タウン・ウォッチゃーは見ている
〜 スプレー・ペンキ画家の盛衰 〜

2001年1月



スプレー・ペンキ画の実演
@Playa del Carmen

幻想的な絵

スプレー・ペンキ画の実演
@Santa Monica, CA

チケットを安く買い、出来るだけ沢山距離を飛び、マイル単価を下げる。そして、それだけでなく、行き先では出来るだけいろいろなものも見てきて、少しでも元を取ろうとする。これが私のマイル修行の方針だ。

2000年はスプレー・ペンキ画の実演を各地で見かけた。
最初に見たのが去年の3月、プラヤ・デル・カルメンという所。カンクンの近くでコスメル島へ行く途中にある観光地である。
私も初めて。見ていた人も、たぶん初めてだったのだろう。物珍しいので辺りには人だかりができていた。手際良く絵を仕上げていく様子を感心して見ていた。値段がいくらかは忘れたが、受注生産で、実演が途切れることなく注文が来ては、絵は売れていった。実演は昼間が暑いこともあり、人通りも多い夜行われていた。絵は星を中心にした神秘の世界を描いており、さらに幻想的な音楽が流れていた。すべてがうまく調和し、見せて聴かせる商売をしていた。

次に見たのは、それから、それほど経っていないサンタモニカでのこと。同様に、多くの見物客を集めて注目されていた。

最後に見たのは、昨年11月のマイアミでのこと。BENIHANAのコックのように派手なパフォーマンスを見せてくれたが、観客はいない。私自身も既に何度も見ているので、今更実演を見る気にならない。他の人も同じなのであろう。

残念ながら、だんだんと空きられ、そのうち人から注目されない存在になっていく。この手のものは、見せ過ぎると良くない。 すなわち、売る人間が多過ぎたので、あちこちで見掛けてしまったということだ。 この職業には定員があり、定員を越えて乗客を乗せて沈没した船のように、供給過剰になってしまった。

観客数の変遷から、私はそのように見て取った。



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