スタンバイ 乗れた 乗れない

2003年 2月




先日、スタンバイして、幸運にも ぎりぎり乗れたことがあった。

UAでワシントンDC(IAD)からオーランドへ飛んだ時のことである。予約が入っていたのは、夜遅くオーランドに着く便で、できれば早めにオーランドに着きたいと 前倒しを考えた。その日はアトランタから飛び始め、乗り継ぎ地のワシントンDCには、正午前には到着していたのである。昼間のオーランド行きの搭乗口のカウンターで、スタンバイを依頼したところ、混んでいそうだが、なんとかスタンバイ・リストに名前を載せてもらえた。ところが、程なくして、オーバーブッキングしているので ボランティアになる人はいないかと言い出したのである。

さすがに、ボランティアで席を譲る人に お金を払ってまで、スタンバイの人を乗せることはありえない。従って、こういう時は、スタンバイをしても大抵 無駄。さっさと諦めて、どこかへ行ってしまった方が良い。しかしながら、この時は、出掛けるあてもなく、出発まで1時間くらいだったので、ただ待っていた。 すると、ぎりぎりで1席だけ余って、幸運にも乗れてしまったのである。乗り継ぎ便が遅れて、乗れなくなった乗客が一人出たとのことであった。


スタンバイのパターンで一番多いのは、飛行機が早く着いた。または 乗り継ぎ時間の制限で、乗り継げないはずの飛行機に間に合った。そのような時に、一本前の飛行機に前倒しで乗る場合である。ただし、前倒しの飛行機が空いていて、直ぐに便を変更してもらえた場合には、スタンバイとは言わないのかもしれない。

乗り継ぎ地で前倒しする場合、チェックインの荷物があると、体だけ現地に早く着き、荷物は予定通り着くことになり、これでは意味がない。 実際には航空会社は、航空会社の都合による場合を除くと、安全上の理由から、荷物と乗客は同じ便で運ぶものだ。従って前倒しは難しい。前倒しを狙うなら 荷物を預けず身軽な旅をする必要がある。
乗り継ぎではなくて、最初にチェックインする空港でなら、荷物にスタンバイのタグを付けて、乗れるのが確定すれば荷物も積み込むようにしてくれることもある。これは主に国際線の場合だ。

前倒しは航空会社にもメリットがある。すなわち、空席があれば、客を少しでも前のフライトに乗せ、時間が後のフライトに、空席を移した方が新たな客を獲得できる可能性が増えるからである。未来の空席はお金を生む可能性がある。
そのため、前倒しなら、どんなダメなチケットでも、空席さえあれば、大抵 乗せてくれる。ただし、これも当日に限る話で、前日までに乗ろうとすると、難癖をつけられたり、門前払いされることも多い。あまり融通を効かせ過ぎると、高くて制限の少ないチケットが売れなくなるからである。経験上は、NWは厳しく、UAは厳しくない。

マイルの入力を確認

スタンバイで、忘れてはならないのは、マイレージの上級会員の場合に 会員番号が、ちゃんと入力されているのを確認することである。これにより スタンバイのプライオリティを上げてもらえる。反対に上級会員でないと何かと不利である。 会員番号の入力確認は、UAの場合にはDMカードをもらえるので、これのマイレージレベルのところが正しいか見ておけば良い。

会員番号が入力されていないために失敗した事例を紹介しよう。

以前、マニラ/ソウル/関空とUAで飛ぶときに、ソウルから日本に帰る便で、スタンバイしたことがある。簡単にスタンバイを受付けてもらえたので、これはなんとかなるだろうと安心していた。ところが 搭乗時間になっても名前を呼んでもらえず、結局乗れなかった。
あとで考えると、特典旅行であったし、マニラからの便も含め、予約していない日に、いきなり空港に行き、強引に混んでいるところに乗ろうとしたので、マイレージの番号が入っていなかった。 ソウルのスタンバイでは、他には名前を呼ばれている人もあったので、1Kが乗れないはずはなく、番号が入っていなかったのは明らかだ。
その代償は大きく、ソウルからノーマルチケットで日本に帰る羽目になった。
そうは言っても、転んでもただでは起きない性格なので、少し料金を追加して、大阪、羽田間の往復も追加し、この区間のチケットを安く手に入れた。さらには、残されたチケットで再度 ソウルに行った。

BP

BPについて、あまり詳しいわけでもないので、ここで書くのは少し憚られるが、UAの場合 スタンバイするとBP番号が割り当てられる。以前 サンフランシスコから日本に帰る時にUAでスタンバイしたところ、BP4になった。出発の30分程前に、乗れるかどうかを確認に行ったところ、「BP3とBP4の方は、もう乗ってもらっても結構です。」と言われた。数字が大きいほど、プライオリティが高そうである。 1Kだと、これまでBP4かBP5になっていた。
チェックインの荷物に付けるスタンバイ用のタグにも BP3とかBP4とか書かれていて、これによって 出発直前に荷物を積み込むかどうかを決めている。

スタンバイとアップグレード

主に上級会員の話だが、国内線の場合には、予約が入ってなくて 搭乗のためにスタンバイした場合でも、さらに、アップグレードもスタンバイすることができる。もちろん、アップグレードは、マイルを使ったり、有償で、痛みを伴うものではなくて、UAなら、上級会員に無料で送られる証書の利用。NWなら、ゴールド以上で無料でアップグレードしてくれることを想定している。

問題は、国際線の場合である。ここでは、乗ろうとしている飛行機が混んでいるので、仕方なくスタンバイする場合を考えているのだが、そういう場合に予約が入っていれば、通常ならインボラUGと呼ばれる幸運が待っているはずだ。ところが、予約が入っていないと、立場は苦しい。通常インボラUGは期待できない。アップグレードのリストとスタンバイのリストとは独立しているということだろう。

しかしながら、これも例外があった。以前にも紹介したが、NWのマニラ発 特典旅行のYクラスで、混んでいるため予約の変更ができず、強引に空港でスタンバイしたところ、Cクラスの席になった。その他の国の常識が通用しないフィリピンでは、空港でも数々の不可思議なことが起きて退屈することがない。

また、試したとはないが、UAのSystem wideなどの証書がある場合には、国内線の場合と同様であり、アップグレードも可能だろう。その場合、証書を使いたいことを最初に伝えておかないと、乗れるのが決まった時点では、既にアップグレードのために席が無くなってしまっている可能性が高い。



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