トロントに夜遅く到着、町中をとろとろ3kmも歩く 

2000年10月


トロントのシンボル。
町の至る所で見かけるムース

UAで北米周遊の途中、シカゴ経由でトロントに立ち寄った。

シカゴでオーバーブッキング、さらに遅延

まずは前置き、シカゴでの出来事を2件。

またまたオーバーブッキングに出くわした。1週間前、航空券を買った時には、十分席の余裕はあった。しかし、週末の夕方で混む時期であったためか、結局出発時にはオーバーブッキングになっていた。

搭乗間際になり、例によりアナウンスがあった。普通なら搭乗口のカウンターの前で、ボランティア募集のアナウンスがないかと、身構えているところだが、この日は、フロリダの West Palm Beach からの乗り継ぎで、疲れぎみ。体調が良くなかったので、ボランティアに応募する気になれなかった。 身構えることもなく、アナウンスがあったが、カウンター付近で見るだけにしておいた。
約3時間後のフライトになり、400ドルのクーポン券をくれるとの条件であった。
アナウンスが終わるや否や、約10名ほどの乗客がカウンターに詰めより、順にボランティアに応募していた。そして、アッという間に数が足りてしまった。 そういう状況だったので、増々ボランティアに応募する気にはなれなかったのである。結局、何人ボランティアになったのかは不明だが、飛行機は満席で飛び発った。

ボランティアに応募しなかった理由には、夜遅くトロントに到着するのを避けたいためもあった。これについては、その日の晩遅くではなく、次に日のフライトに変えてもらうという手がある。夜遅く目的地に着きたくないし、シカゴのホテルは自分で探して泊まると言えば、ダメと言われることはないだろう。

もう一つのシカゴでの話題。

夕方の出発ラッシュのためか、飛行機がゲートを出てから離陸まで、1時間近くかかってしまった。離陸用に滑走路を2本使っていたにもかかわらず、飛行機は長蛇の待ち行列。列も混乱し、一昔前の北京のバスで、押し合いへし合い人が乗り込んだように、いろいろな方向から飛行機列の先頭めがけて、やって来た。
やっと、順番が回って来ると、パイロットは乗客の急ぐ気持ちも察してか、滑走路に入り、前の飛行機がまだ飛び立っていないのに、早くも走り出した。 滑走路2本で、1時間かかったので、100機以上は待ったと思われる。

トロントの入国審査で絞られる

そして、トロントに30分程遅れて到着。
ここで、またまた災難が待ち受けていた。前回カナダに来たのは、昨年末のバンクーバー。その時は、入国審査は簡単に終わった。 ところが、今回のトロントでは手こずった。第一関門だけで予選を通過し、楽々放免される米国人を横目に、私の場合は、敗者復活戦である第二関門に進むよう指示された。
そして、あれやこれやと10分ほど質問されて、やっと放免された。その後、私と入れ変わりにアジア系の家族がやって来た。どうもアジア系の人間が、集中していじめられていると思えてならない。入国審査管も、誰かを相手にしていないと、仕事をしていないことになる。そのため、誰かを予選落ちさせないといけないのはわかる。しかし、予選落ちする人の傾向が気になる。
これと対照的な例は、メキシコのカンクン空港。入国審査の時、ボタンを押すと、それがくじになっていて、目出度く当たった人だけが、詳しく調べられるようになっている。

特にアジア系を問題にしたが、アジア系の人でも楽々予選通過する人はたくさんいた。私の場合は、さらに、どこに泊まるのかと聞かれて、安ホステルと答えたのも、あまり良くなかったような気がする。さりとて、嘘をつくのは良くない。初めは奮発して、そこそこのホテルに泊まるつもりになって入国し、空港バスに乗る頃には、やはり身のほどをわきまえて、「やっぱり、安ホステルにしよ。」と気を変えるくらいが、現実的なところか。


夜のトロントをとろとろ歩く

さて、やっと本題に入る。
入国に手こずったこともあり、トロントの町中に着いたのは、夜の10時半頃。地球の歩き方の地図に従い、協会純正のホステルへと向かった。 そして、例によって、だまされた。地図で判断して最寄りの地下鉄駅で降りたところ、実はホステルの場所は2駅違っていた。おかげで、地球をたくさん歩いて、ダイエットに役立った。

遠回りしながらも、何とか目指すホステルの到着。しかし、何とそこでは、空いてないという、つれない返事が返ってきた。夜遅く到着すれば、気の毒に思って何とか泊めてくれるだろうという見込みが甘かったのだ。
しかし、不幸中の幸い、係の人が親切で、知っている安ホステルに電話して、予約までしてくれた。予約があると言うのは心強いもの。歩いて20分位のところだと言われたが、歩く気になった。結局、目的のホステルには11時間半頃塔着。夜のトロントを3km程歩いた。


帰りの便も遅れる

さて、あとがき。

帰りのシカゴ便は、出発が1時間15分遅れた。
何故遅れたのか、非常に気になっていたところ、乗務員が、変更された後の出発時刻の40分前になってやっと到着した。一方、飛行機は、随分前からゲートに泊まっていた。これらのことから、さては、乗務員が寝坊したのかと思った。
そして、出発してから、機内アナウンスで種明かしがあり、すべてが判明した。
前日の到着が遅れた。それで、安全確保のため、乗務員は十分な休息を取る必要があり、出発を遅らせたというのだ。 乗務員はしきりに謝っていたが、乗客の私としては、すこし納得がいかない面があった。夜遅く着いて、次の日、乗り継ぎや予約の入り易さの制限で、早く出発しないといけないことが良くある。
これに対して、乗務員は恵まれているなと感じるのは、私だけではあるまい。

さて、このように、受難続きのトロント行きであったが、現地では、この受難を補って余り有るほど満足できた。



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