多分、航空会社が気の毒なことになっているのだろう。

いずれにせよ、もしも油を売り出しても、遅れるとブツブツ言うのは避けたい。カメラを出して、外の景色を楽しんだり写真に撮ったりするのが、航空会社に対してフレンドリーなユーザーの振る舞いであろう。



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